- 2015/10/25 Jim O'Rourke at 草月ホール
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2015.10.28 Wednesdayアメリカ・シカゴ出身日本在住で、いろんな音楽を手掛けているJim O'Rourkeの2日間に渡る公演の2日目に行って来ました。初日とはメニューが違うそうで(何をやるか未発表時点でチケット取っていました)、この日はインストのライブを45分2セットといった構成。
最初はアルバム「Bad Timing」の全曲再現ライブ。このアルバム持っていなかったのですが(会場で買って後で聞きました)、素晴らしいなーと思うことしきりなライブでした。メンバーはGaman Gilbertoのメンバー+高田漣でピアノ/キーボード、ベース、ドラム、スティールギター、バイオリンという5人がバックで1曲だけ次のセットに出演するウッドベース奏者が加わってました。最初の「There's Hell In Hello But More In Goodbye」はたぶん今年のフジロックでもやっていた曲でO'Rourkeのギターソロからリフをじんわりと重ねて行ってゆったりと全部の楽器の音が上昇していくような曲でこれだけで素晴らしいなと思えるもの。アルバムに収録されているものとは印象がかなり変わるものです。その後もカントリーテイストなギターソロから他の楽器の音が重なっていく流れが心地よいもので、ギターソロにドラムの山本達久が鉄琴の音を加えて、石橋英子がキーボードのドローン音的なものを加えてじりじりとさせた後で華やかなスティールギターやバイオリンの音が加わる展開が鮮やかでした。
続いては初めてのライブとなるそうなJazz Trio and Big Bandという形態。ステージ中央前方に位置する坂田明 & ちかもらちというサックス/クラリネット/ボーカル、ベース、ドラムの3人組を取り囲むようにピアノ、チューバ、トロンボーン、フルート、サックス(だったかな?)、バリトンサックスが位置して、その間の中央にO'Rourkeが座ってBig Bandに指示を出すというスタイルのもの。フルートは前セットでピアノ/キーボードを担当していた石橋英子、バリトンサックスは吉田隆一。坂田のパワフルな短いサックスソロから洪水のようなリズム隊の音が入り込んできたところからびびりましたが、そこに重厚感のあるピアノと管楽器の音が緊張感持って加わる展開がスリリング。リズム隊の不定形でドキドキしまくりの演奏と突き抜けるようなサックス音だけでもすごいなと思わせられるところに、ビックバンドの音(加えてO'Rourkeは手元の機械でちょい加工してたかな)が加わった世界は圧倒的。大きな紙や手振りでビッグバンドメンバーに指示していくO'Rourkeのアクションも熱い。大きく3曲あって、坂田はサックス、クラリネット、ボーカルという3種で主役張っていました。ボーカル曲は、かわいらしいおじさまな風貌とはミスマッチなおどろおどろしいうなるような声をあげていくもので、この世界もあまり味わったことないものでした。
余談です。
- 2015/10/24 dip、NOT WONK、The fin. at 代官山UNIT
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2015.10.25 Sundayバンド3組がそれぞれ45分ほどのライブを行う「The World to Come」という名前がついたイベント。英語で歌っているくらいが共通項で音楽性やキャリアがバラバラなのがおもしろい、いずれも楽しんで聞きました。dip以外は初めて見るバンド。
最初はThe fin.。神戸出身、ボーカル/キーボード、ギター/キーボード、ベース、ドラムという編成の男性4人組。高音のキーボードやギターをはじけさせつつ、ミドルテンポのリズムできれいなメロディを歌うといった印象。80年代のシンセポップなメロディの曲もありますが、それをバンドサウンドとしてきっちり聞かせていました。アメリカ、イギリスの歌ものバンドの影響が強く感じさせられるアレンジでありつつ、どこか東南アジア的というか湿度が高いような音を織り込んでいたような気がします。具体的にどこかって言えないのですが、、ボーカルとギターの方の濃い顔立ちに印象が誘導されたこともあるかもしれません。
続いてはNOT WONK。苫小牧で活動しているというギター/ボーカル、ベース、ドラムの男性3人組。最初の曲は質実剛健なUKロックという印象なもので、The fin.がKEANEなら、NOT WONKはStereophonicsかな、、なんて思っていたら2曲目ではがらっと変わります。3つの楽器がユニゾンで高速リフをブレイク織り込みながら刻んで、そのままメロコアな曲を。その後もいろんなタイプのロック曲を繰り出しますが、バラバラという印象は無く芯が通っているというか強いリズムやギターリフを出しつつ真っ直ぐに歌う様がかっこ良い。重い音を織り込む場面もあり、今度LOSTAGEと対バンやるというのもうなずけました。
最後はdip。今年のあらばきロックフェスで見て以来2回目になります。感激する所多々あるライブでまた見たいと思っていました。ギター/ボーカル、ベース、ドラムの男性3人組で、ざらついた音色とともに疾走感があるリズムと、それに寄り添ったり離れたりする飛翔するようなギターリフがすごくかっこ良いバンド。インスト部分をたっぷり聞かせた後で入るボーカルもがらっぱちな感じもありつつかっこ良い。時折絶叫気味に歌うのも良いですね。ギターリフをサンプリング、ループしたりして音を重ねる場面もあるのですが、基本的には3人が生で出す音をそのままぶつけてきます。音加工もあまりしていないと思われる中で、これだけ混沌としたサイケ感があるのがすごい。ミニマルなリズムの中にはいろんな変化を入れてきていて、特にドラムのここぞというところのブレイクや早叩きなどを織り込んでくるのにぐっと来ました。
- 2015/10/20 新垣里沙 at TOKYO FM HALL
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2015.10.24 Saturdayこの日誕生日を迎えた新垣里沙の誕生日イベント。モーニング娘。'15の生田衣梨奈も参加ということで、この二人のやり取りが見たくて行って来ました。1日2回公演の2回目。
生田司会で、お客からのアンケート読み上げコーナー、お客から3人ステージに上げて生田とのクイズ対決コーナー、歌が2曲という構成でした。2曲と少な目だったのがやや残念ですが、この2人の師弟関係とも言えるやり取りが生で見れて癒されました。新垣は胸から上が白、下がカーキのドレス基調のワンピース、生田はこの日出ていたというグッズのトレーナーにデニムのミニスカートという格好。新垣は生田を基本ぞんざいに、たまにほめつつ笑い起こしつつほんわかとした会話をしていきます。生田は何を話されていてもうれしそうで、細目でコロコロと笑う表情が良いですね。
2年前にモーニング娘。に再度はまった時にネットでいろいろ見ている中で、新垣里沙のファンクラブツアーに現役メンバーがファンの一人で参加するという企画の映像を見て、その子のわけがわからない情熱というか猪突猛進っぷりというか、未知なパワーを感じてから常に気になる存在になったのが生田で、それをいい感じに適当にいい感じにやさしい目で見守る新垣との関係性が微笑ましいな、と。なんか生で見ていて、ウッチャンとウド鈴木の関係に似てるかもとか思っちゃいました。
生田は新垣のことならなんでも知ってる、とあらゆる場面で張り切ってました。「ピンチャポー」ってテレビ番組での新垣里沙伝説のおもしろ回答(黒船来航のペリーの名前をこのように回答した)を知ってたり。もうあれって12年くらい前なんで生田は当時6歳くらいになので、生では見てないですよね。新垣理沙にまつわるクイズで、ビールとディズニーどっちかしか取れないならという選択問題で、新垣はディズニーを選んでいましたがビールもかなり好きだそう。「でも、1日1本くらい。吉澤(ひとみ)さんほど酒豪ではない。」とのこと。生田があと2年でお酒飲めるようになるんで、吉澤-新垣-生田ラインで良い飲み仲間になりそう、と思ったり。
歌は後藤真希の「ガラスのパンプス」とモーニング娘。の「やめてよ!シンドバッド」。「やめてよ!シンドバッド」は生田と2人で。途中ケーキとともに生田がバースデーソング歌いながら登場した場面で「生田、歌うまくなったねー」とほめてましたが、この曲も良い感じで歌のうまい新垣とデュエットしてました。高音パートが無いこういった曲ははまりますね。
- 2015/10/16 LITTLE TEMPO at 横浜ThumbsUp
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2015.10.17 Saturdayスティールパンを中心に華やかなダブレゲエを奏でるインストバンド、Little Tempo。今年の夏日比谷野音のイベントでちょっとだけ出演したのを見てますが、単独となると3年ぶりになります。横浜駅から3分くらいにあるオールドアメリカンなライブハウスは4年前に同バンドを見て以来来ます。テーブルと椅子あり、飲み食いしながら見るスタイル。
スティールパン、スティールパン/スティールギター、サックス、キーボード、ベース、ドラム、ギター、パーカッション、ミックスの男性9人組。強いリズムにダブミックスも加わる中で南国気分、色気、かわいらしいメロディなど多彩な魅力を持つスティールパン、スティールギター、サックスの音がのっかる、相も変わらず最高なライブですね、浮かれて聞きました。
序盤はゆったりとしたスタート。「スカイハイ」での田村玄一のスティールギターが気持ち良いです。中盤で聞かせた「茶の味」はインストバージョンで聞くの初めて。徐々にスピードアップして席から立ち上がるお客さんも増えてきて本編ラストは「LEGALIZE DAY」と「MUSICAL BRAIN FOOD」で畳みかけます。特に「LEGALIZE DAY」のスピードアップする場面とヘイ!とお客含めてみんなでコールする場面は最高でした。観客総立ちでの拍手に包まれてメンバー退場。
アンコールはちょっとテンポを落として「トワイライト・ダンディ」「ときめき☆リダイアル」を。「ときめき☆リダイアル」はキーボードのハカセがピアニカ持ってステージ中央で吹きまくります。前回同所で見た時もこの曲やってましたが、確かその時は日本酒を一気飲みしてからやっていたように記憶しています。今回は無し。そして最後はたぶん初めて聞く曲でした。スティールパンの奏でるメロディが童謡「あの青い空のように」と思えるものでした。しっとりとした締めで、心地よいラストでした。
- 2015/10/11 横濱JAZZ PROMENADE at 横浜市内各所
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2015.10.14 Wednesday関内、桜木町あたりを中心に各ホール、ジャズクラブで一斉に昼から晩までライブをやっており、チケットパス(バッチです)でどこでも入れる形式のものです。2日間行われる2日目に行ってきました。4年ぶり3回目の参加。雨が心配されていましたが、無事持ちました。今回はKAAT神奈川芸術劇場と横浜赤レンガ倉庫1号館の2つの会場のみ回るというシンプルな動き方をしました。今回見た5組は全て初めて見ます。感想を。
Gentle Forest Jazz Band
KAAT神奈川芸術劇場という初めて行くキレイなホールにてジャズビッグバンドを。30分ほど到着遅れて残り1時間ほどのライブを見ました。指揮者、ボーカル兼ダンサー×3、ピアノ、ギター、ベース、ドラム、管楽器隊13名の大所帯21人バンド。ドラムの松下マサナオはYasei Collectiveで見たことありますね。Yasei Collectiveとは異なる叩き方でこちらはバンドカラーにあったやさしいドラミングとの印象。バント名の通りジェントルな感じもありつつ、どこかほんわかというか(かわいらしい)いんちきくささを漂わせつつ愉快に演奏するビックジャズバンドという印象です。いんちきくささの大半は指揮者が放つもので、指揮をしつつ変な踊りをしたり変顔をしたりと。女性ボーカル3人は曲により出入りします。3人のハーモニーがきれいでスタンダード(Frankie Lymonの「Goody Goody」など)やオリジナル曲を歌っていました。音は全般にやさしく心地良い。特にギターのやさしい音が印象的でした。10年前くらいに社会人バンドとして出発したらしいこのバンドは当フェスの路上ライブからのし上がっていったそうで、プロとなった今は八代亜紀やakikoなどの有名シンガー、東京03、おぎやはぎ、バナナマンなどのお笑いとも一緒にやってたりするそう。お笑いの方達とどうゆうからみをするのか分かりませんが、おぎやはぎとは世界観合いそうだなーと。バナナマンからは自分達の単独ライブのオープニング曲を作って欲しいとリクエストがあって作った曲があり、今回そのフルバージョン(バナナマンライブでは1分くらいのものだったとのこと)をやっていました。「ブルースバナナ」という曲で、その名前通りブルースな感覚が入りつつ、管楽器ソロを織り込んだジャズ曲でした。ラスト近くの曲ではオリジナル楽器を作って演奏するということで、ボーカル3人がコップ形状の吹く楽器(がまがえるの泣き声っぽい)を使ってユニークに演奏してました。
N/Y(新垣隆・吉田隆一)
KAAT神奈川芸術劇場のホール隣にあるスタジオ(テレビ収録できそう)にてピアニストとバリトンサックスという変わった組み合わせのデュオを見ます。渋さ知らズ、板橋文夫、藤井郷子の各オーケストラなどで見たことある吉田隆一はお馴染みですが、新垣隆は初めて。去年ゴーストライター関連のニュースで話題になった方らしいのですが、あまりその辺のニュース見ていなく、自分は今年見たテレビのバラエティ番組でモーニング娘。'15の野中美希とピアノ対決した放送を見て顔と名前がやっと一致した方です。その対決は新垣の圧勝でしたが、野中がピアノこんなに弾けるんだーとびっくりした記憶が。新垣はどちらかというとクラシック畑のようですが、その事件の時期に吉田が声をかけてデュオを組んだそうで、このデュオではジャズ。やわらかな新垣のピアノに豪胆さやメロウ、ノイズちっくなどいろんな吹き方をするバリトンサックスがからむもので、聞き味が新鮮。オリジナル2曲とカバー2曲でした。カバーはOrnette Colemanの「Lonely Woman」と(たぶん)George Gershwinの「Embraceable You」。オリジナルを知らないで言うのもなんですが、このデュオならではの味があるんだろうなーというもので、新垣の低音から徐々に高音にシフトしていく音に沿って激しく絶叫的なバリトンサックスの音を吹きまくる場面なんかかっこ良いです。オリジナル曲も親しみやすいメロディから混沌とした音の展開などもあったりとおもしろい曲だなーというもの。曲の合間には必ずMCをはさんでいて、吉田の小ネタに新垣がやわらかく反応するといったものでおもしろかったです。新垣はいかにも人が好さそうで、ちょっとした仕草でお客の笑顔を引き出していましたね。新垣が聞いていたジャズはBill Evansと佐藤允彦だそうで、それを聞いた吉田は「佐藤允彦といえば、パンダコパンダ。」「パンダコパンダ?」「そう、パンダコパンダ」とそこからやたらパンダコパンダを2人で繰り返して言ってたのがおもしろかったです。この単語知らなかったのですが、古いアニメソングだそう。
ダニエル・ザミール・カルテット
横浜赤レンガ倉庫1号館に移動して、イスラエルのソプラノサックス/ボーカル、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット。あごひげを生やしたフロントのダニエル・ザミールがクレツマーなフレーズから入って雄大さもありつつソプラノサックスを吹きまくります。ピアノトリオはジャズメインのリズムながらいろんなタイプの曲に対応していました。ボーカル曲もありでユダヤ民謡から早口なオリジナル曲(平和をテーマにしていると言ってました)など。ボーカル曲は全てにコール&レスポンスがあったのが意外。かなり積極的にお客に歌わせていて、ジャズフェスでは珍しいなと思ったり。中には手拍子まで求める曲がありました。
レイス・デムス・ウィルトゲン
引き続き横浜赤レンガ倉庫1号館にて、ルクセンブルグのピアノトリオを見ます。序盤は端正さをメインにしたジャズ曲中心。ドラムの叩くリズムがおもしろくテクニカルなものをふんだんに入れ込んできます。2曲目ではおしとやかなドラムンベース的なものもはさみこんでいました。ピアノとベースはそんなドラムを時には放っておきに、時には協調しつつ上品さを感じさせるフレーズを重ねていきます。後半に進むにつれて混沌さが加わるようになってきて、ドラムのいろんな変化に強く反応するピアノやベースのフレーズも出て来るようになって、相当おもしろかったです。日本で手に入れるのは難しそうと、ライブ終了後の即売コーナーに速攻で行ってCD買ったのですが、たちまち人だかりが。メンバーがそのコーナーにサイン会しに行くのをすれ違いに見ましたが、黒山の人だかりを見てうれしそうでした。たぶん売り切れただろうなーと。それくらいお客に受けてました。
スガダイロートリオ
KAAT神奈川芸術劇場のスタジオに戻って、渋さ知らズ、Orquesta LibreやEMERGENCY!などのゲストで見たことあるピアニスト・スガダイローの、ベースとドラムを率いた編成のライブをこの日のラストに見ます。これがびっくりというかとんでもないと思えるくらいのライブでした。メンバー入る前に前説っぽい人がパイナップルな模様のジャケットを着て登場。お笑いな口上を繰り広げた後でメンバーを呼び込みます。メンバーも同じ柄のジャケットを着ての登場がおもしろい。そのまますぐに演奏開始。セカンドラインのリズムに合わせて前説の人が手拍子をお客に促しながら退場、、でそこから演奏が一気にシフトアップします。ピアノの端から端まで縦横無尽に強く速く弾きまくります。一瞬であればよく見る弾き方なのですが、すごいのは恐ろしいほどその弾きっぷりをずっと続けること。そこから繰り出される激しい音はかなりの刺激あり。ベースとドラムも手数の多さや弦のはじきやシンバル等のはじけるような音で、ピアノと拮抗します。中盤の曲ではベース奏者が「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ〜」とオフマイクで歌いだし、そこから展開する断続的なフレーズで構成された曲がありましたが、なんかZAZEN BOYSを思い起こすような曲でした。そういえばスガダイローは確かZAZEN BOYSの向井秀徳と松下敦とそれぞれセッションしたことがあったはず、と思いだしたり(特に松下敦とのセッションは聞いてみたかった)。本編ラストもこれまでの魅力を凝縮したような展開があり、激しいドラムソロから全員渾然一体となった早く強い音を出して、ラスト一音をガツっとみんなで出してカットアップして終了した場面はかっこよすぎでした。本編終了直後にまた前説の人がやってきてアンコールを求め、メンバー入ってもう1曲やって終了でした。これはまた見てみたいライブですね。と、ここまで書いて読み返したら、誤解生むかも、、と思い念のために書きますが、このバンドはジャズバンドです。
- 2015/10/10 Spangle call Lilli line at 恵比寿Liquid Room
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2015.10.12 Monday前述ライブ見終わってから恵比寿に移動。5年ぶりに活動再開した、女性ボーカル、男性ギター×2のバンド。待ち望んでいた人多いようで会場満杯。自分も活動再開知ってからすぐにチケット申し込みましたが、取れて良かったです。
ライブはサポートにベース、ドラム、キーボード/ギター、キーボード、コーラスが加わった8人編成で、メンバーも前やっていた時から変わりないよう。本当は今年1月からレコーディングしていた新しいアルバム発売ライブがこの場と予定していたそうですが、制作遅れて通常のライブとなったそう。新曲は1曲のみで後は旧曲を。アンコール含め1時間半ほどのライブでした。ライブ開始前のSEは新しいアルバムの曲を流していました。
アルバム「Nanae」に収録されている「E」と「Lilli Disco」からスタート。自分はこのアルバムから知ったのでひさびさに聞けてうれしいですね。「E」ではボーカル大坪加奈の声が上ずってる感じがありましたが、徐々に安定。透き通るような声は不安定さもありつつ、ぐっとくる所多々。そこからキャリアを総括する内容でライブでやっていたお馴染み曲を次々と。各アルバムの最初の方のトラックが多かったでしょうか。「eye」「seventeen」「Inc.」など。
アルバム作りが得意でライブは苦手と公言しているメンバーですが(全員他仕事を抱えていてバンドに専念していないこともあり)、ライブならではの音を作り込みをしていて聞かせますね。原曲と違ったアレンジをしている曲があり、「dreamer」「ff wave length gg」辺りがそうでおもしろかったです。特にリズム面がおもしろいというか、特段複雑さがあるものでは無いのですが、気持ち良さやかっこ良さがあるもので、ここにかぶさるギターリフやキーボード音も一個一個はシンプルと感じさせられるものながらバンド全体の音となると、確固としたこのバンドならではの音になっているのが良いです。コーラスとの組み合わせで聞かせるボーカルの響き方も良い感じ。
新しいアルバムもその辺のリズムを突き詰めたような印象で、この日披露した新曲の「azure」なんかは冒頭のベースリフとキーボードの揺らぐようなフレーズだけで心を持ってかれます。そこにのっかるメロディとボーカルのはまり具体も良い。11月発売予定のアルバムは「ghost is dead」というタイトルで、その名が付けられたエピソードを。ギター藤枝憲の実家でヤギを飼っていて(ぼうぼうとした庭の草を草刈りするのが面倒なので、食べて刈ってくれないかなというほんまかいなという理由で購入したそう)、そのヤギが死んだ時に「goat is dead」という名前が思い浮かんだところから「goat」を「ghost」に置き換えて付けたとのこと。
この日はメンバーMCすることが多く大坪はTシャツの宣伝を。「裏に付いている77ってなんの数字ですかね?」と大坪は言っていて、ギター笹原清明から「いや、それSCLLのLLを逆に読んでるだけ。」とSpangle call Lilli lineの略称SCLLの表記に気づかずに読んでました。なかなかの天然ぶり。
アンコールは2曲。「inc.」は大坪とキーボードのみでしっとりと。前回ライブでも聞きましたが絶品ですね。バンド音に埋もれる感じで聞く大坪の声も良いですが、音数少ない中で浮き上がる声も絶品。ラストは代表曲といってよいであろう「nano」で締めでした。今年もう一本ライブ予定あるそうですが、それ以降は未定とのこと。「また5年後?」「東京オリンピックより早くできるかどうか」「年金生活に入ったらバンバンライブするようにします」と宣言していましたが、せめてアルバム発売ライブは来年やって欲しいかなーと思いました。
- 2015/10/10 Juice=Juice at 江戸川区総合文化センター
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2015.10.11 Sunday今年になって1日2回ライブ見ることが頻発するようになりました。この日もそうでまずはハロープロジェクト所属5人組アイドルグループのJuice=Juice。2週間前に引き続き見ます。来年秋の武道館公演目指して220公演行うという過酷なツアー真っ最中で、主にライブハウスを回っているのですが、この日は特別版ということでのホール公演。10月10日は「Juice=Juiceの日」と名付けているようで、記念的な公演になるよう。1日2回公演の1回目に行ってきました。1時間50分ほどのライブは後述するようにハラハラする場面もありつつ楽しかったです。
公演前にハロプロ研修生が登場して2曲歌います。「Say!Hello!」はハロプロ研修生の曲の中で一番好きですね。どうしてもこの曲を聞くと、今年の冬のハロプロコンサートでひな壇で暴れまくっていたモーニング娘。'15の石田亜佑美、飯窪春菜、生田衣梨奈の3人の姿がフラッシュバックしてしまうのですが、曲自体の良さと振付の小気味良さがつぼです。
ステージセットがかなり凝っていて、一軒家みたいなセットが組まれています。開始前にステージ前に薄いスクリーンが降りていて、そこに音楽とともにメンバー紹介の映像が流れます。そして幕が上がったところに、メンバーが登場。この演出はかっこ良い。その後もステージセットにあるうすいスクリーンを使って、その後ろで踊る場面を効果的に組み込んだり照明との組み合わせで派手に見せたりと、5月の中野サンプラザ公演よりも演出がパワーアップしてました。1階席後方から見たのですが、客席の段差があるので見やすい。近くで見るよりもグループ全体のダンスと、ステージセットを楽しむにはこの位置の方が良いかも、と思いました。
そして前回見た時から曲順も全く変えたものになっていました。アンコールラストに歌っていた「未来へ、さあ走り出せ!」からスタート、そして歌い終わりでも音が止まらず、その中で自己紹介するという演出が新鮮。そしてこれまたアンコールでやっていた「Magic of Love」で畳みかけます。この2曲だけで最高と思いましたねー。「Magic of Love」での高木紗友希のソロパートでいつもと節回しを変えてきたかな、と思うような箇所がありました。この曲の高木の声は圧倒的ですが、個人的こういった歌い上げな声だけでなく、かわいらしく歌う高木の声も好きなんですよね。それが聞ける「アレコレしたい!」が次の曲でウキウキとなれました。植村あかりの「クラップー」と叫ぶ場面がすごくあがります。
「ロマンスの途中」の歌い終わりでメンバーがステージ中央部分にある可動式昇降台から退場する中、音が止まらない状態を続ける演出も良いです。そこに衣装チェンジをして傘を持ちつつ踊る「愛・愛・傘」、金澤朋子のくっきりとしたボーカルが気持ち良いBuono!のカバー「初恋サイダー」はすごく盛り上がりました。こうした青春ロックなタイプの楽曲は個人的には苦手な部類に入るのですが、アイドルソングとして聞くと良い感じに聞けるかも、とこの日思ったりも(モーニング娘。の「涙ッチ」も同系統ですね)。
この後でMCコーナーに入るのですが、金澤だけ脇にはけてしまい、4人でトークします。1週間前に香港と台湾へ行ってライブしてきたそうで、その思い出話を。宮崎由加は空港のチェックで体温が高いということで検査が入ったそうで、36度9分でセーフで無事入れてほっとしたそう。普段から平熱が高いそうで、そのくらいの温度が普通というのは意外。ほっそりとした体型の宮崎は見た目平熱低そうなイメージがありました。この日聞いていて思ったのですが、宮崎の声は意外なパワフルさもありますね、通りが良いというか。「生まれたてのBaby Love」は一人一人がフェイクするパートがあり、ソウルフルにうまく歌い上げる高木の後に宮崎のフェイクがあるのですが、そこを叫ぶような感じで歌うのは好印象でした。うまさではかなわないけど、声には別の魅力もあるんだよみたいなアピール感ありました。
金澤はMCラストに戻ってきますが、どうやら歌っている最中に左足を痛めてしまったよう。元々右肩も痛めていて、前回ほどではないですけど、右手が上げられない中でのパフォーマンスを続けていてさらに左足痛めたとなると辛い。これ以降のダンスは足を引きずりながらで、見ながら痛々しかったです。MCでそのことに全く触れず、笑顔のままにこやかに歌い続けるというのがすごいですが、それがさらなる痛々しさを感じます。バラードであまり激しく踊らずに歌うことができる「続いていくSTORY」のソロパートで辛い表情を見せて歌が崩れた場面があったのですが、それ見て逆に少し安心しました。その後も全く辛そうな表情を見せないまま歌う金澤と、心配に決まっているのに満面の笑顔でお客にアピールする他の4人のパフォーマンスに次第に乗せられて、後半怒涛の盛り上がり曲はノリノリで聞きました。
宮本佳林で一番小さい体ながら、大舞台に映えるなーというパフォーマンスでした。遠くから見ていると、多種な魅力を持つメンバーの中にあっても、バリバリのセンター感を感じさせますね。透き通るような声と、キビキビと跳ねるようなダンスは見ていてすがすがしくなれるような。「Girls Be Ambitious」では曲前にお客とのコール&レスポンスをしていましたが、そこも宮本一人でさばいていて、曲に入っていました。曲自体の弾け方も素晴らしく、ここの宮本は神がかっているなーと思うくらい印象的でした。
アンコールは1階客席後方の扉から登場して通路を歩きながら歌う演出がありました。そして後藤真希の「スクランブル」はお馴染みカバーですが、フェイクを歌う植村のボーカルは良いですね。どこか常に遠くを見ているような目線で歌っている姿と相まって、その場を支配している感ありました。ラストは「Wonderful World」で大団円な締めでした。来年1月からドラマ主演が決まるなどさらに忙しくなるようですが、体はくれぐれもご自愛頂きつつ、またライブ見たいです。
- 2015/10/04 カンニング竹山 at 銀座博品館劇場
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2015.10.06 Tuesdayテレビを中心に活躍するお笑い芸人のカンニング竹山の毎年恒例で行っているライブ。初めて行きました。5回行われたライブの5回目。「放送禁止2015」というタイトルがついているように、外向けではないお笑いをやるための場のよう。ここでやったネタは外に書くのは一切禁止ということで、ネタを一切書かない感想を。
一人でしゃべりをひたすら2時間半近くに渡って。ステージ後ろにスクリーンがあって、そこで時折映像を流すことはしますが、それ以外は特別な仕掛けは何もないしゃべりのみで勝負。ステージはシンプルで出演者は一人だけなのですが、この場を作り上げるために1年かけて入念な準備をしてきたんだろーなーと思わされるもので(構成・演出は鈴木おさむ)、「赤字です。」と言ってました。確かにここまでやったのにも関わらず5回公演のみでは採算が取れないだろうなと。
赤字であることを誇らしげに言わなかったのは個人的に好感でした。始めから赤字であることが分かっていて公演が打てるということは、他に稼ぎの当てがあるからできること。舞台、ライブの場で食べている人たちもたくさんいるので、赤字で公演打つというのはその場を侵食する行為(と書くと言い過ぎなのですが)とも言えるので。回数こなせれば良いのでしょうけど、この公演を10回も20回もできるとは思えないほど、壮絶感あるお笑いライブでした。声も枯れ気味でしたが2時間半しゃべり倒してました。
直近1年通してカンニング竹山が体験したこと、見聞きしたことをあるテーマに沿って切り取ったエピソードを次から次へと語っていくスタイル。それらのエピソード自体のおもしろさだけでなく、カンニング竹山がその時思った感情を吐露していくところで笑いが起きます。ある出来事が起きて、それに対する怒りの表現で一笑い、そしてそこから新たな事実が分かって、その出来事の観方が変わって、そこからの自分に対する反省あるいはその出来事自体に対する揶揄的なものを話してまた一笑いといったような。
演技も達者なカンニング竹山がキレる姿を見せると臨場感あるのですが、そこできっちりと笑いが起こるというのがある意味すごい。ツッコミがいれば可視化されて分かりやすくお笑いにつなげられると思うのですが、怒りを一人のみで表現しているだけだと、本当にキレているだけとも見えてしまうわけで。その怒りの表現時はサンボマスターのボーカルの絶叫とも姿が重なりました。見ていて熱くなるというか。
と、外形部分のみ書いてもこのライブのおもしろさは伝わらないですね。。といって、部分的な場面を書いてもおもしろさが伝わらない(というのを見越して外に出すのを禁止していると思われます。単に過激な表現が外に出ていくのを嫌っているのではなく)でしょうし。そんなにお笑いライブ見に行ったことないのですが、こんなやり方があるんだなーと思わされた刺激あるお笑いライブでした。
- 2015/10/03 モーニング娘。'15 at アイプラザ豊橋
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2015.10.04 Sunday2週間前に引き続きモーニング娘。'15の秋ツアーに行ってきました。1日2回公演の2回目。朝から行って豊橋をレンタサイクルで5時間弱ほど巡りました。
いわゆる郊外の町といった感じで観光地的な整備はされていない感が。路面電車が走ってましたが、道の補正がされていなくでこぼこしまくり。広い公園など現地に住む人は快適に過ごせるんだろーなーという場所があり、そこでのんびり過ごしている人たち多いです。吉田城という小さなお城とその向こうにある豊川の風景がいい感じ。アイプラザ豊橋近くにある高師緑地は緑に覆われた広い公園で気持ちの良い空間ですね。当初は海岸沿いにあるサイクリングロード行って走ることを考えていたんですけど、寄り道や迷い道をしてしまって、到着したらすぐに引き返さないといけない時間になってしまって、ちょっとだけしか走れませんでした。木々に囲われたコース部分だったので、残念ながら海も見れず。
2時間ほどのコンサートは最高でした。個人的には今、一番爽快感味わえるライブですね。セットリストは前回見た時とほぼ一緒ですが、書いていない部分の感想を中心に、続きで。
- 2015/09/30 Antonio Loureiro at 渋谷WWW
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2015.10.02 Fridayブラジル・サンパウロ出身の男性作曲家/ピアニスト/シンガーソングライター。日本各地をソロで回っているようですが、この日は日本のミュージシャンと組んだ特別編成のライブ。当日券で入れましたが会場は満タン、すごい人気ですね。最近お名前を知った方で音源をほとんど聞いたことない状態で見ましたが、感激するところ多々あるライブでした。ダブルアンコールまであった多くのお客の感動を誘う1時間40分ほどのライブの感想を。
ベースは鈴木正人(Little Creatures)、ドラムは芳垣安洋(ROVO、Vincent Atmicus等)とOrquesta Libreのリズム隊でもある、間違いないメンバーとの共演になります。Loureiroはピアノとキーボードを用いてのパフォーマンス。シンガーソングライターとの触れ込みですが、インストにもかなり力入っているというか相当に聞かせるライブ。細やかなジャズ的なものもあれば、キーボード弾く場面ではこじゃれた感じのジャジーソウルな面のアレンジもあったりと。そういった演奏にスキャットで歌う曲と、メロディがついた曲をしっかりと歌う曲とに分かれていました。
ピアノの弾き方が様々でドローン的な響きを重視したものや、細かいフレーズを積み重ねていくもの、ブレイクを何度もはさむ(ベースとドラムとのコンビネーションも抜群)もの、転調していくものなど。ジャズ的な要素が多いのだと思いますが、たぶんそれ以外の要素も多々あるのだと思います(自分に知識が無いのでそれが何と表現できないのですが)。ボーカルとメロディはブラジルらしさを感じさせる明るい陽射しの中にほのかに漂うけだるさ、寂しさや、朝焼けとともに訪れる覚醒感などを想起させるものが多いです。
途中ゲストが加わります。ピアノの林正樹が2曲ほど、ギターの藤本一馬(orange pekoe)が4曲ほど。林がピアノを弾いている間はLoureiroはキーボードに専念するのですが、このコンビネーションも良かったです。細かいフレーズを重ねていく中で微妙にずらしたり不協和音的な音の重ね方をしたりと。そういった音の中で歌っていくというのもすごい。各楽曲の構築された感が素晴らしく、曲ごとの色も違うので次はどんな感じで来るのだろうとドキドキしながら聞き入りました。
アンコール時にはバンドメンバー、スタッフや会場、お客さんなどに丁寧な礼を述べて紳士だなーと。ダブルアンコールではソロでピアノを弾きながらしっとりと歌い上げていましたが、それも良かったです。次回は音源しっかりと聞いてからライブ見たいですね。