- 2014/05/28 Satoko Fujii New Trio + One at 新宿Pit-Inn
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2014.05.30 Friday現在はドイツに在住しているピアニスト藤井郷子率いるジャズバンド。これまでたくさんの形態で見ている藤井郷子のバンドですが、こちらの編成は初めて。ウッドベースはTodd Nicholson、ドラムは井谷享志とともに初めて拝見するメンバー。半分くらいの曲で参加するトランペット田村夏樹はお馴染み。
休憩30分はさんでの2セット、アンコール含めて2時間半近く。どの曲もソロと複雑なテーマが交差する展開が多いですが、1セット目はわりかし端正さが漂うもの、2セット目はバラエティ豊かで激しい局面が多いものといった感じでした。印象に残っているところをいくつか。
1セットは4曲。1曲目はソロ+複雑なテーマなのですが、冒頭の藤井のロングトーンと比較的ゆったりした弾き味でのソロはめずらしい印象。ドラム井谷はセットがシンバルもお腹辺りで全て打ち下ろすような叩き方に。かなり変わったことをやっていて、片手に4本ずつスティック持って叩いている場面なんかも。Todd Nicholsonも弓でドローンな音出ししたり、指で擦るような弾き方をしたりといろいろ。
1セット3曲目から田村夏樹が加わります。トランペットの他に、テーブルに音が出るおもちゃをたくさん並べていて、それを鳴らすことも多かったです。3曲目か4曲目では強力なブレスを使いつつトランペットを鳴らして、かつトランペットを振り回しをして合図出しして他メンバーの音をコントロール。ストップアンドゴーみたいな展開がかっこ良い。
2セットは5曲。1曲目は藤井が「後半からメタルになっています。メンバーはこんなのメタルじゃないって言ってますが。」と。後半ピアノ、ベース、ドラムで恐ろしく低い音で早い怒涛のリズムが鳴らされる展開が恐らくそうかと思います。ジャズバンドでは確かに聞けない音ですが、メタルでは無いような。それからTodd Nicholsonが生声でデスメタルっぽい叫び(でもさわやかに聞こえる)や、井谷がスピーカーで何か叫んだりとそれっぽい要素はそこかしこにあって、ジャズバンドではなかなか味わえない展開でおもしろかったです。
2曲目は「今日で一番難しいかも。あ、でもアンコールがあったら、そこでやる曲の方が難しい。」と。その言葉通り複雑な極まる展開で、恐ろしいほどの手数で乱れうちされるドラムにピアノとベースでの高速ユニゾンなんてところは凄すぎるなーと。曲終わりに「あまりに難し過ぎて、作曲者である自分が音の入り方間違えちゃいました。」なんて発言も。ここまでやった曲はまだ音源化されていない曲で、これからレコーディングしていくよう。ここからの3曲は既に音源化されているものばかりだそうで、「安心してできますね。」と。
4曲目は4人の中から2人ずつが音と肉声でバトルし合うような展開の曲でおもしろかったです。ここまで全員がヘンテコな声を出しあうジャズバンドも初めて。そんなほんわかしたようなやり取りに見えて出す音は複雑なのもすごい。ドラム井谷は奇妙さ満載で、冒頭ジャンプして音出したり、ほほを叩いたり、壁叩いたりとドラム関係無い音出しや、サンダルでドラム叩いたり、スティックをひたすらスネアに落として鳴らしたりとやりたい放題。といって、テーマ部では端正さ溢れるものやかっこ良いリズムをこれでもかと叩いたりと、世の中にはすごい音楽家がたくさんいるなーと。
アンコールの曲は予告通りのものすごく速い曲。どの曲もテーマ部分は藤井節が効いているといったもので、そのメロディは好きですね。遊び心ありつつ、複雑なテーマをユニゾンでしかも随所にブレイク入れたりと緊張感もあってと、かっこ良い演奏を堪能しました。
- 2014/05/20 CIBO MATTO at 恵比寿Liquid Room
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2014.05.25 Sundayアメリカ・ニューヨークで活動する日本人女性2人組ヒップホップユニットCIBO MATTO。ずっと前からライブ見たかったユニットで、今回念願とも言える機会でした。1999年に発売されたアルバム「Stereo Type A」がとにかく好きで、またラップ/ボーカル担当する羽鳥美保のソロアルバム「Ecdysis」も結構はまって聞いていたりして、ライブではどんな感じでやるんだろうと思っていました。10年以上活動休止していたようですが、去年くらいから復活。新アルバム「Hotel Valentine」を発売しての来日ツアーです。
ライブ編成は、ラップ/ボーカルの羽鳥美保にPC使ってリズムトラック出したり、キーボード弾いたり、一部ボーカルも担当する本田ゆかの2人に、ベースにDevin Hoffという方、ドラムにあらきゆうこ(mi-gu、smorgas)という4人編成。さらにこの日のみのゲストとしてギターに小山田圭吾(Cornelius)、コーラスに大野由美子(Buffalo Daughter)が加わります。2人は曲により出入りしていましたが、それぞれ3分の2以上の曲に加わっていました。
ライブはかっこ良いトラックに、ダイナミックなリズムがからんで、そこに中近東っぽいと感じる節回しの羽鳥美保のラップと歌がのっかるのですが、かっこよさとかわいさ味わえて良いですね。本田ゆかの出すトラックとキーボードフレーズもユニークで良い感じ。テノリオンを使って音出す場面もありました。そしてあらきゆうこのドラムはひさびさに聞きますが、やわらかさと剛腕っぷり両方を兼ね備えたリズムでめちゃかっこ良い。過去、mi-gu、Cornelius、LOVE PSYCHEDELICO、Polarisといろんなバンドでの演奏を見ていますが、CIBO MATTOにもはまりますね。
音源からアレンジをかなり変えてきている曲もふんだんに盛り込んでいて、「Deja Vu」「Sci-Fi Wasabi」なんかはイントロ部分では気づかなかったほど。「Sci-Fi Wasabi」は大好きな曲で、淡々としたリズムの導入部からラップが始まり、サビの「There is a hole on Broadway」から小山田圭吾のギターとリズム隊が激しくなる展開は爆発力ありましたね、かっこ良かったです。
アンコールはAntonio Carlos Jobimの「Aguas de Marco」という意外なカバー(と思ったのですが、後で調べたらカバーアルバム出していて、この曲やっているんですね)から、Beastie Boysっぽいノリという印象の「Birthday cake」で締めでした。この曲の途中に日本人女性2人のラッパーが登場していて盛り上げていましたが、Charisma.comというユニットだそう。
- 2014/05/18 Moderndog at 代々木公園野外ステージ
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2014.05.24 Saturday10年ぶりくらいに見るタイの3人組ロックバンドModerndog。代々木公園で開かれているタイフェスティバルの中のフリーライブに出演するということで見に行ってきました。ものすごい人気があると聞いているタイフェスティバルは初めて来ましたが、噂に違わぬ盛況っぷり。屋台でかきのもんじゃ焼きっぽいものを食べました。
日本にこんなにタイ人っているんですね、ってなぐらいに客席タイ人だらけの中(もしかして追っかけで来ている人も結構いる?)、ライブ開始。ボーカル、ギター、ドラムの男性3人組ですが、今回のライブはキーボード、ベースのサポートがついた5人編成でした。10年くらい前に見た時はbuffalo daughterの大野由美子がベースでサポートしてたんですよねー。会場の制約もあるのか、前回聞かせていたエレクトリックバリバリ要素は少な目で、アコースティック寄りで控えめなアレンジにしているよう。
ライブ開始とともにお客さん歌いまくり。前回見た時はアメリカ、イギリスのオルタナバンドからポップな部分のエッセンスを盛り込んでうまいこと聞かせるロックバンド、てな印象がありましたが、今回日本の歌謡曲と印象が似ているメロディーものの曲も結構あるなという印象。カリスマ性たっぷりのボーカルPODの声とそこにうまいことはまるアレンジでウキウキと聞けました。特にドラムがつぼ。
1時間強のライブを楽しみました。アンコールでやった古めのディスコチックなリズムやメロディーの曲の印象がなんかの曲とかぶるなーと思っていたのですが、後で思い出しました、モーニング娘。の「A B C D E-cha E-chaしたい」ですね(全然違ってたらゴメンナサイ)。
タイは現在軍によるクーデターが行われたりと、大変な状況のようですが、また機会があれば日本に来てライブして欲しいですね。
- 2014/05/17 ROVO presents MDT FESTIVAL 2014 at 日比谷野外音楽堂
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2014.05.18 Sunday12回目となる毎年5月恒例ROVO主催のMan Drive Trance日比谷野音版です。いつもはゲストを2〜3組呼んでの対バン形式ですが、今年はワンマンで3時間に渡るライブが予告されていました。晴れで風がなく、暑くもなく寒くも無い理想的な天気。
17時からスタート。40分くらいのインプロセッションです。ROVOはピークに達した時は、各自が出す音が渾然一体となって迫ってくるのですが、このセッションは各音が分離していて、すっきり聞けます。パラパラとした立ち上がりから、ツインのドラム/パーカッションのリズムが徐々に立ち上がります。岡部洋一がドラム、芳垣安洋がパーカッションで入ります。逆の形式で見ることが多いので、珍しい印象。いくつかの波がありつつ、踊れる展開も随所に挟まれつつピークを迎え終了。ここから「Melodia」「Agora」とひさびさに聞く曲をやって1セット目が終了。「Agora」は沸点に達するところのリズムが複雑でゆらゆらしていると音に合わなくなって、カクってしちゃいますね。
15分ほど休憩があって、2セット目開始。岡部と芳垣2人のみが登場しての打楽器セッションから始まります。こちらもひさびさに聞きますが、何回もやっているのでお客さんも心得たもの。緊張感あるリズムのやり取りからラテン色の強いもの、踊れるものなど多彩な展開に盛り上がります。用意された打楽器も多彩で、特に岡部は低音がすごい巨大なパンデイロ?タンバリン?、マリンバっぽい音が出るものなど、何て名前の打楽器なんだろうというものを次々と繰り出していました。
20分くらいのセッション後、他メンバーが登場して「Tangar」を演奏しますが、最初の部分がなんとアコースティックセット。ギター山本精一、バイオリン勝井祐二は通常エレクトリックのもので、音量自在にコントロールしつつ演奏しますが、両方ともアコースティックによる演奏は新鮮に感じました。そこからは過去曲から万遍なく取り上げ、鉄板とも呼べる盛り上がりを聞かせます。日比谷野音は酔っぱらうための空気が漂っているのか、へべれけになるお客さんが多い印象ですが、とりわけこのROVOのライブはすごいものがありますね。今回後方で見ていましたが、前方の荒れてるとも言えるくらいの盛り上がりは毎年お馴染みの光景であるものの、すごいなーと。
20時前に本編終了後も拍手は鳴りやまず、アンコールでもう一曲。ものすごくひさびさに聞く「KNM!」。個人的にROVOと言えばこの曲、と言いたくなるくらい好きで浮かれましたねー。ミニマルフレーズが徐々に加速、音量アップしてとてつもない盛り上がりを聞かせる曲で、完璧な締めでした。
毎年いろんな試みをするROVOですが、今回のワンマンもおもしろかったです。あっという間の3時間でした。ライブ終了後、日比谷公園内でやっていたオクトーバーフェスでビール一杯飲んで帰りました。時期かぶっていることが多いような。
- 2014/05/11 Yo La Tengo at 恵比寿Liquid Room
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2014.05.17 Saturday30年の活動歴を誇るアメリカ・ニュージャージー出身の3人組インディーズロックバンド。見るのは4回目になります。毎度素晴らしいライブで、今回も特上のライブでしたね。感激する瞬間が多々あり、この場にいれて幸せだなーと思いました。
この日のライブは特別企画ということで2セット。1セット目はQUIET、2セット目はLOUDと切り分けます。1セット目はアコースティックな手触りのある曲、アレンジで聞かせ、2セット目はエレクトリックでバリバリ聞かせるといった構成でした。
1セット目の最初が最新アルバム「Fade」から「Ohm」。この曲を朴訥としたアレンジ、3人のコーラスで演奏していて、音源とは違う世界で良いですね。この曲聞くだけでもウルウルと来るのですが、その後の曲もいいメロディ、いいボーカルだなーとつぼに入りまくり。3人は曲によりメインボーカル、楽器パートを切り替えますが、曲間もスタッフと連携しつつスムースに進め間をあまり開けません。他に「Fade」からは「Two Trains」「Is That Enough」「I'll Be Around」などをやっていました。1セットラストはJames McNewがボーカルを取る「Black Flowers」。4年前品川ステラボールでもこの曲聞きましたが、今回もいいなーと。Ira Kaplanがパラパラッパッパとコーラスするのもいい感じではまります。
セットチェンジに30分ほど休憩があり、2セット目開始。去年のフジロックでも1曲目だった「Stupid Things」から開始。夏の蜃気楼漂うというか、不思議な酩酊感あるというようなギター、リズム、ボーカル、メロディのこの曲はフジロックで聞いて気に入ったのですが、今回も聞けてうれしいですね。曲によりノイズもバリバリと出したりしますが、それ一辺倒にはならず、この曲のようなふんわり浮くような感覚や固唾を飲んで聞くような展開も随所に入れ込んできます。Ira Kaplanがキーボード弾きながら歌い、James McNewとGeorgia Hubleyはツインドラムで淡々とリズムを刻んでいく「Autumn Sweater」なんかは編成のユニークさもあり、右手でマラカス鳴らしながらドラム叩いているJames McNewが終盤マラカスをシンバルに叩きつけて音を出しているところなんかも良いなーと。
2セット目ラスト4曲は怒涛の展開。ギターポップにロック色も加えた「Nothing to Hide」、さらにロック度濃厚な人気曲「Sugarcube」、そして1セットでもやった「Ohm」を今度はLOUDモードで。同じ日に2パターン聞けるというのもうれしい。そしてラストは、パラパラとしたドラム、ロングトーンのキーボード、そこに割り込むギターという展開から胸にこみ上げるものが来るほどの轟音なリズムとギターノイズが交差する展開が長尺で行われ、そこに激しいドラム叩きながら、感情を抑えたトーンで歌うGeorgia Hubleyがすごかった「Blue Line Swinger」でした。
ここまででライブ開始から2時間半近く経ちましたが、アンコールは鳴りやまず。登場3曲、そしてダブルアンコールにも応えさらに1曲披露しておしまいでした。アンコール曲は「Tom Courtenay」以外の3曲は全てカバーだったよう。その中のNeil Youngの「Time Fades Away」という曲ではゲストが。なんと元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎です。どよめきが起きてましたね。ゆらゆら帝国解散後の活動追っていないのですが、確か音源出すのみでライブしてないはずなので、もしかしてステージ立つのがずいぶん久しぶりになるのではないしょうか。ギターのみでの参加でしたが、持ち味変わらずの痙攣性あるギターリフでYo La Tengoの中に入りこんでいました。
いろんな曲を聞かせる素敵なバンドで何回でも聞きたいですね。この2日前もライブあったのですが、残念ながらそちらは行けませんでした。
- 2014/05/05 EMERGENCY! at 新宿Pit-Inn
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2014.05.10 Saturday昼間見た前述のライブ終わって、中野から新宿へ移動。Orquesta LibreやVincent Atmicus等、様々なバンドを率いている「ジャズ界のシーラカンス(ライブ中のMCより)」こと芳垣安洋のリーダーバンドであるEMERGENCY!を見に行きました。EMERGENCY!を見るのは初めてですが、ベース奏者が違う(船戸博史)Multikultiは6年ほど前に見たことありますね。
メンバーはドラムの芳垣安洋に、ギター大友良英、ギター斉藤良一、ベース水谷浩章という4人編成。この日はさらにピアノでスガダイローがゲストとして加わります。ゲストといっても、最初から最後まで全面的に参加。とんでもない速弾きみせたり、他メンバーとのアイコンタクトで展開切り替えたりと、がっつりバンド内に入り込んでのパフォーマンス。
2セット+アンコールで途中30分ほどの休憩含め3時間近く。1セット目はCharles Mingusの曲2つ、Roland Kirkの曲1つ、Jelly Rollの曲1つと、「Mingus周辺で固めました」という4曲。1曲目のMingusの曲は(曲名不明ですみません)、パラパラとしたギター×2、ピアノの立ち上がりからベース音入ったところでスイッチ入って激しい展開に、ブルース要素多々あるそうで。ギター2人は基本座って演奏するのですが、斉藤が立ち上がって弾くところでブレイクが入るような形になって、かっこ良い。原曲がどれくらいかは分からないのですが、ギター音とピアノ音がギャンギャン言っていました。1曲目終わりの芳垣のMCで「1曲目からこんな飛ばして大丈夫?大友さん腰痛めてるんじゃなかったっけ?」と。座っていながらも腰を浮かして激しく演奏する大友の姿見る限り、大丈夫そう(翌日来るかもですが)でした。
1曲ごとに軽くMCを挟むのですが、時折次やる曲の紹介もありまして、興味深かったです。残念ながら自分はジャズに関する知識皆無なので、アーチスト名や曲名聞いてもピンと来ないものもあるのですが、エピソードはおもしろく聞けましたね。特に盲目のサックス奏者Roland KirkのライブDVDの話(ちょいと書くのに憚れる場面もある)はカオスっぷりが想像できておもしろかったです。
2セット目はバラエティ豊かな3曲で、1曲目がスウィングジャズスタンダード曲の「Sing Sing Sing」、2曲目がDuke Ellingtonの(たぶん)「Creole Love Call」という曲。3曲目がCharles Mingusの(たぶん)「Fables of Faubus」でした。「Sing Sing Sing」は自分でも知っている有名曲ですが、オリジナルからかなり解体した展開になっていました。通常のジャズバンドはあまり取り上げないそうで、スガダイローは「初めてやった」そう。2、3曲目もピアノやギターのソロやブラシを使ったドラムのこじゃれた感じなどを挟みつつ、テーマ部はかなり荒々しい感じもあり、男気満載でしたね。
アンコールの曲は各楽器からほんのりとした音が出されて、静かに展開される小曲でした。これまでの激しい展開から良い締めでした。なかなか頻繁に活動するのは難しいバンドのようですが、機会あればまた聞いてみたいです。
- 2014/05/05 モーニング娘。'14 at 中野サンプラザ
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2014.05.06 Tuesday10人組アイドルグループのモーニング娘。'14の春ツアー。3月の八王子に続いて参加。1日2回ある公演の昼の部に行ってきました。八王子に引き続き会場で最も遠い席位置だったのですが、八王子よりはステージが近く見えましたね。セットリストはツアーで2種類用意しているようで、前回見たものとは種類が異なるようでした。中盤からあるカップリング曲メドレーが違っていました。その辺含め、前回書いていない曲中心に感想を。
3曲目にやった「HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜」という曲は、ギターリフを全面に押し出して分かりやすい縦ノリなヒップホップ曲ですが、石田亜佑美が前面に立ってお客を煽りつつラップをします。前も書いたことあるかと思いますが、石田のラップはリズム感あって良いですね。「私のでっかい花」という曲でもラップしてましたが、そこでも同様。こちらの曲は石田に加えて、飯窪春菜のラップもあって石田とは対比的なかわいらしい舌足らずな声でのラップも良いですね。歌部分は音源では卒業した田中れいな担当のようですが、このライブでは佐藤優樹、工藤遥が担当。10期メンバー揃ってのパフォーマンスは絵的にもいい感じ。
「哀愁ロマンティック」は道重さゆみと譜久村聖の2人でやる曲で、去年秋ツアーでもやっていました。道重さゆみは歌いながら、表情もばしっと決めて来るのがすごいのですが、この曲では随所にそれが味わえますね。また、声の出し方も曲の中で少しずつ変化をつけているような印象。そして滑らかな動きをするダンスも良いです。
MCコーナーは道重が司会で譜久村、飯窪のサブリーダーコンビが今回のツアーをお題としてトークします。飯窪は「いろんな表情を道重さんみたいにつけられるように意識している」旨を話したところ、道重から「でも『LOVEマシーン』冒頭の『ディアー』部分の表情は問題がある」とダメ出し。曰く、「あそこは歴代の先輩が思いっきり変顔をして歌っている。飯窪のあの部分の表情はかわいくなってしまっている」と。じゃあどうやって変顔するかとなって、道重のアドバイスに従って、「(ステージ後方に映している映像用の)カメラのちょっと下部分を見て寄り目で」ということになり、確かに変な顔になっていました。「じゃあ、この後で『LOVEマシーン』でもやってみましょう」となり、見事その表情で決めてました。ただ、表情決めた後に照れた表情になってしまいましたね、かわいかったですけど。
譜久村は「コンサート最初の部分でステージ入場する時に道重さんと一緒に入るが、歩幅もきちんと合わせて入るようにしている」と。それを受けて道重は「私、歩くの遅いから歩幅合わせるの大変じゃない?」と、自分をいじるように水を向けて、その意を受け取った譜久村は「そういえば、ちょっと困る時があります」、飯窪は「道重さんの後ろが私なんで、遅いと詰まっちゃいます」などと懸命にいじろうとしますが、いい子達なのでその辺のコメントが目いっぱい。まあ、毒と真面目さ、やさしさを兼ね備え、自在に切り替えができる道重のトーク力が異常にすごいだけで、他メンバーはそこまでできなくても良いかな、、とは思いますね。
「LOVEマシーン」は今回ツアーの途中から加えてきたよう。秋ツアーでもオリジナルの振付からだいぶ変えたものですが、今回のツアーではさらに変えてきましたね。今回の振付の方がオリジナルの印象的な振付部分も残しつつ、フォーメーションダンスの醍醐味があるもので好みでした。
「彼と一緒にお店がしたい」は、最初の方で道重、生田衣梨奈、鞘師里保の3人が前方センター位置に。現メンバーで特に好きなのが生田と鞘師の2人なので、この部分うれしかったですね。生田だけ歌パートは少なかった気がしますが、絵的には良い。この日のライブはDVDにするための収録もしていたようで、生田は表情を意識するなど、張り切っていたよう。ただ、ラストのMCで箸にも棒にも引っかからない普通な真面目コメントを言って(きっとみんなが感動するようなことが言いたかったのだと思われる)、いつものナルシストコメントを期待していたお客からエーと言われてしまったりと少しだけ空回り部分がありました。そんな部分も好きですが。
アンコール最初の曲は、4月に発売されたシングルの「時空を超え 宇宙を超え」でライブで聞くのは2回目ですね。1回目は音源未聴で聞いてやたらめったら感動した曲ですが、もう何回も聞いてる現段階で聞いても印象は同じ。アレンジはかなりいろいろ凝ったことをやっていますが、メロディは素直で歌詞と一緒に入ってくるので、もっと広めるべく、今後も細々とプロモーションし続けて欲しい曲ですね。この曲の終盤に鞘師と小田さくらで「ウォウウォーウォー」とハモる部分があるのですが、この2人のハモリはすごく良い。これだけ歌って踊れるだけでものすごいグループだと思いますが、さらにハモリが増えると良いですね。例えば「恋愛レボリューション21」の「2人出会った地球」の部分とか。確か石田と鞘師の2人が今は歌っているかと思いますが、ユニゾンでした。
今回のツアーは体調不良者が続出しているようで、1ヶ月弱ほど工藤は足を痛めてダンスに加われず椅子に座ってのパフォーマンスだったり、2日前のコンサートでは小田が突然声が出なくなってしまい、ダンスのみのパフォーマンスになってしまったりといろいろあるようです。これだけ激しいライブを1日2回ってしんどいんじゃないかなーと思うのですが、需要があって、本人たちがやる気なら止められないですかね。。この日は全員揃ってはた目には大丈夫そうでしたが、見えないところで疲労やけがはありそうなので、可能な限りご自愛頂いて、と。
また、この日の冒頭のMCで10月にアメリカ・ニューヨークで単独ライブをやることが発表されていました。うーん、アメフト観戦と絡めていきたいなーと思ってしまいましたが、さすがに無理ですね。。
以下、余談で道重さゆみについてつらつらと。
- 2014/05/03 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(ムジカーシュ、ヴァネッサ・ワーグナー&MURCOF) at 東京国際フォーラム
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2014.05.04 Sundayフランスでやっているクラシックの音楽祭のコンセプトを日本に持ってきたというフェスティバル。通常のフェスと違い、1本当たりのライブについてお金を払う形式。ライブ時間を短くしてその分格安でクラシックを楽しんでもらおうという趣向。自分は見るのは2年ぶり4回目になりますが、ちゃんとしたクラシックのオーケストラと呼べるものは1回目の時に見ただけ。2回目はRenagedesというトリニダード・トバゴのスティールパンバンドがクラシックを演奏するというライブ、3回目もジャズを中心とした音楽を繰り広げるお祭りバンドである渋さ知らズオーケストラ。今回もMURCOFというメキシコ出身の電子音楽家のライブがあるということで見に行きました。
20時に東京国際フォーラムに到着すると、1階外の小さな無料ステージでのライブが始まったので、20分ほど見ました。ムジカーシュというハンガリーからやってきた男性4人組の弦楽器隊の演奏です。クラシックというより民族音楽主体のようで、お客の手拍子や歓声が舞う楽しい演奏。小さな円柱形のステージにぐるりとお客が囲み、そこを熱心に楽しんで聞いているお客さんと演奏する姿を見るだけで感動してしまいますね。素朴さとノリノリさ加減が程よく混じった演奏は偶然に見た自分のようなお客さんの耳をばっちし捉えていました。3曲目は250年前とか言っていたハンガリー古来の楽器(中くらいのウッドベースのような弦楽器で弦で叩くような弾き方で音を出していた)を用いていてすごい盛り上がりを見せ、4曲目は紹介は無かったですがおそらく同様の古そうな長い棒状の笛をソロで演奏し、じっと聞き入りました。ラスト5曲目は再び4人の弦楽器隊になり、客席前方では男女何組かが踊りだす(仕込み?)ほどの盛り上がりでしたが、次の時間が近づいたので、ここで退散。
20時半よりフォーラムCでピアノと電子音楽のデュオ演奏を聞きます。フランスの女性ピアニストとメキシコの男性電子音楽家の組み合わせ。クラシック曲をこの編成で送るようで、もらった紙にはいくつかの曲目が。曲は一つも知らず、何人かの作曲者もかろうじて名前を知っているのが、ジョン・ケージのみ。1900年代に活躍した音楽家の作品ばかりで、クラシックでありながらミニマル要素の強い曲が多いそう。
50分ほどの演奏は間を入れずにノンストップでされました。それをお客が固唾を飲むように聞き入っていました。2人の演奏は即興的な要素は無く、事前にがっつりと構成を練って演奏しているものと思われるようなものでした。ピアノソロや電子音ソロの場面もあり、また両者の音のからみ方は3種類くらいあって、ピアノ音主体で電子音は控えめに明確なリズムも無しで効果音的にからむもの、ピアノの演奏と拮抗するように電子音がからむもの、電子音で明確なリズムを提示しその上にピアノ音が載るものと。自分が魅力的に感じたのは2番目のピアノと電子音が拮抗する演奏で、2曲目辺りがそんな感じだったと思います。高音主体でミニマルフレーズを弾きつつ、時おりアクセント的に低音のピアノ音がボーンと鳴るのですが、そのいずれにも補強するような色を添えるような電子音がからんできて聞きごたえありました。本当はオリジナルを知っているともっと楽しく聞けたりするんでしょうけど、それでも楽しんで聞けました。
- 2014/04/26,27 あらばきロックフェス at エコキャンプみちのく
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2014.05.01 Thursday7回目の参加となる、宮城県のロックフェスティバル。みちのく公園の一角にあるキャンプ場を利用してのフェスティバルです。山と木々、湖に囲まれている素晴らしいロケーションのキャンプ場で行われるフェス。今年はからっとした晴れの2日間で風もほとんど無し。ただ砂埃がこのフェスにしては多かったですね。去年仙台駅からのバスの列がすごかったので、仙台駅から電車で30分程度の大河原駅というところからも出ているので、初日はそちらから行きました。6時半に自宅を出て、新幹線で9時半過ぎに仙台に到着、そこから東北本線に乗って大河原に10時15分過ぎに到着。45分弱待ってバスに乗って会場に12時前に到着しました。仙台から行くのと比べて早かったかどうかは不明。。
主に見たもので、以下のような順番です。カッコが無いものはフルで見ています。
(初日)つしまみれ(後ろ20分ほど)→黒木渚→堂島孝平のゴー!ゴー!ナイアガラ 津軽の午後に大滝詠一トリビュートステージ→THE BAWDIES→AA=→the telephones→ROMEO's blood→Schroeder-Headz
(二日目)SHISHAMO→東京カランコロン(後ろ20分ほど)→オワリカラ with チャラン・ポ・ランタン→MONSTER大陸(後ろ20分ほど)→tricot→ストレイテナー(1曲目途中から)→the HIATUS→キセル→EGO-WRAPPIN'
以下各アクトの感想を。半分以上が初めて見るバンドでしたね。