RSS | ATOM | SEARCH
2014/01/17 THE FIELD、CRYSTAL、にせんねんもんだい at 代官山UNIT
 スウェーデン出身のAxel Willnerの一人テクノユニットであるTHE FIELDを主役に据えたイベント。夜24時くらいに入って28時過ぎくらいまでの滞在。がっつりフルで見た3アクトの感想を。

 にせんねんもんだい
 2年ぶり8回目くらいになるギター、ベース、ドラムの、もう10年以上のキャリアを重ねる3人組インストバンド。ストイックにゴリゴリのミニマルフレーズを重ねる曲中心ですが、見る度にミニマル度が上がっていきますね。去年発売したアルバム「N」を聞いていてライブ見たいなと楽しみにしていました。アルバム収録されているのは10分以上の曲3つなのですが、それを全部やっていました(曲順もたぶんそのまま)、40分ほどのセット。ギターの高田正子は足元に加え、テーブルにも多数のエフェクターを置いています。ギターのフレーズをサンプリングし、その場でいろんな音に加工して重ねていくのですが、ギターを弾いている時間よりもエフェクターをいじっている時間の方が長く、ギター奏者というよりエフェクター奏者と言っていいような。ベースの在川百合は淡々としたリズムを刻んでいって、時折はっとするフレーズチェンジをしていきます。ラストにやった「B-2」では曲の最初の方は高田正子と同様にエフェクターいじりからの音出しで、エフェクター×2、ドラムって編成がおもしろいなと思ったり。その後はそれまでの曲と同様に淡々としたフレーズを弾いていくのですが、足元のペダルを細かく踏んだり離したりして不思議なノリ良さな音になっていました。ドラム姫野さやかはドラムセットまでそぎ落としていてシンバル、スネア、バスドラが1個ずつのみと、54-71でのBOBOと同じくらいの最小限のセット。シンバルを細かく刻んで、スネアの音を効果的にはさんできます。三位一体で構築された音の世界観がすごいなーと、一個一個のミニマルなフレーズが頭をぐるぐると回って熱中しました。

 CRYSTAL
 ステージ脇にあるDJブースで1時間20分くらいのDJ。Traks Boysや(((さらうんど)))というユニット/バンドなどでも活動されているDJだそうですが、聞くのは初めて。冒頭の15分はディスコなリズム、ファンクなベースや管楽器音を取り込みつつ、気持ちの良いテクノなシンセ音を軸に展開していました。そこを過ぎるとテクノ一本なノリになり、ずぶずぶと深海に引き込まれるようにシンプルな音で引き込んでいきます。ダブミックス奏者がやるような鳴っている音の中の一音(ベース音だったりシンセ音だったり)を消していくようなことを何回かやっていておもしろいなと思いました。ラスト20分くらいから、気持ちの良いシンセ音でカラフルな世界になってお客のノリも変わってドカンと盛り上がるようになって、そこから強く早いビートで熱狂的な感じになり、ラスト10分はビート抑え目で徐々に熱を冷ますような曲になっていました。起伏ある展開で楽しかったです。

 THE FIELD
 見るのは同所で見て以来の2年ぶりになります。前回はベースとドラムを率いてのライブセットでしたが、今回は一人のみでの演奏。いろんな機材を使ってのパフォーマンス。去年出したアルバム「Cupid's Head」はそれまでの気持ち良いシンセ音の持続中心の作風はそのままにリズムを抑えた作りになっているのが印象的でした。気持ち良さを全面に取っている感じで、今回リズム隊がいないのもそのアルバム受けてのライブセットなのかなと思っていました。が、予想に反してでかいベース音出しまくりでミドルテンポのリズムで1時間ほど押し通します。にせんねんもんだい同様変化は少なく、森林に吹雪の音が鳴り響くといった印象のシンセ音を強力なリズムの中に入れ込んでいきます。最初の1時間は「Cupid's Head」からの曲中心だったかと思いますが、音源との印象は異なるもの(スピーカー近くで聞いていてリズムがガンガンに頭に入ってきたこともあるかもしれませんが)でした。お客さんもじっと聞きこむモードでした。ラスト30分は旧作からの曲でここでガラッとモードが変わります。「FROM HERE WE GO SUBLIME」から「EVERYDAY」「OVER THE ICE」とあともう一曲やってた気がしますが、失念。ここではダンスモードになりお客の動きも激しいものになっていきます。アレンジも音源から変えていて、「OVER THE ICE」はハミングみたいボーカルをリズムの裏に隠すかのような聞かせ方をしたり、一番ドカンと盛り上がる直前のリズム無しのフレーズをこれでもかと続けてお客をじらしたりと。前回のバンド編成といい、今回の一人セットで最初の1時間と残り30分のモードの違いといい、いろんなライブを聞かせることができるんでしょうね。今度は最新作のモード一辺倒なライブも聞いてみたいなと思いました。
 
author:de nudge, category:live(Unit), 13:07
comments(0), -
2014/01/12 Filaments Plays Night Lights at 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
 大友良英(ギター)とSachiko M(sinewaves)のユニットであるFilamentsの特別版ライブ。去年オーケストラ編成で見たライブが思い出深いもので、また見たいと思っていました。前回は劇場でのライブで、お客がステージにいて、演奏者が客席にいるという特殊なシチュエーションのライブですが、今回もおもしろい試み。六本木ヒルズ森タワー52階にあるラウンジで夕日が沈むのとともに見るライブです。

 六本木ヒルズの上の方は1500円払って行けるそうで、そこに美術館やカフェなどがあります。この日のライブはその入場料だけ払えば見れるということでお得な企画。初めて入りましたが、すごい風景ですね。外に見える景色が圧倒的、東京ってすごいなーと思えるもの。遠くには富士山も見えその左側に夕日が見えます。そんな景色の中で1時間のライブを堪能しました。

 メンバーはSachiko M、大友良英に加え、テニスコーツ(アコースティックギターの植野隆司、ボーカル/キーボード/ピアニカのさや)、パーカッションに高良久美子と芳垣安洋という6人編成。窓に楽器がセットされ、お客は内側からその暮れる風景とともに演奏を聞く形になります。

 前回抽象化を極めたライブみたいと書いていますが、今回はもう少しメロディや分かりやすいリズムが織り込まれた演奏でした。冒頭は各演奏者が出す断片的な音から始まりますが、植野隆司の暖かいギターフレーズがそれを包み込むような感じ。さやはマイクから少し離れてハミングを入れます。芳垣安洋はパーカッションの他に多数の鳴り物を用意して、効果的に音を入れてきます。序盤は不定形なリズムが多かったです。鉄の器に鉄の薄い線が伸びたような円錐状の楽器を叩いて音出ししていた場面がありましたが、あれなんていう楽器なんでしょうか、初めて見ました。途中アフリカンなボーカルも入れてきて、その声も夕暮れにあっていました。

 大友良英はエレクトリックギターで、こちらも冒頭は周りと同調しない断片的な音を入れてきながら、時間が経つに連れ、やさしいフレーズも入れたりメロディアスに。弓弾きやくちぶえ吹いたり、窓近くのビルに備えられている細い棒状の柵みたいなものを叩いて音出ししてたりしました。Sachiko Mは全く演奏しない場面もあり、時折ピッピピと弱い音で鳴るサインウェイブの音を出します。刺激は無くメロディもないのに、なぜか耳にひっかかるもので、それは音であり演奏であると思わせられるものですね。

 後半暮れていくにつれて、テニスコーツの音が目立ってきます。持ち歌も入れてきたのでしょうか。アコースティックギターとさやのボーカルが同調します。それにつれて他の楽器もリズムを入れ込んでくるようになりました。高良久美子と芳垣安洋は怒涛のリズム攻撃を聞かせたりも。器用というかなんかガラスコップみたいなものを叩いているだけなのに、おもしろいと思わせるリズムや音階でメロディっぽいものを聞かせたりとすごいなーと。

 ラスト近くはテニスコーツの二人は持ち場を離れて客のいる場所に入り込んで演奏したり歌ったりします。その場面もしなやかな感じもあり、印象に残るものに。最後は日もすっかり暮れた中で大友良英のすごく弱いギター音を固唾をのんで聞き入り終了。へんに喝さいや拍手を入れず、演奏がしっかり終わるまで聞き入るお客さんも素晴らしい。素晴らしい風景を見つつ、頭には別のいろんな風景も思い描くことができた素敵なライブでした。

 ライブ終了後、美術館などフロアを回ってみました。自分には美術の展示物を理解する見識やセンスが無いので、その辺で印象に残るものは無かったのです(スミマセン…)。ただその中で、大友良英が取り組んでいるプロジェクトFUKUSHIMA!というものの一環で福島でプロ、素人みんなで演奏する映像が流れていましたが、それは少し見ただけておおーっとなるものでした。音が一斉に鳴っているだけでなんか感動してしまいますね。それから近くにある東京タワーがすごかったです。見下ろすような視点で見る東京タワーが新鮮でした。
 

 
author:de nudge, category:live(Others), 23:23
comments(0), -
2014/01/05 Hello! Project 2014 WINTER at 中野サンプラザ
 7ヶ月振り3回目のハロプロライブ(ハロープロジェクトというグループに所属するアーチストが一同に会して行われるライブ)。ハロプロ関連のライブは1日2回やることが多いのですが、この日はなんと3回あるとか。その初回朝11時半スタートのライブ行ってきました。

 7ヶ月前に見た時はほとんどメンバー分からずライブ見たのですが、今回はモーニング娘。全員覚えて、他のグループもちょっとだけ顔と名前一致する人増えた状態で臨みました。今回、各グループの楽曲中心に行うGOISU MODEとメンバー入り混じってパフォーマンスするライブも入れて来るDE-HA MIXというライブ形態があるようですが、自分が見たのは後者でした。

 全員揃って2曲歌います。ものすごい人数ですね。その後ハロプロ研修生(ジャニーズでいうジャニーズジュニア的なメンバーでしょうか)が1曲歌ってからMCを務めるまこと(シャ乱Q)とメンバー1人とのMCコーナー。この回は福田花音(スマイレージ)。去年は太った時期があり、ダイエットしていたものの一向に痩せず、なぜかなと思ったら寝ている時にお菓子を食べていた、記憶が無い、というホンマかいなという話を。しかも以前岡井千聖(℃-ute)が以前同じことがあったようで、「病気が移ったのかも」と。。

 続いて各メンバーが入り混じったユニットを組んで歌ったり、回ごとに持ち回りでソロを歌う曲がいくつか続きます。今回のソロは嗣永桃子(Berryz工房)と竹内朱莉(スマイレージ)。ユニットで組んだ曲はやはり自分が知っている曲をやったものが印象に残っていますね。「奇跡の香りダンス。(松浦亜弥)」をやった鞘師里保(モーニング娘。'14)と萩原舞(℃-ute)、「たんぽぽ(タンポポ)」をやった工藤遥(モーニング娘。'14)と清水佐紀(Berryz工房)と中西香菜(スマイレージ)、「会えない長い日曜日(藤本美貴)」をやった生田衣梨奈(モーニング娘。'14)と嗣永桃子と植村あかり(Juice=Juice)など。鞘師里保はこの大人数の中でも強烈な印象を残しますね。個人的に声が好きなのもありますが、ダンスの動きがすごいし、表情も観客に訴えるように見せることを常に意識しているようなパフォーマンスが良いなーと。これらの曲をやっている間、メンバーの一部はステージ後方(階段があるので上の方に位置する)で踊ったりしているのですが、道重さゆみ(モーニング娘。'14)が楽しそうに「たんぽぽ」口ずさんでいたのが印象的。

 シャッフルコーナー終了後にMCがあります。まことともう1人回替わりでMCするようでこの回は岡井千聖。他4人工藤遥、矢島舞美(℃-ute)、熊井友理奈(Berryz工房)、宮崎由加(Juice=Juice)がMCからの質問に答える形式で進みます。メンバーが答える質問が普通なのがご不満で岡井は「もっとバカ話がしたいー、生田呼んで欲しい」とか言ってました。ここで名前が挙がる生田衣梨奈もなかなかの存在感になってますねー。質問が「今日帰ったら何する?」とか「言われて照れてしまったことは」とかなので、そんなバカ話ができるようなものでは無いのでは、、というまことのツッコミに対し「私は今日帰ったらまずでんぐり返ししますよー」など、ちょっとおもしろいこと言って返していました。でもそれじゃ質問コーナーでなく大喜利になっちゃいますね。。最後の質問の「ずっと使ってきたのでそろそろ買い換えたいものは?」という質問に対し、熊井友理奈は「部屋にある時計」。それに対し岡井「ちっかちっか鳴らないやつ?だとすると高いものじゃない?」みたいな受けから電波時計の話になり、さらにそこからなぜか熊井の部屋にお化けがいるかもしれないので、工藤「部屋の隅に盛り塩もっておいた方が良いですよ」と怪談話になった展開がおもしろかったです。岡井はまだまだ話足りないようでしたが、まことが「時間です」と撤収します。

 ここからは各グループ単独もしくは2組で組んでやる楽曲が並びます。Juice=Juiceという去年デビューしたグループの楽曲は60〜80年代風味のメロディ、アレンジでおじさん世代のつぼを突くものですね。この回最初に全員でやった「ロマンスの途中」という曲はJuice=Juiceのメジャーデビュー曲らしいのですが、管楽器の音が入ってせつなげなファンクのアレンジがいい感じですし、Juice=Juiceのみでやった「初めてを経験中」という曲はMonkeesの「Daydream Believer」やVanessa Paradisの「Sunday Mondays」を思い起こすような王道ポップス路線で良いなーと思えるもの。

 そしてこの日最も楽しみにしていたのは、モーニング娘。'14が1月下旬発売予定の新曲でした。3曲あるのですが、その内「笑顔の君は太陽さ」をこの回ではやりました。既にこの曲はPVが公開されているので、何回も見ていますが、ライブでは当然に初めて。白が基調の衣装で、アレンジはこれまでと同様EDMな感じの音を主軸としていつつミドルテンポのリズムが珍しい。Queenの「We Will Rock You」みたいなリズムの入りから、ヒップホップなリズムを複雑に入れ込んできて、そこにフォーク風な少々字余り加減に一小節の中に言葉を入れ込んだ歌を歌っていきます。それでも味わいは爽やかさ、かわいらしさを保っていて、サビで一挙にかわいらしさを広げるようなおいしい展開になっています。そんな楽曲にフォーメーションダンスもうまいこと組み込んでいて、良いですね。この曲はPVもすごく力が入っているようで、冒頭カメラ視点が真上から横にずれて道重さゆみのアップになる部分と、最後のサビ前のインスト部分で石田亜佑美と鞘師里保のコンビネーションダンスで逆に横から真上にずれていく部分とかかっこ良いなーと。

 にしてもアレンジャーが違うとはいえ、このグループの全楽曲の作詞作曲を手掛けるつんくはいろいろなタイプの楽曲を作りますね。この回のライブでやった、「おへその国からこんにちわ(ハロプロ研修生)」「1億3千万総ダイエット王国(Berryz工房)」というなんじゃそのタイトル(歌詞も変)は?みたいなものもありますし、すごいなーと。

 ラストは全員で「Happy大作戦(モーニング娘。)」を。この曲は「Help me!!」のカップリング曲なのですが、全員で歌ってラスト締めるのにふさわしいさわやかな合唱系の曲ですね。「ALL FOR ONE&ONE FOR ALL!(H.Pオールスターズ)」と同タイプで好きですねー。でもこれで「ALL FOR ONE&ONE FOR ALL!」をライブで見る機会はさらに遠くなってしまったかな、と思ってしまいました。
 
author:de nudge, category:live(中野サンプラザ), 19:04
comments(0), -
2014/01/02 Saigenji at Motion Blue Yokohama
 ブラジル音楽中心にアコースティックギターをつまびいたり、細かく刻んだりしながら歌う男性ソロシンガー。見るのはアルバム「Innocencia」を出した頃くらい以来なので、8年以上ぶりになるでしょうか。

 一人の弾き語り形式で、オリジナル曲を中心にカバーも何曲か聞かせた1時間15分のセット。カバーはCarole KingやMilton Nascimento、Sergio Mendes、ディズニー映画の「星に願いを」など。個人的に感激だったのはアンコール最初にやったSergio Mendesの「Magalenha」。1994年に発売された「Brasileiro」というアルバムに収録されている曲で、このアルバム大好きだったので、生で聞けてうれしかったです。オリジナルは打楽器乱れうちな中で歌われる曲ですが、それをアコースティックギター一本でうまいことアレンジされていて、良い感じに聞けました。

 オリジナルも端正に作られた曲を良い声とギターで聞かせます。その場でお客からリクエストもらって演奏したりも。Saigenjiで特に好きなのはギターをガンガンに弾きながらスキャットを入れて来るのですが、何度聞いてもぐっと来ます。本編ラストでやった「ミュージックジャンキー」という曲は、ギターを置いてお客の手拍子から曲をスタートします。過去の偉大な音楽家の名前を列挙するところからスタート、その中には以前フジロックで見たMoreno-Demenico-Kassinや宮沢和史(THE BOOM、GANGA ZUMBA)の名前もありました。そして手拍子を維持させたままフルート吹いて、ギターを手にしコール&レスポンス織り交ぜて熱狂的な歌の世界を入れてきました。

 一人のみの演奏と歌ですが、お客に対する盛り上げ方を熟知したようなパフォーマンスで素晴らしかったです。ほろ酔いながらもウキウキと聞けました。
author:de nudge, category:live(Blue Note,Cotton Club,Billboard,etc), 09:40
comments(0), -