幕張メッセとマリンスタジアムなどを使っての複数ステージで繰り広げられる恒例の夏フェス。9回目の参加になります。土日2日間ありますが、初日のみの参加。
この週末はとんでも無い暑さで、40度超えたときもあったとかなんとか。自分は夜以外は幕張メッセ内にいましたが、それでも結構堪える暑さでした。メインステージであるマリンスタジアムのこの日は暴れん坊タイプのバンドが揃っていたので、見る側も演奏する側もきつかったでしょうねー。救護室も倒れているお客(ほとんど女性)ですし詰めでした。見たのは、FIDLAR→ALT-J→JAKE BUGG→アイドルソニック(バニラビーンズ、LinQ、ベイビーレイズ)→MEW→M.I.A.→LIVING COLOUR。それぞれのアクトの簡単な感想を。
FIDLAR
幕張メッセ内で一番大きなステージのマウンテンステージで3つ連続で見ます。最初はアメリカ・ロサンゼルス出身の男性4人組ロックバンド。ギター×2、ベース、ドラムで。フロント3人が曲によりメインボーカルを分け合います。MCでヘンテコな日本語を連発しつつ、暴れん坊タイプの曲連発します。中央に立つギターはやたら寝っ転がって弾いてました。
ALT-J
イギリス・リーズ出身の男性4人組バンド。キーボード、ギター、ギター/ベース、ドラムという編成で全員横並びに位置しての演奏です。どんなバンドかも知らずに聞いたのですが、存外にはまった演奏でした。線が細く揺らぎを感じさせるボーカルに、キーボードやギターが情緒的な音を重ねてくるのですが、そこに違和感を挟み込むドラムが非常におもしろかったです。余韻をまったく残さない叩き方で、他の楽器の音からは浮いているように響きます。雰囲気だけでないアレンジのおもしろさが伝わってきてのめりこみました。
JAKE BUGG
イギリス・ノッティンガム出身の若手(まだ19歳とか)の男性ソロシンガー。渋めの声でブルース、フォークなど歌う話題のシンガーらしいのですが、自分は音源聞かずにライブ見ました。ベースとドラムを従えてJAKE BUGGはギターを弾きながら歌います。曲によりエレクトリックとアコースティックを使い分け。会場にたくさん入ったお客がうっとりとするような曲のようで、終わるごとに多くの歓声が上がっていました。ボーカルは渋みはありながらもちょっと高い若さのある声でした。Neil Youngのカバー「Hey Hey, My My」をゆったりとした感じでやってました。
アイドルソニック(バニラビーンズ、LinQ、ベイビーレイズ)
屋台などが入っているエリアの中の一角に、Side Showと銘打って主にお笑いのライブ(毎年イジリー岡田が司会してる)をやっているのですが、この時間帯はアイドルのミニライブをやっていました。4組出演で3曲ずつ歌うようですが、自分は次のライブの時間都合上、その内の3組を見ました。
初めはバニラビーンズという2人組。スタイルも良さそうなキレイなおねえさんユニットといった印象。キャリアも6年になるそうで、このコーナーのMCも務めていてしっかりとした感じ。曲はカジヒデキ提供曲やpizzicato five「東京は夜の七時」のカバーなど渋谷系なイメージ。
続いてはLinQという福岡で活動しているアイドルグループ。本当は30人くらいいるそうですが、この日は選抜隊ということで10人くらいのメンバーでのパフォーマンス。ミニの浴衣衣装でいかにもなお祭りアイドルソングを元気いっぱいに笑顔で踊りながら歌います。3組の中ではメロディが好みのものが多かったような。
ラストはベイビーレイズという5人組。踊りと歌のレベルが一番高かったのがこのグループで、特にセンターにいた方は高橋愛をおもわせる自信あふれる笑顔での歌と踊りですごいなと思いました。1人だけ歌と踊りがあぶなっかしい方がいましたが、ルックスは一番良いかもといえるかわいらしさ。ラストにドラマ「あまちゃん」の中で使われている話題(らしい)曲の「暦の上ではディセンバー」を披露していましたが、個人的にはその前にやったDragon AshとTOTALFATのメンバーが提供した2曲のロックなナンバーが合っているなと思いました。特に「ベイビーアンビシャス!」という曲は印象に強く残りましたね。
MEW
ソニックステージという幕張メッセの中では2番目に大きいステージに移動します。デンマークのボーカル、ギター、ドラムの3人バンド。ライブはベースとキーボード/ギターが加わった5人編成。最初は、キーボード、ドラム、ボーカルが入って曲を始めて途中からギターとベースが入ってきて加わるという珍しいスタートのさせ方。ボーカルは高音をキープさせていて天使の歌声といった印象。そこにギターやドラムの轟音を重ねたり、ゆったりめで聞かせたりとメリハリの効いたアレンジで良いライブですね。また、メロディも声にあった浮遊感もありつつ力強く突き抜けるようなもので好みでした。
M.I.A.
イギリス・ロンドンとスリランカを行き来しつつ育った女性ヒップホップアーチストで、見るのは2005年のサマソニ以来2回目になります。前回はパジャマみたいな衣装を着てDJ1人連れたっての、いかにもなヒップホップなライブと記憶していますが、今回はいろんな面でパワーアップしていたすごいライブになっていました。ライブメンバーはM.I.A.に、バックボーカル、スタンドドラム、ダンサー2人(男性、女性1人ずつ)といった編成。オリエンタル風味のある細かくビートを刻んだトラックを流しつつ、独特のちょいラガが入りつつのひねった声(って表現が適切か分かりませんが)で歌ともラップともつかないボーカルで歌います。前回よりスリランカな感じを全面に出していて、衣装もそうですが、ステージ後ろのスクリーンに流す映像が今も政治的混乱があるスリランカを伝えるようなイメージのもの。M.I.A.はダンサーと一緒に踊ったりもしつつ、客席にガンガン入っていきます。客席前方中央は左右を分ける柵があって、その間に何回か入り込んで詰め寄るお客と触れ合いながら高らかに歌います。トラックが止まることがあまりなく、次への曲のつなぎもスリリング。コーラスとスタンドドラムのパフォーマンスもばっちしはまっていました。
LIVING COLOUR
ここでやっと外に出ます。既にうす暗くなっていますが、まだバリバリ暑い。マリンスタジアムの裏手にある砂浜のステージ(ビーチステージ)のトリであるLIVING COLOURを見に行きました。今回一番のお目当てだったアメリカのベテランミクスチャーロックバンド。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの男性4人組で自分のイメージとしてはブラックロックといえば彼ら、みたいな漠然とした印象を持っていました。彼ら自体は見るの初めてですが、ボーカルのCorey Gloverは2回ほどGALACTICのゲストボーカルとして、ベースのDoug Wimbishは2008年フジロックで見たMARK STEWART + THE MAFFIAのメンバーとして見ていますね。メタル、ヒップホップ、ゴスベル、ソウル、ブルースなどを盛り込んだ曲群はまさにミクスチャー。そんな暴れまくりとかは無いですが、コール&レスポンスもありつつ良いライブでした。Doug Wimbishは存在感すごいですね、クールな佇まいでベース弾いたり、前方に飛び出して煽ったりと。ギターのVernon ReidはPC使いながらいろんな音に色を付けていて、ハードロックなリフやソロも効果的に織り込んでいました。ボーカルのCorey Gloverは白髪もあるベテランの風格ある体になっていますが、声の張りはすごいですね。血管浮き上がっているんじゃないかというような歌い上げが何回もありました。お客は少ないながら熱い人が集まりいい雰囲気になるのはビーチステージのトリの特色ですね。過去、Little BarrieやCAFE TACVBAもそんな感じでした。同時刻でMETALLICAがマリンスタジアムでやっていたのですが、METALLICAのTシャツを着た外国人のお客さんが一番前の柵にかぶり付きで見ていました。元々METALLICA目当てで来ていたのを急きょ変更したのでしょうか。