- 2012/06/17 ROVO presents MDT FESTIVAL 2012 at 日比谷野外音楽堂
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2012.06.23 Saturday毎年5月恒例ROVO主催のMan Drive Trance日比谷野音版です。今回は6月になりました。なんと今年で10回目だそうで、自分は何気に皆勤賞ですね。年を経ることに後ろの方で見るようになってきたのですが、今回は気合入れて前方の方へ進出しました。最初に登場したのはNabowa。去年昭和記念公園で見たときはアコースティックセットでしたが、今回はエレクトリックな編成。バイオリン、ギター、ベース、ドラムの4人で流麗なインスト曲を広げます。アメリカンロック、アイリッシュトラッドなどが程よく混ざった横揺れの曲を堪能。会場は早くも総立ちに。ラストでやった曲は昭和記念公園の時もブレイクの瞬間が非常に気持ち良かったのですが、エレクトリックな編成でも同様に良かったですねー。続いてはGOMA&The Jungle Rhythm Section。ディジュリドゥ奏者GOMAとドラム、パーカッション×2からなる4人組で、見るのは3回目になるでしょうか。GOMAが3年前くらいに交通事故で記憶無くしてしまってから(軽度外傷性脳損傷)、リハビリを続けて去年見事に復活してからは初めてになります。ドラム椎野恭一(Magnolia)、パーカッションの田鹿健太(Little Tempo)と辻コースケ(カセットコンロス、Orquesta Nudge!Nudge!)が叩き出す怒涛のリズムに低音でボワボワなるディジュリドゥの音が完璧にマッチ。メロディは一切無しですが、そのリズム攻撃にひたすら圧倒されます。GOMAはライブができる喜びを全身で表現していて、反応が抜群なお客との相乗効果もあって場内すごいことになっていました。ラストはROVO。これまでずっとステージバックの映像を担当していたVJ迫田悠が海外移住に伴い引退されたので、ステージ見栄えに大きな変化ありました。シンプルな白の照明をあちこちにつけるだけで、一見おしゃれ感が無い印象があるのですが、点滅する照明が音とシンクロしていてなかなか良かったです。ライブは新曲多めの圧倒的なセット。音源未発売が4曲くらいあったと思うので、アルバム作成まではあともう1〜2曲ってとこでしょうか。今回初めて聞いた中では、シンプルなリズムを重ねていく初期のような曲もあって楽しみです。既存曲は「Horses」「Eclipse」「Sino +」「Cisco」でした。今回会場でもらったROVOのフリーペーパー(ギター山本精一とライブ毎回来ているという手塚治虫の娘である手塚るみ子との対談がメイン)を読んで感じたのですが、こうしたイベントはライブそのもののパフォーマンスも大事なのですが、それよりもいかに「場」を作り上げるかという運営が大事であるという、まあ当たり前なのでしょうけど。。客席自由にしてお酒の持ち込みもあり。でも毎年ヨッバライが荒れてくるので、割れて危険なビンの持ち込みは禁止するという制御もほどよくしたりと。客席指定にしてスタッフ散りばめていろいろ注意していけば、もっとお客は制御できるのでしょうけど、それをするとあの雰囲気は生まれない。今回前方で見たのですが、ものすごく音にダイレクトに反応して踊りまくりの人がいると思えば、メインアクト前に早くも酔いつぶれて寝ていたり、スタッフと揉め事を起こしている人がいたりと、様々。一つ一つの振る舞いを見るととてもほめられたものは無い人もいるのですが、会場全体で見ると素晴らしいとしかいいようが無い光景になるという。こうした「場」を苦労しつつ作り上げたROVO始めとするスタッフの方たちに感謝しつつ、これからもできるだけ参加できればなと思いました。おまけです。
- 2012/06/02,03 Taico Club at 木祖村 こだまの森
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2012.06.10 Sunday4年ぶり2回目の参加となる長野県木曽郡というところにある、施設を利用しての野外フェス。元々の施設としてある音楽堂と駐車場を使ったメインステージの2つで同時にライブ、DJが進行します。土曜の昼間から日曜の昼まで延々夜通しやっているのですが、自分は夜21時から翌朝6時半くらいまでの参加でした。今年はチケット売り切れで現地到着するとものすごい人だかりでビビりましたが、ちょうどその時にサカナクションという人気バンドがやっていたからのよう。それ以降は自分が見たアクトは混雑する時間帯はちょこちょことあったものの割りと快適でした。トイレもそんなに並ばないで楽でしたし。見たものの簡単な感想を。
DadaD
これで「ダーダーダー」と読むそうです。後ろ30分ほどを聞きました。台湾と日本のハーフの女性ボーカルとギターの日本男性のコンビ。ライブセットとしてこの日はギター、キーボード、ドラムのサポートがつく編成。英語と日本語が入り混じったミドルテンポの歌を淡々と。ボーカルの方はキレイですね。ダンス中心のラインアップが揃った中では異色の部類に入ることになるのでしょうか。各楽器の個性も感じられて良い感じでした。
Sepalcure
男性二人組のユニットでPCなどの機械を使った音出しをします。半音ずつ上がっていくシンセ音を多用し、そこにサンプリング音として出す人の声、オーオーと歌う声が多かった、を混ぜ込んだ音を一人が出し、そこにもう一人がいろんなダンスビートを重ねていくコンビで鳴らしているようでした。最初はゆったりとしたビートから1時間かけて徐々に早くなっていくような展開で最高でしたね。シンセ音の気持ちよさがまず第一にあるのですが、そこに人の声と踊れるビートがダイレクトに入り込んでいて初めて名前を聞くユニットながら、かなりのお気に入りになりました。
TR-101
こちらも男性二人組ユニット。ドイツ出身のようです。硬質なビートのみで組み立てる音楽といった感じで、上物となるシンセ音やボーカルなどはほとんど入らずでSepalcureと真逆な音と言ったら良いのでしょうか。全然違う音世界ながらこちらも堪能しまくりでした。音そのものは単調と言ってよいかもしれませんが、そのシンプルなビートが3〜5分間くらいごとに切り替わっていき、頭と体もそれに合わせていろんな想像と動きを巡らせました。ライブという場で味わうべき音楽だなーと思いました。Sepalcureと合わせてこのフェスでこの2組を聞けて良かったですねー。
Animal Collective
2009年のフジロック以来2回目となるAnimal Collective。前回のメンバーから一人増えています。ギター/キーボード、機械、キーボード/ギター、ドラムという4人編成。前回と違ってドラム専任者がいる形になっています。前回はアルバム「Merriweather Post Pavilion」からの曲を中心に男性ボーカル二人のハーモニーと電子音が埋め尽くされた最高のライブだったのですが、今回はちょっと趣きが違っていました。おそらくほとんどが音源未発売の新曲で、ボーカルはほとんどソロで取る曲が多く、曲のアレンジもロック色が強くなっていましたね。電子音も散りばめられていましたが、ギターやドラム音がかなり強調されていました。盛り上がったのは後半のボーカルの歌いっぷりに機械音が反応しまくってビートのスピードが切り替わっていく曲(「Monkey Riches」という新曲だそう)から「Brother Sport」につないだところでした。「Brother Sport」はポップなメロディを男性二人のハーモニーで、ウキウキした機械音をからませて聞かせる人気曲ですが、お客の反応も相当熱烈でした。アレンジもかなり変わっていましたね。ラストは「Summertime Clothes」だったのですが、最初のイントロ部分がBattlesの「Atlas」みたいなアレンジでそのままカバーやったりするんでは、と思ってしまったほど。
Machinedrum
Sepalcureの内の一人が名乗るソロユニット。こちらはユニット名通り機械でドラム音を鳴らすのがメインなのですが、ありそうで無かった音で存外におもしろかったです。レゲエ、ヒップホップ、ドラムンベースを切り替えていく展開が主なのですが、そこに民族的なビートを映像交えていろいろからませてました。また本人の肉声、白人タンクトップな外見とは違うソウルフルなもの、も効果的に使われてガンガンに盛り上げてきます。特に最初の方はお客がAnimal Collective終わりで休憩に行ってしまいガラガラだったこともあって、スペースがあったので踊りまくりでした。付近の人達も似たような反応を見せていたのでおもしろかったですね。同じタイミングで頭を上下に振ったりしたのは我ながらおもしろいなーと。後半は人も帰ってきて大盛り上がりで終了。
Mouse On Mars
7年前のelectraglideで見て以来2回目となるMouse On Mars。ドイツ出身の2人ユニットですがライブではドラムがついた3人編成になります。たぶんメンバーは前回と一緒。機械音2人とドラムの編成で3人それぞれが曲により、声を混じらせます。前回は相当眠い中30分聞いたくらいで離脱してしまったのですが、今回はがっつり聞きました。そしてすごかったですね。機械音と肉声、ドラムが混じるもので全般におしゃれ感が漂うもの。ながら聞いている者を熱くさせるロック、テクノ魂がそこかしこに渦巻いていて、かっこよかったですね。特にドラムの人がラップ、ポエトリーリーディング調で歌うボーカルが相当に良い。変声器を使ったりしながら歌う他二人の声も効果的で良いです。ライブは進むに連れてお客の反応も熱烈なものになり、スピード感が増していくビートに合わせて前方は狂乱状態になっていました。音源持っていないので、曲全然知らなかったですが、今度買おう思いました。ライブ終わりが朝4時過ぎなのですが、この頃にはもう明るくなり始めていましたね。最高の夜明けでした。
rega
ギター×2、ベース、ドラムの4人編成の日本のインストロックバンドで初めて聞きます。後ろ30分ほどを聞きました。踊らせるロックを趣向しているようで、腰に来るベース音を主軸に裏打ち多用のドラム、フュージョンっぽい単音色やリフなどをコンビネーション良く聞かせるギターなどで踊りまくりのお客が多かったです。自分はお疲れモードで後ろの方で寝転がってまったりと聞いていました。
いちろう
おととし解散したゆらゆら帝国のドラムのユニットで、ライブはサポート一人を入れた2人編成です。ドラムは無しで、2人ともPCを操ってノイズ音を出していました。踊れるビート音は皆無なこともあり、お客は少なめでした。随分前、7年以上前のGoth-tradに近い世界かなという印象ですが、ストイック過ぎて何かいっちゃっているGoth-tradとは異なり、もうちょい現実世界に向いたノイズ音という印象でした(抽象に過ぎる表現ですが…)。踊れる音無しならば、お客完全無視で徹底したノイズ音を聞かせる方がむしろ好印象かも、、と寝っころがりながら聞いて無責任な感想を持ったりしました。
Pepe Bradock(eにアポストロフィが入る)
フランスのDJで初めて聞きます。朝明けにふさわしいやさしいハウスの音で、お客はまばら(いちろうよりは多かったですが)ながら、良い雰囲気の中気持ちよく聞けました。30分ほど聞いて帰路に着いてしまったのですが、もっと長時間その音世界に浸っていたかったなーという音でした。
東京に戻って所用を済ました後、家に帰宅してから爆睡。13時間も寝てしまいました。。
- 2012/05/31 HUG!〜ステレオサウンズ at 新宿・紀伊国屋ホール
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2012.06.07 Thursdayテレビ、舞台などで活躍する近藤芳正のソロプロジェクト「バンダラコンチャ」が手がける舞台を見ました。タッグを組む形で共演するのは、ウッチャンナンチャンの南原清隆。演者は他に三倉茉奈、山崎樹範、兼崎健太郎、堀部圭亮。
舞台開始前に近藤芳正と南原清隆(以下ナンチャン)がMCとして登場。この舞台の特色をまず語ります。オムニバス形式のコントとフリーの芸などがいろいろ混じって展開される舞台とのこと。入り口で配られた紙によると、ナンチャンが2話、堀部圭亮が2話、演出も手がけているそうな福島三郎という方が1話書いた5話が展開されるそうです。音楽はキセル、振付は川平慈英と豪華。
せこい犯罪を繰り返す集団を描いた「戦闘員」、スキージャンプ大会での選手やスタッフの葛藤、特に一人の女性を巡るあれこれがややこしい展開をさせる「ジャンプ」、殺人事件が起こりそこに最初にかけつけたものの気分を悪くして休憩している警察官と野次馬根性を見せて推理し始める駆け出し小説家の会話を描いた「臨場」、過去にいろんなことを諦めた男性がテレビを見ながらゴロゴロしていると、その諦めた時の自分が次々と現れてなぜあの時諦めたんだーと責め立てる「あきらめた僕たち」、ある飲み屋にてこれまで出てきたキャストや話がいろいろ入り混じって総括的な締めの話がされる「明日もお静かに」。
どれも大爆笑まで至る瞬間は無かったものの、終始クスクス笑いの耐えないやり取りやほのぼの、しんみりする話が織り込まれて非常に楽しかったです。それらの間に差し込まれる即興的な芸と作られたコント2話がありました。即興芸はナンチャンがMCを務め、他の5人でその場で考えた御題に沿ったネタをやってもらうというもの。今回はそれぞれ自分がブレイクしたと思っているドラマのヒトコマを演じてもらって、一番イケて無かった人が罰ゲームをやるというもの。今回の罰ゲームは山崎樹範でした。てか、雰囲気を見る限りいじられキャラっぽい感じがするので、毎回罰ゲーム食らっているのでは、、と思ったり。
コント2話はナンチャンと堀部圭亮二人でやった、コンビニでの買い物など普段の会話を正確な言葉で行うとどんなやり取りになってしまうかというものと、全員でやったおじさんが若者に入っていくための必殺の一言を探る、おじさんの近藤芳正が部下達の飲み会に切り込んでがんばってヒトコトいう度に失敗するというもの。このネタはいかにもナンチャンっぽいネタ、普段から気にしている言葉や流行ものなどをコントに当てはめる展開だったのですが、実際どなたが作ったのでしょうか。
話の中では「臨場」が良かったです。オチはなんとなく話の流れから見えていたりしたのですが、そこに至るまでの三倉茉奈演じる駆け出し小説家と気弱な警察官のナンチャンとのやり取りが最高でした。笑顔で推理を語りまくる小説家は時々ふっとした影を感じさせる、その語りに圧倒されながら必死で話についていこうとする警察官。最後に真相を知った警察官演じるナンチャンの顔はとっても味わい深いですね、手を合わせるシーンまでの表情にジーンと来ました。にしても三倉茉奈はかわいいですね。長セリフをものともせずに笑顔で話している姿に惚れ惚れしました。
ラストの大団円では全員でタップダンスを。川平慈英仕込みと思われるタップダンスは、最初バラバラなリズムを組み合わせるポリリズムなステップで音を鳴らして、途中からユニゾンでダンスもきっちりと揃っていました。幕前、幕中、エンディングと使われたキセルの歌も完璧にマッチしていました。
ウンナンファンが長い自分ですが、笑う犬の生活で不条理な設定のコント(去っていった逆方向から現れてくる美容師さんなど)を見せてきたナンチャンの世界をここまで随所に生で体験できたことがうれしかったですね。またナンチャンと古い付き合いという近藤芳正もこのメンバーを集めて、演出して、演じてとフル稼働されていてすごかったです。