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2012/05/19 Boredoms at 品川ステラボール
 あちこちのフェスで見ているBoredomsですが、単独ライブは初めて。音源をなぞった演奏ではなく、ライブこそ一つの作品と強く感じさせるバンドで毎度毎度楽しみなのですが、今回単独、しかもかなり広い屋内会場ということでものすごく楽しみにしていました。
 
 ボーカル、機械、セブンナーと呼ばれる7つのギターを魚の骨のような形状でくっつけた特殊楽器を用いてパフォーマンスするEYE(正確には3文字目のEは逆の表記)と、ドラム3名〜6名という形態で演奏するバンドなのですが、この日はさらに人を入れてきました。なんと15人くらいからなるギターとベース奏者が次々と入ってきてステージ後方に座ります。それを増子真二(DMBQ)が束ねて指示しているようでした。ドラムは今回5人。EYEが体全体で表現する指揮者となって、その動きに各楽器が合わせて弾く形で演奏が行われるのですが、最初はほんのりとしたリズム無しの演奏が続きます。そこにもいろいろ起伏ある展開が盛り込まれ、そこだけでも熱中して聞けたのですが、「ニューサーーン」とEYEが歌った瞬間から頭が沸騰してしまいましたね。ライブでは初めて聞く「SUNSIDAL CENDENCIES(VISION△CREATION△NEWSUN△)」。たっぷりと導入部が織り込まれ、溜めに溜めて爆発した演奏の中で繰り返される「VISION CREATION NEWSUN」というフレーズに昇天しまくり。まさか聞けるとは思えなくてびっくりとうれしさのあまり相当浮かれましたね。その後さらに「Super Are」が続き客席前方はダイブまで起きていました。
 
 前半の爆発的なロックモードから後半は土着的な音をいろいろと混ぜ込んだお祭りダンスモード。客席前方はモッシュが少なくなりますが、後方含め踊る人が増えてきました。リケンベっぽい音や変な泣き声みたいな声を織り交ぜたり。いつもはEYEとYoshimiが声だしを担当するのですが、今回はもう一人男性ドラムも声を入れてましたね。掛け合いみたいなものもあって、楽しい。EYEは相当にテンションが高く、ステージ前方に飛び出して客席ダイブまでかましてびっくりしましたが、その後でトラブルが起きてしまいました。ステージをあちこち飛び回る中、スピーカーからジャンプしたところで姿が見えなくなってしまいました。右足を痛めて倒れこんでしまったようです。スタッフが氷を持って足を冷やしながらライブを続けます。なにせノンストップでライブをやり続ける形態なので、止まることが許されない。EYEは動き回ることはなくなりましたが、ボーカル、機材を操っての音だし、セブンナーを棒でガンガンに音を叩くのはやり続けます。お客は盛り上がりつつもハラハラな感じで見守ります。
 
 終盤は満身創痍な体をひきづってステージ前方まで歩いて歌い叫びます。壮絶過ぎて感動しまくりでした。演奏も大団円を迎え、ギター・ベース隊が立ち上がり、ドラム隊も立ち上がって音を少しずつ収束させて終了。スタッフに抱えられるのを拒否してもんどりうつように引き上げるEYEに大歓声。アンコールの拍手が鳴りますが、さすがに出てこないだろうなーと思っていたら、出てきました。アンコールは2002〜4年あたりのライブでやっていた前半部(音源的には「SEADRUM」の頃ですが、後半部分のみの収録で前半部は無い)のおとなしめなふんわりしたギター、ベース、ドラム音をEYEの合図に呼応した形でゆるやかに演奏しての締めでした。ライブ終了後「骨折しちゃった。」って、、、骨折してあのパフォーマンスをやり続けてたんですか。。しかもYoshimiは「金環日食ライブもよろしくー」と2日後のライブ告知。Boredomsメインのイベントのようなので、キャンセルは難しいと思うのですが、大丈夫なんですかね(無事ライブ行われたようです)。。

author:de nudge, category:live(品川ステラボール), 22:21
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2012/05/15 Aaron Neville at Billboard Live TOKYO
 2009年のフジロックで見たNeville Brothersの一人であるAaron Nevilleのソロライブ。仕事が思ったより早く上がれたのでセカンドセットに間に合うなと判断して会場に駆け込んだのですが、チケット代金を見て少しおののく。。普段自分が同会場で聞くライブより高目でした。でも、アメリカ・ニューオーリンズからやってきた至高のファルセットボイスを聞くためにえいやと料金払って入場します。
 
 メンバーは、サックス、キーボード、ドラム、ベース、ギターの5人編成。ドラムとベース以外はNeville Brothersのライブメンバーであるようで、サックスは4兄弟の内の一人であるCharles Neville。フジロックではニコニコしながらカウベルを叩く姿が印象に残っています。ギターは日本人の福田眞國という方。山岸潤史もそうですが、ニューオーリンズに根を張って現地の有名なバンドに参加されてたりするのはすごいですね。世界を見渡すとたくさんいるのでしょうけど。
 
 バンドのイントロ演奏から始まって紹介とともにAaron Nevilleが登場。相変わらずの巨体ではありますが、3年前よりもやせて見えました。最初の一声でウルウルとくる独特の高音ヴォイス。片耳を手で抑えて歌い上げる姿も良いです。ゆったり目の曲中心で、有名曲も取り上げているようでしたが、自分は聞いたことあるかも、、くらいで知らない曲がほとんどでしたが堪能しました。唯一タイトル名までちゃんと知っている「Everybody Plays The Fool」はフジでもやってくれましたが、今回もあってうれしかったです。演奏ソロはサックスとギターに与えられていて、インストのみの曲があったりも。Charles Nevilleのサックスは低音ばっちしの太さがあってかっこ良い。終盤の方ではギターと向き合った形でソロフレーズを輪唱のように吹き、弾きまくる展開があって盛り上がりました。ライブ本編終了後、スタンディングオーベイションで拍手があり、そのままアンコールへ。そこで「Amazing Grace」をしっとりと。あのふるえるような声がすーっと空に向かって舞い上がるような感覚が最高でした。
 
 Aaron Nevilleを知ったのは自分が初めて見たNFL(アメリカのアメフトプロリーグ)の試合である、第24回スーパーボウル(1990年)での国歌斉唱でした。スーパーボウルの国歌と言えば翌年のWhitney Houstonの方が有名(当時湾岸戦争でアメリカ国歌団結を示す象徴的な扱いをされた)ですが、自分にとってはスーパーボウルを最初に見た時のAaron Nevilleの方が印象に残っています。2006年の第40回目でも歌っていますね。この時は前年ニューオーリンズに訪れた台風被害の復興象徴としてAretha Franklin、Dr. Johnとともに担いました。

author:de nudge, category:live(Blue Note,Cotton Club,Billboard,etc), 19:20
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2012/05/12 Metamorphose SPRING 12 at 幕張メッセ
 去年台風で中止になったメタモルフォーゼで出演予定だったメンバー中心にこの春に再度開催されました。場所は室内の幕張メッセ。ライブステージとDJステージに分かれていて、ライブステージは朝から夜九時くらいまで、DJステージは翌朝までという長丁場。自分はライブステージにかぶりつき、朝10時半から夜10時くらいまでの滞在でした。
 
 フェスでは珍しく1組のライブ時間が1時間15分〜30分と長め。見たのが6組なのでかなり疲れましたね。。携帯についている歩数計も3万歩以上でここまではフジロックなどの移動しまくりのフェスでも行かない数字な気がします。最初の2組は見たことありますが、他は全て初見でした。
 
 Ebo Taylor & Afrobeat Academy
 去年のメタモ中止に伴い急遽Liquid Roomで行われたライブで見て以来2回目になります。ガーナの大ベテランアフロビートミュージシャンでバンドメンバーはおそらくその時と変わらずのギター、ベース、パーカッション、ドラム、サックス、トランペット、キーボードという編成。朝一からアフロビート良いですねー、かなり高齢なEbo Taylorはメンバーがソロを取っている時に時折よっこいしょと座り込んでいたりするものの、元気いっぱいにギター弾いて歌って踊ります。ラスト前の曲がファンキーなベースとキーボード音から始まって、サックス、ドラムソロときて早めのアフロビートにつなげる長尺曲でかなりうかれましたねー。
 
 Omar Rodriguez-Lopez Group
 THE MARS VOLTAのギターOmar Rodriguez-Lopezが率いるバンド。いろんな形態で日本にやってきてくれますね。この夏にはフジロックで再結成の形になるAt the drive-in名義でもやってきます。Omar Rodriguez-Lopez Groupとして見るのは2回目で前回は2007年のフジロック以来。その時のメンバーはTHE MARS VOLTAのメンバー全員+キーボードにMoney Markという編成だったかと思いますが、今回はシンプル編成。メンバーはTHE MARS VOLTAのベースとドラムを率いた3人編成、、ってこの3人だと2010年フジロックでVATO NEGROと全く一緒。VATO NEGROはベースJuan Aldereteが率いているバンドという違いからですが、この辺のメンバーの組み方やバンド名を変えることでスタイルや主導者を分けるというのはジャズのバンドがよくやりますね。最初の方の曲ではOmarがギター弾きまくりで、中盤からキーボード音と自身が歌う曲を織り込んできました。THE MARS VOLTAでは他の演奏者がフリーキーにいろんな音やリズムを鳴らして、そこをベースががっつりとしたリズムキープを見せますが、このバンドではドラムも(THE MARS VOLTAに比べればですが)抑制の効いたリズムでの演奏に聞こえました。ブレイクも時折入って、この辺は楽曲に忠実に演奏している感がありました。ラストの方3曲では「…カントリーガール」(とたぶん言っていた)と紹介された女性ボーカルがゲストで現れて歌っていました。そんなにうまいと感じさせるものは無いのですが、けだるく低い声は好みです。ラストは3人に戻ってギターギンギンのインスト曲で締めました。
 
 Gorillaz Sound System
 BlurのボーカルDamon Albahnが確か結成したグループで、アルバムごとにいろんなゲストを入れて曲を作り上げるという形で進めていると思うのですが、アルバム聞いたことなく、ライブをどんな形態でやるのかなと興味深々でした。メンバーはPCなど機械から音出しする人、MCとパーカッションを務める人、ドラムの3人編成で、Damon Albahn自体はいません。ステージの前に薄いスクリーンが張られ、そこに映像が映し出されます。メンバーはシルエット越しになりますが、スクリーンがかなり薄いのでメンバーの姿は割合ちゃんと見えます。このライブが思いの他おもしろかったです。特に前半はかなり熱中して聞きましたね。スクリーンに映るアニメのキャラが歌っているように見える形で音が流れ、そこにリズムを膨らませるようにパーカッションとドラムが音を加えるのですが、これがかなり良い。特にドラムの跳ねる感じで叩くいろんなビートは魅力的、ドラムンベース、4つ打ち、ヒップホップなどリズムは曲によっていろいろ変わるのですが、きちんと対応し、またドラムの出番が無い時は、持ち場から離れ踊り、スクリーンの横からひょっこり現れ客を煽ったり、シンバル置いて叩きまくったりと魅せまくりです。アニメだけではなく実写の映像も織り込んでいましたが、アニメの映像の方が独自性があっておもしろいです。後半は踊れるものの前半のカラフル過ぎる展開に慣れてしまったことで若干単調に感じてしまったりしまいましたが、完成度の高いライブを堪能しました。また音源聞いてから見たいですね。でっかい野外で見てもおもしろいかもしれません。
 
 Galaxy 2 Galaxy
 アメリカ・デトロイトにてUR(Underground Resistance)とう名の元活動しているMad Mikeが率いるテクノバンド。メンバーはPC/MC、キーボード×3、サックス、ベース、ドラム、DJという編成。全編にジャズ色が濃ゆいテクノを鳴らします。一曲目のベースのゴリゴリ感が違和感あってそれがなんかキレイな音の中で目立っていて良い感じ。心地よいキーボード音やリズム音に体を揺らしながらサックスのソロやMCの煽りを楽しみました。途中DJステージでのDJが終わったMoodymanの飛び入り(渋い声でお客を煽る)もあり盛り上げます。全般にMCは日本への愛情をたっぷりと示すもので恐縮してしまうほど。真ん中辺りではステージを暗くして震災への復興を祈って作った楽曲を演奏。デトロイトと日本をつなぐ映像が流されそこに心が無になるような落ち着いたテクノ曲が流されました。ラストでは自分でも知っている楽曲「Jaguar」「HI-TECH JAZZ」と連続で演奏し大盛り上がり。「Jaguar」はA HUNDRED BIRDS ORCHESTRAが演奏するバージョンでは聞いたことあります。A HUNDRED BIRDSのゴージャスなアレンジとは違い、本家ではシンプルにメロディを聞かせるものでこれはこれで良いですね。「HI-TECH JAZZ」の演奏で大団円を迎えた後は淡々と突っ走るリズムに乗せて「We are」「UR」のコール&レスポンスを繰り返して終了。
 
 Orbital
 PhilとPaulのHartnoll兄弟が演奏するベテランテクノユニット。確か一回解散して再結成しているはずですが、かなりの人気ですね。会場が満タンです。つるつるの頭に2つの小型ライトをバンドを巻いて現れた兄弟はものすごいたくさんの機材をあれこれといじりながらテクノ曲を鳴らします。メジャー感漂う楽曲が多く、曲知らない自分にも乗りやすいものが多かったですね。2曲目辺りではBelinda Carlisleの「Heaven Is a Place on Earth」を思いっきり使った楽曲を演奏していて意外さにびっくり。その曲の中にはOpus IIIの「It's A Fine Day」もほんのりと組み込んでいたような気がしたのですが、気のせいですかね。楽しかったですが、ちゃんと音源聞いてからまたライブ聞きたいなーと思いました。
 
 The Flaming Lips
 ライブステージのトリになります。アメリカの歌心あるロックを演奏するバンドで、派手なライブをやることは聞いていましたが、事前イメージを越えるものでビックリしました。まず最初の登場からして派手。スクリーンにアニメで裸の女性が映し出され、その子宮から4人のメンバーが登場(スクリーンの真ん中が入り口になっていてそこから出てくる)してきます。その4人が演奏を始めると、もう一人のメンバーでボーカルのWayne Coyneがでっかい風船の中に入って客席に突入し、お客に担ぎ上げられながらあちこちを回ります。さらに色とりどりの風船が大量に投げ込まれ、大量の紙ふぶきがこれでもかと撒き散らされます。Wayne Coyneはステージに戻って風船から出て歌い始めます。ステージ脇ではコスプレのかっこした人達が踊り、ステージには紙ふぶきがずっと撒き散らされたまま。歌っている途中でスタッフからWayne Coyneに向かって風船が投げつけられ、それをタイミングよくギターをぶつけて割ると中に入っている紙ふぶきが体に降りかかるという。メンバーはボーカル、ギター、パーカッション、ベース、ドラムの5人。ボーカル、ギター、パーカッションの3人は曲によりギター、キーボードなど持ち替えます。アレンジも凝っていて歌とともに聞かせますね。これはすごいライブだなーと感動したのですが、こんなライブを毎回やっているのでしょうか?準備だけでも大変だなーと思うのですが。。あとこれって野外で出来るんですかね?去年台風で中止になったMetamorphoseは野外だったのですが、そこにThe Flaming Lipsも登場予定でした。屋内でもかたづけが大変そうなのに、屋外となるとさらに大変そう。。
 
 ライブステージ終了後、DJステージのDerrick Mayをちょっとだけ聞いて帰りました。DJステージはちょい音が小さく感じたのですが、仕方無しなのでしょうか。Joris Voornとか聞きたかったのですが、体が持たず諦め。朝イチから翌朝までい続けるお客さんはどれだけいたんですかねー。

author:de nudge, category:festival(Others室内), 10:43
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2012/05/03 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(渋さ知らズオーケストラ) at 東京国際フォーラムC
 前述のyanokamiのライブを見終わった後に有楽町に移動して、フランスでやっているクラシックの音楽祭のコンセプトを日本に持ってきたというフェスティバルへ行きました。通常のフェスと違い、1本当たりのライブについてお金を払う形式。ライブ時間を短くしてその分格安でクラシックを楽しんでもらおうという趣向。自分は見るのは4年ぶり3回目になりますが、ちゃんとしたクラシックのオーケストラと呼べるものは1回目の時に見ただけ。2回目はRenagedesというトリニダード・トバゴのスティールパンバンドがクラシックを演奏するというライブ、今回もジャズを中心とした音楽を繰り広げるお祭りバンドである渋さ知らズオーケストラがクラシック曲を演奏するという変わった企画になります。21時45分スタートというものすごく遅い時間の始まりでした。
 
 日本ならず世界のあちこちのフェスにも呼ばれている渋さ知らズオーケストラですが、日本でもロックフェスのみならず、渚音楽祭のようなダンスもののフェス、東京JAZZのジャズフェスに加えて今回のクラシックフェスと、ここまでいろんなタイプのフェスに呼ばれているバンドは無いのではないでしょうか。先週行ったあらばきフェスにも出演していたのですが、到着遅れて間に合わなかったのが悔やまれます。あらばきではチョビ渋という北海道中心の子供達で組んだバンドのメンバーと一緒にやっていたようですが、そのメンバー達と一緒に東京にも来て、このフェスなどにも出演していたようです。このライブは大人たちだけの出演。
 
 開始直後は、ふんどしに着物の上部分だけをはおったいつもの姿で渡部真一が登場。通常のクラシックとは違うことを念入りにおもしろおかしく説明してから(我々は大衆芸能なので、、と)他のメンバーが登場。管楽器隊10人くらい、パーカッション、ベース×2、ドラム×2、ピアノ、ギター×2、バイオリン、ボーカル×2、映像を映すVJ×2、そして指揮を執る不破大輔に加えて、ダンサーが15人くらい。いつものバナナを振り乱したりするメンバー(おかまちっくな人が一人増えています)やゴージャスなカッコをして踊る女性二人、白塗りのかっこをしてヘンテコな踊りをする人達に加えて、パンダの気ぐるみを着てかわいらしくステップ踏む人やゾンビっぽいかっこで踊る人達なんかも登場します。
 
 今回のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのテーマは、「サクル・リュス」というロシアのクラシックになっており、渋さ知らズもそれに沿ったもの。クラシック曲が豪快に鳴らされます。音はいつもの渋さ知らズなのでおもしろいですね。曲は自分でも聞いたことあるなーという曲がちょこちょこと出てきました。ロシア民謡の「一週間」は渡部真一がかなり適当な歌詞で熱唱。局面局面でピアノとボーカルのシンプルな演奏やテルミン、小道具を使ったパーカッション、音のデカイギターなども織り込まれ、曲の展開に効果的に使われます。全般にかなりストーリー仕立てになっていてダンサーが踊りながら迫真の演技を繰り広げます。セリフがあるわけでもなく、ちゃんとしたストーリーになっているものでは無いですが、その迫真の踊りが音の展開と合っていて、夢中で見ました。特にリハーサルしているわけでもないとおもわれる面々ですが、乱暴ながら交響曲と言えるいろんな展開をきちんと描き出していてすごいなーと。
 
 そして、予定の1時間を演奏し切った後、よく我々のようなバンドを呼んでくれたチャレンジだったでしょうと主催者に感謝のコメントを伝えた後に、ここで終わらせられるかーと渋さ知らズの「We are Fisherman's band」と「本田工務店のテーマ」を。観客も立ち上がって熱狂します。「本田工務店のテーマ」ではクラシック曲の一節も織り込んだアレンジで聞かせます。そして観客席で見ていたチョビ渋のメンバーもステージに乗っかって踊ります。ステージ上には50人以上いるでしょうか。この不思議な感動は渋さ知らズを見る時に毎度味わえるものではあるのですが、すごいですね。北海道からやってきた子供達が仙台と東京で演奏して、こうやってライブを楽しんだりしているのを見ていい思い出になるだろうなーと。
 
 非常に楽しかった1時間半でした。いつもの渋さ知らズと違った曲を楽しめたのも良かったです。が、通常のクラシックを聞いている人達でたまたまこのライブを見に来られた方がどう思うかは、、ドン引きしていたりするかもしれませんね。ただ客席全般は見ている限りほとんどの人達が楽しんでいるように見えました。
 
author:de nudge, category:festival(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン), 14:19
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2012/05/03 TOKYO M.A.P.S(yanokami) at 六本木ヒルズアリーナ
 J-WAVEと六本木ヒルズがゴールデンウィークに毎年主催しているそうな2日間に渡るイベントTOKYO M.A.P.S。去年に引き続きです。今回は初日のトリだけ見ました。毎年変わるオーガナイザーがラインアップを決めていくフリーライブイベントです。今年のオーガナイザーは矢野顕子。初日トリはyanokamiでした。

 会場は人の山々でものすごい混みよう。会場の中に入るのは諦めて、会場上方にある階段から覗き込むように見ました。矢野顕子とrei harakamiの2人ユニットであるyanokamiのライブを見るのは5年ぶりになりますね。rei harakamiは「どこかへ行ってしまった」ので矢野顕子一人のパフォーマンスになります。ステージ脇にいるスタッフがrei harakamiのトラックを流してそれに合わせてキーボードを弾き歌う矢野顕子。rei harakamiに思い入れがある自分としては、その音だけでウルウルと来てしまうほど。ライブという場でまだ聞けるのは感謝ですね。

 セットには去年出したyanokamiのアルバムが中心で「遠くは近い」から3曲「Don't Speculate」「Ruby Tuesday」「瞳を閉じて」。外にも矢野顕子の持ち歌でrei harakamiトラックバージョンの「David」やくるりのカバー「ばらの花」などなど。途中2曲とアンコールではコンテンポラリーダンサーの森下真樹が加わった演奏。ステージの外に飛び出してのあちこちを駆け巡る踊りを披露。途中ソロコーナーもあり、食べ物の成分名に合わせて決まった振りをして、それを早めたり止めたりとユニーク。アンコールの「気球にのって」のさよならーさよならーの部分で矢野顕子と森下真樹が向かい合って手を振る様がいい感じでした。

author:de nudge, category:live(六本木ヒルズアリーナ), 18:04
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2012/04/29 あらばきロックフェス at エコキャンプみちのく
 2年ぶり5回目の参加となる、宮城県のロックフェスティバル。2日間行われる2日目に行ってきました。行けることが確定したのが1週間前だったので、そこから宿探し。ゴールデンウィークということもあるのでしょうけど、探すのに難儀しました。探し出した最初はあきらめようかなと思ったほど。寝坊して7時前に家を出発。着いたのは11時15分くらいと結構時間かかりましたね。

 大きいキャンプ場に6ステージあります。フェスではなるべくそれぞれのステージを回るように行動計画を練るのですが、今回は1日だけの参加で見たいものを優先させると難しいので、奥の方にある大きめなステージの陸奥と荒吐を諦めました。天気も良く例年より夜も冷え込まない天気で快適でした。桜も開花が遅れたようでいつもは散っているのですが、今年は残っていましたね。

 見たのは、Alex Lukashevsky→レキシ→THE GROOVERS×佐藤タイジ→TOKYO No.1 SOUL SET→EGO-WRAPPIN' and THE GOSSIP OF JAXX→チャットモンチー→THE GREAT PEACE 10 SONGS "RESPECT FOR 忌野清志郎"→CINEMA dub MONKS with 欧州楽団 でした。それぞれに簡単な感想を。


 Alex Lukashevsky
 カナダからやってきた男性シンガソングライター。女性コーラス二人を連れてのパフォーマンス。ハワイ音楽なテイストも盛り込みつつ、ゆるやかな歌を聞かせます。三人でもハーモニーもいい感じ。演奏していた磐越ステージでは客席のはるか向こうに雪がかかった山々が見えており、その風景をたたえつつ、ラストに山登りの歌を歌っていました。

 レキシ
 元SUPER BUTTER DOGのキーボード池田貴史のソロユニット。本人は小型キーボードを弾く時もありますが、基本ボーカル専念でバックにギター、ベース、ドラム、キーボードを従えた編成。歴史にちなんだ歌詞を軽妙なファンク音楽で歌います、声もいい感じ。聞き始めは内輪受けノリに若干ついていけなかったのですが、徐々におもしろいなと思うようになりました。「縄文土器、弥生土器、どっちが好きー」なんて歌詞をみんなで大合唱するシチュエーションは冷静に考えると相当おかしい、でも楽しいという。

 THE GROOVERS×佐藤タイジ
 2曲目あたりから聞きました。ギター、ベース、ドラムの男性3人バンドで活動20年になるベテランバンドで初めて見ます。ゲストでTHEATRE BROOKの佐藤タイジが3曲ほど入る形。佐藤タイジはこのバンド以外にもこの日2組出演していて、働き者。バンド名の通りのグルーヴ感あるギターに、ミドルテンポ中心ながらボトムしっかりしたリズム隊で、かっこよい演奏を楽しみました。THEATRE BROOKとも付き合いが長いそうで、ともに「ボーカルを首にした」歴史を持つバンドらしいです。。真ん中辺りでやった曲でかなりかっこよいのがあったなーと。

 TOKYO No.1 SOUL SET
 2曲目あたりから聞きました。ラップ、ボーカル/ギター、DJの男性3人ヒップホップグループでこちらも20年近く活動しているのでは無いでしょうか。デビュー初めの方に出していた「黄昏'95〜太陽の季節」は当時大好きで何度も聞いていましたねー。ライブはサポートにベース、パーカッション、ギター(木暮晋也)が加わった形。ライブ見るの初めてですが、思っていたよりロックでアッパーな感じでしたね。もっとクールに振舞ったライブなのかなーと思っていたのですが。

 EGO-WRAPPIN' and THE GOSSIP OF JAXX
 あらばき唯一の屋内テントステージである花笠ステージに行きます。今までよりスペースがかなり広くなっていますね。それでもギュウギュウな中、2年ぶり6回目となるEGO-WRAPPIN'を脇の方ながら一番前で見ました。過去曲からロック色強めを満遍なく散りばめた圧巻のステージ。力強すぎるボーカルと昭和歌謡、スカ、ロックを貪欲に飲み込んだアレンジでめちゃめちゃ楽しかったです。「BIG NOISE FROM WINNETK〜黒アリのマーチングバンド〜」では、タンタンという手拍手をお客にさせるところからバンドメンバーがいろんなリズムを加えるという出だしで、演奏に加わった感があって良かったですね。
 
 チャットモンチー
 花笠ステージに留まって一番前の場所をキープしつつ、チャットモンチーを続けて見ました。2人組になって2回目になります。前回見たCOUNTDOWNJAPANでの演奏が本当に素晴らしく、今回も楽しみにしていました。ライブスタートではいきなり福岡晃子がベースを持ってギュイーンと鳴らしてソロ演奏。そこから橋本絵莉子が入ってきてなんとドラムを演奏し歌います。2人組になっていろいろ楽器を持ち替えして演奏しているチャットモンチーですが、橋本絵莉子がドラムを演奏するのは始めてではないでしょうか。いきなりしびれました。ドラムの感じと曲調がThe White Stripesっぽいなーと思ったのですが、後から知るところで、実際カバーだったよう(The White Stripesの「Blue Orchid」)。そこから福岡晃子はベースをリフをジャカジャーンと弾いてサンプリングしてループ音をキープさせた状態でベースを置いて、ドラムに位置します。橋本絵莉子はギターを手にして「東京ハチミツオーケストラ」。その後の曲はギターとドラムの編成で新曲中心にやっていました。旧曲も一曲あって「さよならGood bye」。この曲好きでうれしかったですね。アレンジも2人用になっていて、シンバルの細かい刻みなどはいい感じ。ラストはCOUNTDOWNJAPANでも同様の新曲。福岡晃子はスタンドドラムで叩き、ギターはサンプリングさせたものをループさせて橋本絵莉子はボーカル専念。途中でドラムを二人で乱れ打つという展開で素晴らしかったです。ライブ演奏が安定していた3人組時代より今の2人体制の方がスリリングでおもしろいですね。まさしく今味わうべきものといった印象でした。今後演奏が安定していって、それはそれでおもしろくなるのかもしれませんが。

 THE GREAT PEACE 10 SONGS "RESPECT FOR 忌野清志郎"
 忌野清志郎の曲をいろんなミュージシャンが入れ替わり立ち代わり歌う形態のショー。キーボードにDr.kyOn(BO GUMBO3)とエマーソン北村(THEATRE BROOK)、ギターに佐藤タイジ(THEATRE BROOK)、ベースにTOKIE(unkie,LOSALIOS)、ドラムに宮川剛、コーラスにLeyonaとうつみようこという豪華なメンバーで箱バンをやり、10曲をゲストが1曲ずつ歌うのですが、増子直純&上原子友康(怒髪天)、田中和将(GRAPEVINE)、曽我部恵一、泉谷しげる、中納良恵&森雅樹(EGO-WRAPPIN')、鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)、Leyona、上江洌清作(MONGOL800)、KUMI&NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)が入って歌っていきました。田中和将はGRAPEVINEで聞かせる声とは違い、忌野清志郎のものまねテイストで似てましたねー、意外な声でびっくりしました。泉谷しげるは割り当てられた曲「いい事ばかりありゃしない」じゃなくて「い・け・な・いルージュマジック」が歌いたかったんだよーと叫び、「泉谷さんから奪っちゃいましたー」と「い・け・な・いルージュマジック」を実際に歌ったLOVE PSYCHEDELICOの時に乱入してくるという、芸と呼べるお馴染みの光景。。4半世紀も前のテレビでも乱入して歌う番組を見た記憶がありますが変わってないですねー。ラストはそれまでのメンバー全員に加えて、奥田民生、宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))、TATSU(レピッシュ)、浜崎貴司(FLYING KIDS)も入って「雨上がりの夜空に」の大合唱。

 CINEMA dub MONKS with 欧州楽団
 2年前にあらばきで見て以来のCINEMA dub MONKS。曽我大穂(ハーモニカ/フルート/ウクレレ/機械)とガンジー西垣(ウッドベース/ピアニカ)の2人組で、前回はサポートメンバーにギター(カセットコンロスのワダマコト)が加わった編成でしたが、今回は欧州楽団と称した、2人のVJ、チェロ奏者、パーカッションの4人が加わった形。ヨーロッパから来たメンバーとこの後日本各地でライブを行うよう。VJは映像にフィルム(っていうんでしたっけ?学校の発表とかでも使った透明なもの)をかぶせてそこに生で絵の具を塗っていく様をステージ後ろのスクリーンに映し出すという趣向。そこに映画音楽的ないろんな風景が浮かび上がるインスト音楽を演奏します。パーカッション奏者はかなり変わった楽器を使用していてでっかい木魚を水が入ったたらいに浮かべてポカポカと叩く水木魚?(勝手に命名)と、同じくらいでかい半円の金属製のもの(こちらは金木魚と勝手に命名)を使っていてかなり興味深かったです。この編成による効果で前回見たときよりもリズム面が強調されていて聞きやすかったですが、曲の感じは前回の方が好みだったかも。端正と呼べるじんわり音を重ねる独自な世界はすごいもので今回も良かったです。タンゴのリズムで演奏されるものは、それまでの楽曲とは違う印象でおもしろかったです。前回はお客がかなり少なかったですが、今回は結構集まっていて、終了後拍手もずーっと続いていてアンコールの声がかかるほど。


 ライブ終了後、仙台の宿に泊まって、翌日は福島に行きました。霊山(リョウゼンと読む)に行きたかったのですが、車を持たない自分には交通手段が限られて、もうちょっと早めに行かないと戻ってこれなさそうと分かって断念。代わりに花見山といういろんな花が植えられた山とあづま総合運動公園に行って来ました。花見山はいろんな花が咲き乱れているのですが、花びらが小さなものを集めているので、全体で見ても落ち着いた感じ。あづま総合運動公園は桜が散っていく光景をあちこちで味わえて、それが道路全体に埋まっていて非常にキレイでした。あづま総合運動公園へは本当はジョギングしに行ったつもりだったのですが、宿にジャージを忘れていってしまったので断念、散歩に切り替えました。ものすごく大きい公園でジョギングするのは楽しそうです。施設も整っていて着替える場所、ロッカー、シャワーも揃っています。公共の施設なので料金も安く、今度福島に来たときはちゃんと走ろうと思いました。マラソン大会もあるみたいなので、それに参加するのも良いかもしれませんね。

author:de nudge, category:festival(Arabaki), 13:53
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