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2011/11/19 KAIKOO POPWAVE FESTIVAL at 渋谷O-EAST , duo Music Exchangeなど
 DJ BAKU主催の音楽祭。春の開催予定が震災による延期で秋開催になりました。場所は渋谷O-EAST , duo Music Exchangeなどライブハウスがひしめきあっている渋谷の道玄坂、円山町近辺10会場ほどの同時開催。
 
 前日調子に乗って朝まで働いていてしまって、寝ていないまま昼過ぎから参加。爆音のバンドですら、途中立ち寝してしまうほど、眠くてあまり気合入れて見れなかったのがくやまれます。。また、小さな会場はしょっちゅう入場制限にかかっていて、入退場に時間かかったりと行く気が起こらず、滞在のほとんどを広い会場のO-EAST , duo Music Exchangeで過ごしました。タイムテーブル上見たいものがかぶりすぎていて、どう動くか難儀していたので、そういった割り切りができたのは良かったかも。
 
 フルで見たのは、Wrench、U-zhaan×rei harakami、sleepy.ab、TURTLE ISLAND、つまみくい的に見たのがnego、NUMB、YOLS IN THE SKY、NINGEN OK。あと、小さな会場に入り込んでちょろっと見たバンドがありましたが、開始3分くらいでその世界に全くついていけずに、外に出てしまいました(名前書きませんが)。。他のお客もちょこちょこと抜けていたので、そういったバンドは逆に珍しいなーと。
 
 前述の通り、フラフラ状態で見たのでそれほど長い感想は書けません。。トピック的に記憶に残っているものをパラパラと。
 
 U-zhaan×rei harakamiは半年前に見て以来2回目。rei harakamiが亡くなってからは初めてになります。U-zhaanはサンプラーを使ってrei harakamiの曲をバックにタブラを叩きまくっていました。yanokamiの矢野顕子もそうですが、rei harakamiが亡くなってからもこの名義でライブを続けてくれるというのはうれしいですね。使命感みたいなものも感じます。「川越ランデヴー」ではイルリメが、「愛燦燦」ではクラムボンの原田郁子がゲストに入って歌ってました。
 
 TURTLE ISLANDは初めて見ました。お祭りバンドとして名前を聞いたことありましたが、なるほどのすごさ。3人のドラム(内2人は立ちながらでフルのドラムセットでは無い)が和太鼓的なトライバルビートを叩いて、そこに竹笛(?正確な名前不明。お正月の光景によく出てくる横にして吹くやつ)と小さな鐘(こちらもお正月の光景以下略)を演奏する人が和な音を増幅させて、そこにギター×2、ベース、サックス、ボーカルが入り込んでくると、パンクになるという不思議な世界。メロディーが分かりやすい親しみやすい(のもパンクっぽさに拍車かけてる)のが多く、特に最後の曲は相当に高揚しました。2階席から見ていたのですが、1階客席のお客達の暴れっぷりはすごかったです。あれだけの人数が体をぶつけあい、ダイブしまくりって見るのもひさびさかも。そこまで暴れるのにふさわしい音かな、という疎外感はちょいありましたが、楽しいライブであることは間違い無しでした。
 
 YOLZ IN THE SKY、NINGEN OKは15分くらいずつ見ただけですが、ともに強烈な印象受けました。ベースとドラムがうねうねとした反復リズムを出して、そこにキュイーンとなる変音ギターが鳴り、挙動不振な動きで踊りながら、ハイトーンボイスで歌うボーカルと、一聴しただけではまってしまう独特な世界のYOLZ IN THE SKY。翌日以降もその音がぐるぐると頭の中で駆け巡っていて、くせになる世界ですね。
 
 キーボード、ギター、ドラムの変則編成で、BATTLESばりの固く手数の多いドラムを中心に情熱のこもったインスト曲を聞かせるNINGEN OKは、U-zhaan×rei harakamiの待ちになっていたお客さんの喝采を浴びていました。ラストのギターとドラムのバトルの気合の入った表情は聞くお客を熱くさせましたねー。

author:de nudge, category:festival(Kaikoo Popwave), 15:54
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2011/11/13 VANISHING POINT at 渋谷WWW
 OTOTOYというレーベルが企画したライブイベント。渋谷スペイン坂にあった映画館をライブハウスに変えたWWWという所は初めて来ました。映画館の傾斜を残しているので、後ろでも見やすい段差ありです。15時過ぎから23時くらいまでの長丁場。メインとなるステージと、バーがある小さなラウンジでのライブがほぼ交互に続く形式で行われます。
 
 名前を聞いたことあるかな、、くらいであまり知らないアーチストが多かったのですが、バラエティが豊か過ぎるラインアップで相当にこゆい混沌としたイベントでしたね。楽しかったです。
 
 まずは強い印象に残った3組を。
 
 メインステージのトップバッターを務めたのがBiSという女性4人組のアイドルユニット。名前も初めて知りました。ステージ前方ではBiSのTシャツを着た熱心なファンが体をウォームアップしながら待機しています。ライブ開始して、カラオケバックに歌う(口パクだったかな?)のですが、ギターがギュインギュインなるロック色が強いアレンジでそこに結構良い感じのメロディがはまります。木村カエラやPUFFYあたりの傾向といったら良いでしょうか。ピコピコ音なアレンジの曲もありましたが、ロック色の方で押していって欲しいですねー。そして何よりすごかったのはファンの人達。20人弱だったかと思いますが、BiSのメンバーの振り付けに感動的なほど合った応援になっています。BiSが左右に動けば一緒に動き、中央前方にソロで歌う人が出てくればみんなで上半身を柵からせりだしてステージに手を指し伸べていきと素晴らしい。時にはBiSを全く見ずにサークルモッシュをやったりといろいろ変化が合ってそれも含めてのBiSのパフォーマンスを味わいました。BiS自身もステージせましと動き回り、客をあおりといい感じ。マイクは中央からコードがつながっているものだったので、時にはからまったりしているのですが、懸命に直しつつ踊ったりとその奮闘ぶりに妙に感動してしまいました。ダンス自体はもうちょい個性あるものが好きかなと思ってしまいましたが、楽曲が良いものが多い印象で、特に最後の曲は目がウルウル(なぜか)きてしまったくらい良かったです。
 
 ラウンジの方の3番手で出てきたのが青葉市子。クラシックギターを手に歌う女性シンガーソングライターで、去年のフジロックで見て以来の2回目になります。おっとりした口調でお客を座らせ、「おしりが冷たくなるからこれどうぞ」とノートのページを切って、前方のお客に配ってました。紙一枚ではあまり変わらないかな、、と思ってしまった妙な気配りがおもしろかったです。フジロックでのライブで気に入ってすぐにCD買ったのですが、ライブはそれ以来見る機会が合わなく、1年たってしまいましたね。指で丁寧にはじくクラシックギターの音色に高音確かなボーカルが載ります。2曲目にやった「日時計」という曲はこの組み合わせを最大限に生かしている印象で、アコースティックギターでは実現できない世界と言って良いかなと。翌日から3枚目のアルバムレコーディングに入るそうで、新曲も2,3曲やっていましたが、それはアコースティックの手触りなアレンジが多かった気がします。ギター音色が目立たない分メロディはかなり良い感じで響いていました。
 
 メインステージのトリを務めたのが、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団。関西の方を拠点に活動されている方々だそう。ギター/ボーカルを務める奇妙礼太郎に、キーボード、パーカッション/ウォッシュボード、ベース、ドラム、管楽器隊4名という編成。ジャズなビックバンドスタイルを取りつつ、そこからはずれたアコースティックなアレンジの曲も多かったです。最初の2曲はいかにもジャズビックバンドスタイルな楽曲で、奇妙礼太郎が独特な声でゴキゲンだなー、いい感じではありましたが、それほどはまりませんでした。ただ3曲目で「このイベントはOTOTOYというところが、、」「おととい何食べたっけなー」と歌い始めたところからかなしげになるギターにしっとりと合わせたバンド音ががっちりと組み合い、サビの「ウォウウォウイエー」というのが心の叫びとなって伝わるところまでの世界観にはまりました。詞の世界とアレンジと声がフィッシュマンズかというような印象も持った曲で素晴らしかったです。そこからはのめりこみました。カバーも何曲かあり、「オー・シャンゼリゼ」なんてみんなで歌ったりして楽しい。ふらふら自由に振舞う奇妙礼太郎の声は進めば進むほどはまっていきました。最後の方では忌野清志郎の声とだぶったりも。アンコールで歌った「サントワマミー」の日本語詞カバーまで飛び出して一層その思いは強くなっていきました。バンドメンバー退場した後ひょっこり出てきて、もう一曲。病気を背負った妹がいるけど、何にもできずゲームセンターに入り浸って、ケンカして、警察にやっかいになった少年Aを切々と歌います。笑顔でひょっこり入って音を重ねるドラム(この時はパーカッション叩く)とベースのサポートも良いです。「少年Aはボクだったかもしれない」というフレーズでこの日のイベントが終了しました。余韻もいい感じでしたね。
 
 その他はスミマセン、見たアーチストの感想を簡単に。いずれも個性豊かでした。
 
 TRIPMENは、男性二人のデジロックとヒップホップを元気いっぱいに繰り広げるユニット。ライブ最初に先日無くなられたHeavy Dのヒット曲Heavy D & the Boyz「Now That We Found Love」の一節を流して元気いっぱいに踊っていたのが印象的です。
 
 Limited Express (has gone?)は、女性ベース、男性ギター、男性ドラムという編成で笑顔のハードコアな演奏を繰り広げるバンドだった印象でした。フロント二人が替わる替わる(女性ボーカルの比率が高かったか)歌うのですが、演奏は一糸乱れずて、でかい音と息の合ったやり取りを楽しみました。
 
 Open Reel Ensembleは、半年前に見て以来2回目。いくつものオープンリールを巧みに使ったパフォーマンスは見た目に楽しい。ただ、音源だけで聞くとどうなのかしら?とふと思ったりも。音源自体もオープンリールで売っているらしく(再生機持っている人って…、と思いきや買うと別途音源ファイルダウンロードできるよう)、こだわりですねー。
 
 漁港は、漁師のかっこをした男性二人組で曰く「フィッシュテクノユニット」だそう。。PCから出すいろんな音源をバックに二人で魚についての歌を次から次に歌います。笑いましたねー。漁師はされていないようですが、浦安の市場で実際に働いていらっしゃる方だそうで、MC聞いてもなかなかに熱い方。東北にライブハウスを作るための募金活動などもされており、ライブの最後の方にまぐろの頭(ホンモノ!)を取り出して、曲に合わせて解体するというショーをしていました。それをオークションにかけて(3000円で落札、たぶん通常ならありえない安値と思われる)、募金に当てていました。そういえば高校生の時に浦安の市場でごはん食べた記憶がうっすらと。
 
 サカモト教授は、頭にファミコンをのっけて、そこにゲームカセットを差し込むとそのゲームで流れていた音楽をキーボードで完コピするという技を繰り出します。ファミスタとかグラディウスとか、そうだったそうだったと懐かしい気持ちになる曲がありましたねー。昔のゲームは音のバリエーションが無い中工夫して聞かせる音楽を作ってたんだなーと改めて思わせられたパフォーマンスでした。
 
 world's end girlfriend & BLACK HOLE CARNIVALは、全員男性でギター×2、ドラム×2、サックスという珍しい編成。PCやらなんかの機材から流す音に生の楽器を重ねていく演奏スタイルという印象。かわいらしい音から轟音・ノイズまで映像もからまった黒とかグレーとかの色がはまる世界。ドラムのお一人はJimanicaでした。あの肩をクルクルと回しながら叩くスタイルは独特のものがありますね。

author:de nudge, category:live(渋谷WWW,WWW X), 12:50
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2011/11/05 ROVO×SYSTEM 7 at 渋谷O-EAST
 日本の人力トランスロックバンドROVOとイギリスのテクノトランスユニットSYSTEM 7の共演ライブ。前回SYSTEM 7を見た時にROVOの勝井祐二がゲストに入ってセッションしていたりするので、その辺から今回の企画につながっていったのでしょうか。ROVOは毎年この時期にLiquid Roomでライブやっているのですが、今年はより広いO-EASTでのライブです。
 
 事前に3時間半はやるという予告がされていました。昼間ジョギングしたこともあり、ややまったり目で見ます。上から客席を見ると、踊りまくりのところと傍観者モードのエリアがまだら模様に見えておもしろい。初めはROVO。「SUKHNA」、新曲、「SINO+ DUB」、新曲という4曲で1時間。新曲2つは今年に入ってからずっと続けていますね。「SUKHNA」はひさびさな気がします。ドラム2人も今回良く見える位置なので、新曲でのドラムのかけあいも良く分かりました。岡部洋一がタムを叩くときにダブがかけられているのも、視覚と聴覚が合わさって認識されるとまた違う味わいがありますね。まったり見るつもりが徐々に体も動いてしまいました。
 
 続いてROVOの楽器からステージ後方に置かれている機材でSYSTEM 7のライブスタートです。去年UNITで見た時は前目でがっつり見すぎたこともあるのか、音自体にはまることが無かったのですが、今回ははまりました、良かったですねー。シンプルにドクドクなるリズムにトランシーなシンセがまぶされて、そこにゆがんだギターが重なる音で一時間。ギター以外は特段に個性ある音では無い気がするのですが、これらが組み合わさるとSYSTEM 7ならではになるのが不思議。ROVOに引き続きVJを担当する迫田悠の映像もがっつりはまっていました。O-EASTはステージが横に広いので、後ろの壁も幅広く、そこにいっぱいに映像が広がっています。日比谷野音でもそうですが、映像が映される面積が広ければ広いほど迫田悠の本領が発揮されるような。Steve Hillageのギターも前回見たときよりも弾きまくりだった気がします。相当なベテランのお二人で、日本にもしょっちゅう(毎年2,3回は来ている気が)来られているのですが、これだけの人を踊らせ続けることは驚異的と言ってよいような。
 
 そして、ROVOとSYSTEM 7が組んだ演奏を。即興ではなくがっつりとリハーサルをした楽曲の演奏です。CDにも出していたSYSTEM 7「Hinotori」、ROVO「Eclipse」、後アンコール含めて2曲でした。「Hinotori」「Eclipse」はSYSTEM 7が出す音をベースにROVOの音が徐々に加わってそして侵食してROVOベースの音になって、そこにSYSTEM 7の音がほんのりと加わる感じでした。「Hinotori」では最初の方でスクリーンいっぱいに火の鳥の映像が映し出されてきたのも上がりましたねー。Steve Hillageはステージ前方に出てきてギター弾いてたりすることもありましたね、SYSTEM 7との対比で改めてROVOはロック要素満載なんだなーと思ったのですが、Steve Hillageもその乗りに感化されたと言って良いでしょうか。本編ラストの曲はギター×2、ベース、エレクトリックバイオリンがユニゾンで弾くフレーズから始まるおもしろいもの、アンコールは最初から最後までSYSTEM 7の音に乗っかった短めのダンスものの曲でしたねー、いずれも楽しかったです。
 
 ライブ終了後、演奏者皆さん揃ってご挨拶。イギリス式のフレンドリーなやり取りになんか染まってしまった、ギター山本精一がハイテンションに投げキッスしたり肩組んだりしている姿に受けました。この日の移動は自転車で、昼間走って、ライブで踊ってだったので、かなり運動しましたね。携帯についている万歩計機能を見たら26000歩程度でした。それでもお腹があまりすかない、体重減らないという悲しさ。。

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 12:32
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2011/11/03 JAMAICA JAZZ featuring ERNEST RANGLIN, MONTY ALEXANDER and SLY & ROBBIE at 丸の内COTTON CLUB
 スカの大ベテランギタリストERNEST RANGLIN、ジャズピアニストMONTY ALEXANDER、最強のレゲエリズムセクションSLY & ROBBIEが組んだユニットのライブ。SLY & ROBBIEを見るのは2回目。前回はUKソウルのボーカルBitty McLeanと組んだものでした。日本のポップソングをカバーしたアルバムも確か出しているはずで、いろんな方面に活躍されている方々ですね。
 
 SLY & ROBBIEのレゲエベースのリズムをベースにギターとピアノがレゲエとジャズのフレーズを自在に織り込む印象。Sly Dunbarは真っ赤なヘルメットとつなぎを着て登場。時にヘルメットを叩いたりするおちゃめな面もありながら強力すぎるレゲエドラムを叩きます。特に3曲目辺りのドラム叩きっぷりはすごかった、スコーンと抜けるスネアの音も気持ち良いです。Robbie Shakespearは曲により立ったり座ったりしながら巨体を揺らして悠然とベースを弾きます。前回は歌っていたりもしましたが、今回は無し。
 
 ERNEST RANGLINは終始にこやかにギターをつまびきます。スカ由来ということはライブ見終わって、今これ書いている時にネットで見て知ったのですが、スカ要素のリフは無かったような。このバンドの中では一番音が引っ込んでいる印象でしたが、ソロのフレーズなんかも心地良かったです。MONTY ALEXANDERはアクションが大きく、メンバーとのコンタクトを取りながらピアノを弾きます。アクション大きく弾くのですが、ピアノ音自体はやさしい印象のもの。曲によってはピアニカ吹いたり、歌ったりも。歌はほんのちょっとだけ聞かせたくらいですが、渋めの良いボーカルでした。
 
 この日はジョギングしてビール飲んだ後にライブを見たので、ぐでんぐでんの状態でした。そんな中でこの音に触れられたのはそれはそれで幸せでしたが、もうちょっと頭をスッキリさせた状態で聞いた方が良かったかな、と少しの後悔。。

author:de nudge, category:live(Blue Note,Cotton Club,Billboard,etc), 11:27
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2011/10/30 Jim O'Rourke at 六本木superdeluxe
 数年前から日本に住んでいる、いろんな音楽を手がけているアメリカ人のソロライブ。3年ぶり2回目になります。
 
 Sonic Youthにも在籍していたこともあったり、ポストロックシーンにも色々顔を出していたりする方ですが、とにかく守備範囲広く音楽を手がけているよう。日本の映画、音楽も大好きなようでして、演歌の先生に習って歌ったりもしています(そんな映像がYoutubeに上がっていました)。
 
 前回Taico Clubで見た時はアコースティックギターを手に渋い声で歌うパフォーマンスでしたが、この日は機械のみを使った音のみでのパフォーマンス。コンクリート打ちっぱなしの会場の壁に映像が映し出され、O'Rourke自身は客席の後方で座って音出しします。客席の両脇にはセットしきれていないドラムセットとピアノが置かれ、スポットライトも浴びていますが、そこには誰もいません。
 
 映像は単調そのもの。どこかのビルの窓がところどころに光っていてそこに別の光がちらちらと映るもの、夕暮れの町にUFOみたいな物体がゆっくりと降りてくるものなど。その単調な映像と同期するように雑音やノイズ、電子音などをからませた音で明確なメロディ、リズムなどはほぼ無い状態です。大半はその世界に浸ってじっと聞いていましたが、眠ってしまったり、席をはずしてしまうお客もちらほら。
 
 そうした状態が45分ほど続いた状態で、ドラムに山本達久(NATSUMEN、teneleven、First Meeting)が現れ、ドラムのセッティングを開始します。Jim O'Rourke以外誰が出るという事前予告はされていなかったのでびっくり。その組み立てる動作を一心にお客の視線を浴びながら淡々と組み立てた後はシンバルをこするところからじんわりと音だしに加わり、細かく刻みだし、タムなどを叩くところから徐々に加速していって、音もどんどん大きなります。ここでのJim O'Rourkeの音とのシンクロ具合がすごかったです。それまでじっと耐えて(?)聞いていたからこそのカタルシスというのでしょうか。山本達久のドラムは3日前にもNATSUMENで聞いているのですが、そことはまた違う叩き方、のりやすいリズムは皆無でフリーに叩いているのですが、30分以上連打しまくりでもバラエティ豊かで飽きさせない、何か嵐が吹き荒れているようなイメージの瞬間もありました。凄いドラマーですね、近くで見ていたこともあり感動しまくりでした。
 
 最後はドラム音が消え、再びJim O'Rourkeの電子音のみなって10分くらい続いたところで終了。最後までピアノが使われなかったのがあれ?って感じでしたが、この見せ方、聞かせ方はこの人ならではなんでしょうね、なかなか味わうことは無いであろうライブでした。

author:de nudge, category:live(Super Deluxe), 07:05
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2011/10/29 MO'SOME TONEBENDER at 恵比寿Liquid Room
 ひさびさに見るMO'SOME TONEBENDER、3年ぶり8回目くらいでしょうか。主に見ているのが対バン、フェスものばかりで単独となると新宿時代のLiquid Roomでやった時以来かも。
 
 ギター、ベース、ドラムの男性3人組。初めて見たのが2001年のフジロックで、ジャンクでザラザラした感触のロックをやっていてかっこ良いなーと気に入ったのですが、そこからどんどんと音の幅を広げてきました。さらにここ3年で変化してきたようで、サポートメンバーも加わっています。
 
 普通この編成でサポートに加わるとなると、ギターかキーボードあたりになるのですが、なんとドラムです。それで元々ドラムだった藤田勇がギターに持ち帰るという。藤田勇のドラム好きなのですが、思い切った変更ですね。サポートドラムはかなり手数が多い叩きっぷりをする方でした。
 
 メンバーの位置も変わっていました。後方にドラムで、フロントに3人が並ぶ形。ステージ向かって左からギター/ボーカルの百々和宏、ベースの武井靖典、ギター/小型シンバル、タム/シンセサイザーの藤田勇。
 
 ここからは盛りだくさん過ぎる見所の中で印象に残ったものをパラパラと。1曲目はお馴染みGANG OF FOURカバーで「To Hell With Poverty」ですが、この曲でボーカルに専念する武井靖典は小型竹馬みたいなものでプロレスラーみたいなガウンを着て歌ってました。藤田勇はギターを中心に小型ドラムやシンセなんかを演奏していました。機械からの音だしも担当していたような、さらにあちこちを飛び跳ねたり寝転がったりと自由奔放に暴れまくってましたねー。知っている曲が少なくなってきましたねー。「未来は今」「GREEN & GOLD」「High」なんかはドラムが替わったことによりアレンジも違うものに。「GREEN & GOLD」は藤田勇もドラムに加わってツインで地響きのようなビートになっていました。中盤ダンスビートものの曲ではライトセーバーを振り回す武井靖典のショーもばっちし組み込まれていました。さらに途中から藤田勇もライトセーバーを持ち左右に振ります。会場のお客さんもそれに合わせて手を左右に振りますが、ばっちし振りが合っていたのが何気に見事。数少ないスローな曲の「ONE STAR」は長いインストを含めたアレンジになっていて、かなり良かったです。アンコールでは百々和宏がTシャツ脱いで上半身裸に、結構珍しいのでは。細身ですが、筋肉隆々の体にびびりました。

 こう書いていると訳が分からないライブに見えてしまいますが、実際そうで、混沌としたパフォーマンスと音からかっこよさ(と時々笑い)を堪能できるライブでしたね。
author:de nudge, category:live(Liquid Room), 11:23
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2011/10/27 NATSUMEN at 渋谷Club Quattro
 当初は新アルバム発売に伴うツアーのラストを締めるライブの予定だったのですが、アルバム発売延期で、延期残念ツアーとなってしまったよう。今回はカナダにも回ってきたようで、そのおかげかなんなのか、メンバーがMCをするようになってました。主にドラム山本達久が担当。
 
 ギター×2、ベース、ドラム、キーボード、サックス×2、トランペットという8人編成で、複雑な変拍子をユニゾンで演奏したり、暴走するリズム、高揚するメロディをごちゃまぜに組み込んで演奏するインストバンドで、見るのは8回目くらいでしょうか。お馴染みの曲から新曲までたっぷり演奏しましたね、1時間45分くらい。
 
 キーボードは脱退した蔦谷好位置に替わって(お客として見にきていました)、野村卓史。SAKE ROCKのサポートで見たことある方ですね(と言ってもあまり記憶なしですが…)。大柄な体で立ちながらキーボードを弾きまくっていました。
 
 新曲は4番目にやった長尺曲が強烈な印象でした。リズムの複雑さのみならず、曲自体の展開も複雑。そこに差し込まれるポップなフレーズやユニゾンの高揚感がたまらない。山本カブレラマン昌史は縦ベースに持ち替えてジャズ風味の展開を担い、曲の調子が変わる途中から元のベースに戻してました。
 
 既存曲では2曲目あたりにやった「Atami Free Zone」がこの日つぼでした。途中で飛び跳ねるギターのホインがかわいらしい。本編ラストはお馴染み「Natsu No Mujina」ですが、いつもはギターのみのポップなループフレーズを、管楽器隊とキーボードも加わった形で演奏していました。個人的好みはギターのみの音かなーと思いました。高らかにでかい音で弾きまくるAxSxEのギターの対比的に位置する、ホインのあやうげなギターのフレーズがつぼに入る感じ。
 
 ユニゾンでばっちし弾く展開もありながら、全般にフリーキーさが漂うこのバンドですが、一層すごくなっていってますね。特に今回は山本達久の手数の多いドラミングが強烈でした。
 
 サックス加藤雄一郎は今度矢沢永吉のライブツアーに参加するそうですが、考えてみるとギターAxSxEは木村カエラの曲に参加したり、元キーボードの蔦谷好位置はYUKIのプロデュースやエレファントカシマシのライブサポートしてたりと、NATSUMENの音楽性とはまた違ったメジャーフィールド相手に仕事してたりするんですね。活動の幅を広げて頂いて、NATSUMENの混沌さに磨きをかけていって欲しいですねー。

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 00:11
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