- 2011/04/16 U-zhaan × rei harakami、Open Reel Ensemble at 六本木superdeluxe
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2011.04.23 Saturday休日の六本木。ライブは20時からだが、18時に来てCLUB HOUSEというビアパブに行く。早い時間ということもあり、他のお客がいない中ゆったりと過ごしました。3月にオープンしたばかりのお店で開店した3日後に地震が起きて、なんとも幸先が悪いとお店の方はおっしゃっていましたが、アウグスビールやスノーブロンシュなど他では置いていないビールが飲めるし、マグロとの取り合わせも最高でおいしかったです。
酔っ払った状態でライブハウスに入ります。200人くらい入る会場は満杯。初めはOpen Reel Ensemble。先日のSonarSoundにも出ていたはずですが、自分は見ていなく今回初めて。その名の通りオープンリールを駆使して音楽を演奏するバンド。メンバーはオープンリールを扱う3人、ベース、ドラムという5人。正式メンバーはこの内2人のよう。複数台並んだオープンリールを操ったり、エレクトリックバイオリンやギター、ボーカルなどあくせくと働く3人に、リズム隊がほどよりのりを添えて、かわいらしいといえるものや気持ちの良い音を集めたといえるものでインスト曲を演奏していました。オープンリールといえば、これまでBoredomsのEYEが使用しているのが印象的ですが、今後増えていったりするんですかね。
続いてU-zhaan × rei harakami。元ASA-CHANG&巡礼のタブラ奏者と電子音楽奏者のユニット。初めはrei harakami一人が登場して2曲ほど。そこからU-zhaanが登場して「cape」「jippun」「おかし」を演奏。電子音とタブラのかみ合わせはなかなか良いですね。「cape」「おかし」はrei harakamiの楽曲で「おかし」のスピード感あるビートがタブラで増幅していて良い。「jippun」はASA-CHANG&巡礼の曲で元々アレンジをrei harakamiがしている曲。ASA-CHANG&巡礼ではやらせてもらえなかった曲だとか。
そこからrei harakamiはギターを持ち出して歌う展開に。人前で歌うことは嫌ってそうな感じでしたが、以前ustreamでの生放送でゲストの七尾旅人に促されて歌ったことがきっかけになったのか、堂々としたうたいっぷり。U-zhaanはタブラの他にASA-CHANG&巡礼でも使っていたフリューゲルホルンも吹いてフォロー。枯れた味わいのあるメロディを2曲ほど。このユニットが出来るきっかけとなった曲「川越ランデヴー」も披露。rei harakamiの電子音をバックに、U-zhaanが川越にあるごぼう屋についてポエトリーリディングをし、サビをrei harakamiが歌うという曲。サビでは手を左右に振ったりとベタなアクションをしたりも。
後半になるにつれてなんともゆるゆるグダグダした感じで進んでいきました。川越にあるうどん屋のおばちゃんからなぜかインコをもらって「そば」と名づけて飼っていた話はおもしろかったです。アンコールはrei harakamiがギターを弾きながら童謡の「一年生になったら」、電子音メインで美空ひばりの「愛燦燦」。「愛燦燦」の最初のメロディをU-zhaanのフリューゲルホルンで、2番目がrei harakamiで。こう聞いているとrei harakamiは電子音楽奏者で普段はインスト曲ばっかりですが、うたがとっても好きなんだろうな、と思いました。ライブのセットを全曲誰もが知っている歌謡曲を電子音楽とタブラのアレンジで披露してもおもしろいかもしれないですね。
- 2011/04/02,03 SonarSound Tokyo at 新木場Studio Coast
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2011.04.09 Saturdayスペイン、バルセロナで行われている電子音楽中心のイベントの東京版。過去何回か行われているようですが、自分は初めての参加。土曜日がオールナイトで、日曜は昼から行われているという変則的なスケジュール。東北地方太平洋沖地震の影響によって、キャンセルになったアーチストが続出したようですが、無事開催。主催者と出演者の方には感謝ですね。両日とも盛況。メインステージの音もよく、様々な音を堪能しました。
ステージは大小4ステージありました。自分はメインのステージ中心にふらふらと。がっつり見たのは、(初日)Ryoji Ikeda→Yoshinori Sunahara→Flying Lotus、(二日目)にせんねんもんだい→ROVO→Battles。それぞれに簡単な感想を。
Ryoji Ikeda(池田亮司)
名前も初めて知る方で、PCを用いてのパフォーマンス。映画のフィルムが立ち上がる時の音のようなバスッバスッとかジーなどの断続音を鳴らしていくのが中心。リズムもかなり不定形で踊れる音楽ではありません。後ろのスクリーンは白と黒の線や四角がいろいろ形を変えて映し出されています。演奏者の無表情さとも合わせて、モノトーンな世界で独特。よくこんな世界を作り上げたなーと。
Yoshinori Sunahara(砂原良徳)
2年前のLiquid Roomで見て以来。去年出したシングル「subliminal」と今年出す「liminal」とひさびさに音源を出してきて、ライブも楽しみにしていました。演奏した曲はそれら(たぶん)新曲と前作「Love Beat」から「earth beat」「balance」「lovebeat」「the center of gravity」を半々くらい。ライブは砂原良徳とサポートメンバー(PCからの曲出しと映像を映すVJ)の3人で。皆真っ白の防護服に身を包んでました。ひんやりとした電子音にゆったりとしたリズムを重ねるのは、「Love Beat」からの流れで変わらずですが、新作の方がリズムは多彩になっている印象。バックの映像とも合わさって素晴らしいパフォーマンス。一番印象に残っているのは、真っ黒な地球に、各都市が(おそらく)人口に応じた光のタワーを空に伸ばしている絵を俯瞰して映しているかのような映像でした。
Flying Lotus
震災の影響で海外組が無事来るか懸念されていて、事実キャンセルが多かったのですが、その中で早々になにがあっても行くと宣言していた、Flying Lotus。2年前のelectraglide以来、見るのは3回目になりますね。前回までは一人でのパフォーマンスでしたが、今回は3人組。キーボード奏者(翌日ソロで出演していたDorian Concept)とベース奏者を従えて、本人はいろんな機械を操って音出しします。なんと胸と背中に「亀」と書かれた孫悟空の衣装を着て登場。この日のパフォーマンスはすごかったです。ジャズとヒップホップ、サンプリングされたボーカルなどをいろんなブレイクビーツに混ぜ込んで独特の音楽を作り上げるのですが、その混沌さに心奪われます。前半はキーボードやベースが生音になったことによるオシャレ度が高いジャズっぽいところが印象に残っていて、後半にかけてどんどん踊れるビートを重ねてくると展開も素晴らしい。機械音に対する生音のかませ方が素晴らしく、本人の肉声も合わさって相当に盛り上がりました。本編終了後にみんなで「かーめーはーめーはー」と合唱してアンコールに入ったのも良かったです。
にせんねんもんだい
この日は14時から開催されていたのですが、16時に到着。Seefeelというバンドに替わっての出演らしく、前日に知りました。去年の渋谷LUSHで見て以来8回目くらいになります。ギター、ベース、ドラムでミニマルなノイズを重ねるかっこ良いインストロックを演奏する3人組です。最初にやった曲は新曲でしょうか、ベースとドラムが重ねるリズムをバックにいつもギターを演奏する高田正子はキーボードを弾きます。ハイハットの刻みに個性は感じますが、この辺の楽曲が体になじむのはまだ先かな、という印象。そこから「想像する ねじ」「ミラーボール」「ikkyokume」と続けて3曲。ギターで奏でる細かいフレーズをその場でサンプリングさせて重ねて展開する先の2曲と、豪快にギター、ベース、ドラムがはじけるラストの曲と素晴らしい。特に「ikkyokume」は曲の構成もすごく、最後高らかに鳴るギターまで聞かせますねー。
ROVO
おなじみROVOで数え切れないほど見ています。Studio Coastで見るのは3回目。ギター、エレクトリックバイオリン、キーボード、ベース、ドラム×2でダンスミュージックを演奏するバンドですが、今回も素晴らしい。最初にアルバム「RAVO」から「TANGER」「ECLIPSE」の2曲演奏して、続いての2曲は新曲でした。スワンプロックみたいなギター(めちゃかっこよい)を中心にミドルテンポのリズムで展開するROVOには珍しいかなと思える曲と、単音のキーボードに切れの良いダンスビートが鳴らされて、途中ミニマルなキーボード音に他の楽器がユニゾンで合わせたり離れたりしながら皆を踊させる曲といずれも良い。混みこみで踊るまではいかないですが、のめりこみました。
Battles
2年前のelectraglide以来、見るのは6回目になるBattles。去年Tyondai Braxtonが脱退して以来3人組になって見るのは初めてになります。キーボード/ギター、ギター/ベース、ドラムの3人組。真ん中前線にやたらシンバルの位置が高いドラムが位置するのは変わらず、その両脇に2人が位置します。electraglideの時にやったかなという曲はありましたが、旧曲をTyondai Braxton抜きでアレンジしなおすのではなく、新曲のみできました。キレの良いパワフルなJohn Stanierのドラムを軸に、どこかさびしげなフレーズが漂うキーボード音、ノイズ交じりのギターやベース、サンプリングされたボーカル(かなりポップ)と様々に聞かせました。大勢の人数をぐわーんと盛り上がてしまうような瞬間は少なく、その一音一音を固唾を飲んで聞かせる曲が多かったですね。本編ラストでやった曲がかなりかっこよかったです。
他のラインアップもちょこちょことつまみ聞きしました。その中で印象に残ったのは、DJセットながらKarl Hydeで煽ったり歌ったりしていてライブ感満載だったKarl Hyde & Darren Price (Underworld DJs) 、シュッシュッとした音でファンキーなテイストを出しているのがおもしろかったAxel Boman(アンコールCDでかけたゆったりした朝焼けの印象が漂う曲も良かった)のDJ、ざらついたファンクなテクノ曲がかっこよく、歯でフェーダーやレコードを操ったり、お子さん(ちょーかわいい)を抱き上げながらDJしたりとサービス満点だったClaude Young、PCで非常にキレイなシンセ音を鳴らして、そこに心地よいダンスビートを鳴らして躍らせていたKAITOのDJ。特にKAITOは最初の30分ほどしか今回聞いていないですが、次機会があればフルセットで聞きたいなーと思わせられるほどはまりましたねー。
- 麒麟の翼(東野 圭吾)講談社
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2011.04.01 Friday※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに
著者は本書の自炊代行業者によるデジタル化を認めておりません。
話が終了した最後のページに1行のみ、上記のように記されています。感動的なラストの次にこれを見て若干冷めてしまった自分がいたのですが、その気分はどこから生じたのか考えてみました。
まず「自炊代行業者」って言葉を何の説明もなく出してきた点。自分は知っていたのですが、まだ一般的ではないのではないでしょうか?そのような言葉を何の注意書きもなく作者の主張として入れてしまっていることに押し付けがましさを感じてしまいます。
Yahoo知恵袋にこんなページもありました。もしかすると、自分の常識がずれていてかなり世間的になじんだ言葉であれば、自分の冷めた気分は(この点において)不当なものなんですが。。
次に「認めておりません」という言葉です。こちらはお金を出して本を買っているので、「私の」所有物です。それに対して、作者とはいえ「認めておりません」という強い言葉で主張されているところに違和感を覚えます。しかも本の内側に、つまり買ってしまった後に書いているところがさらに。
と、書いてしまったのですが、その上に「自炊代行業者による」と書いてあるので、「自分で」行う分にはいくらでもどうぞなのかもしれません。でも気持ち的には「デジタル化自体本当は許すまじ」と受け取ってしまいました。これが「自分で」行う分にはどうぞどうぞなら、ここでもまた自分の冷めた気分は不当なものですね。
2点とも自分の誤解による不当なものである可能性もありつつ(もしくは誤解でなくても不当とも言えるかもしれません。単に作者の意見が書いてあって、自分が過剰に受け止めただけとも言えるので)、気持ちを表明しておきます。
法律的に「自分で」行う分にはOK、「自炊代行業者による」分はNGのようです。もちろんどちらでもデジタル化したものを他人へコピーしたりするのはNGですが。
まだ見解はいろいろあったりもして、今後裁判や法律改正で変わっていくかもしれませんが、この見解が有力のよう。
そして、上記1行の裏面には、講談社による発行日などの記載があって、そこに小さく以下のように書かれています。
本書のコピー、スキャン、デジタル化等の無断複製は著作権法上での例外を除き禁じられています。
これだけ読むと自炊ってダメじゃん、と受け取れそうですが、「自分で」行うのは例外になるようです。なんだか法律って難しいというか、こうゆう書き方がいやらしい、というか。
こうした注意書き、争いは今後いろいろ出てくると思いますが、本のデジタル化が一般に浸透するのはやがてやってくるでしょうし、そのような時に向けて不当なコピーを防いで本に関わる人達のもうけをちゃんと確保するために、法的な側面はもちろん、もうけの手段の多様化(現在でいえばドラマ化、映画化でしょうがそれだけじゃ足りないので他にもっと必要)を急いでいく必要があるのでしょうね。でも本の文化事態が無くなるわけではないでしょうし、デジタル化が進んでいる音楽業界も消えてなくなったわけではないですし、たくましく生き残っていくのではないでしょうか。技術的なプロテクトを進めていくのも一興ですが難しいでしょうね。音楽業界でもコピープロテクトをかけたCDで一時埋め尽くされてましたが、今では無くなってます。
と、ここまでが長い前置きで、以下短い本題です。本を買って読んだ後、以下の選択肢があると思うのですが、この本に対してどうしよっかなーと悩んでいます。
1.部屋に置いておく。
2.デジタル化する。
3.誰かにあげる。
4.売る。
5.捨てる。
ケースバイケースとは思いますが、上からその本に対する愛情度が高いと思っています。この本の帯には「加賀シリーズの最高傑作」と銘打たれていて、事実とっても感動して楽しめたのですが、残念ながら自分にはものすごくはまる本ではありませんでした。
人形町シリーズなら前作の「新参者」の方がおもしろかったですし、加賀恭一郎の全シリーズ(ほとんど読んでいるハズ)としては「どちらかが彼女を殺した」と「悪意」が最高で、そこにはかなわなかったかなーと思ってます。
自分は自炊セットを持っていて、2.の選択肢も可能です。今まで雑誌しかやったことなかったので、本の第一号としてやろうかなーとも思ったのですが、残念ながら3.以下の選択肢になりそうです、誠にすみません。。
と、こんなことを読者に書かせて議論を呼びたいというのが作者の狙いなのかもしれません、「悪意」で犯人が仕掛けた最大のトリックのようなものかもしれません。