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2010/10/11 WORLD BEAT 2010 at 日比谷野外音楽堂
 プランクトンが主催している2年に1度の野外音楽祭。3回目になります。自分は毎回の参加、今年はアフリカンなメンバー3組が揃いました。
 
 初めは、Justin Adams & Juldeh Camara。イギリス人のAdams(ギター)とガンビア人のCamara(リッティ)のコンビ。ライブではドラム/パーカッションのDave Smithというイギリス人の方が加わった3人編成になります。初めはフロント2人が不思議な楽器での演奏で、Adamsが渋い声で歌います。Camaraのリッティという楽器は初めて見ます。一弦のみのフィドル楽器で、その響きは好みで良いですねー。Adamsもおそらくアフリカの弦楽器だと思うのですが、楽器名分からず、Smithはカホンでサポートします。2曲目以降はAdamsはエレクトリックギターに持ち替え、渋めはブルースロック基調で展開。そこにCamaraのリッティとボーカルがいい感じで重なります。聞いていて好みかなと思ったのは、この日の3組の内ではこのバンドだったかなーという印象でした。最後の方ではCamaraがトーキングドラム、Adamsがバンデイロ(南米のタンバリン)を持って打楽器のみでの演奏が繰り広げられ、良かったですね。
 
 続いてはVictor Deme(eにはアポロストフィが付く)。ブルキナファソのシンガーソングライターという触れ込み。紹介文によると苦労人で、48歳にしてようやくブレイクしたとか。メンバーはギターを手に歌うDemeを、パーカッション、コラ、ベース、ギターの4人がサポート。コラとパーカッションの2人は兄弟のよう。コラを用いるバンドを見るのは3組目ですね。どんな楽器か、過去見たものを紹介。コチラコチラ。紹介文にはフォークという単語がありましたが、楽曲は盛り上がるようなものも結構あり、多彩な感じ。途中からはお客も立ち上がって、ダンスモードに突入。サポートのギター、トーキングドラムや球状のパーカッション(名前分からず低音でボワボワ鳴る)を操る演奏者がいい味出してました。
 
 ラストはStaff BENDA BiLiLi。コンゴのストリートで暮らす彼らが苦労しながら成り上がっていく様を撮ったドキュメンタリー映画がカンヌ国際映画祭で好評だったとかで、かなり注目を浴びているよう。今日のお客さんの大半が彼らお目当てであったようで、最初から立ち上がって歓迎します。この日MCを務めるピーターバラカンからの紹介の後、映画のダイジェストがステージ後方に流されて、メンバー登場。熱狂的に迎え入れられます。以下、前日にその映画を見たこともあって、その内容とともに彼らの演奏の感想を。
 
 メンバーはバンドの創始者のRickyを中心にボーカルを取るメンバーが4人、ギター/ボーカルを務めるCoco、サトンゲというオリジナル楽器を操るRogerという唯一の若手(19歳)、ベースのCavalier、ドラムのMontanaという8人組。最初の5人はポリオ(急性灰白髄炎)にかかっており、車椅子に座っての演奏。ラッパーを務めるKaboseは唯一杖を持って立って歌います。音はドラム(ストリートに落ちている缶などを拾って組み立てた独特のもの)とベース、ギターという3人で強力なグルーヴを生み出し、そこにサトンゲの音が空中を舞うかのように味付けされます。空き缶の底に竹をくっつけ、空き缶の上部分と竹の先に一弦を結んで、それをはじいて生み出す楽器。キュイーンとしたギターとテルミンの中間のような音が出ます。
 
 映画では、Staff BENDA BiLiLiに将来性を見出したフランス人がアルバムデビューを目指して彼らに出資する代わりにドキュメンタリーを撮らせてもらい、デビューにこぎつけるまでの5年間を描いています。その途中で映画スタッフが若干14歳のRogerを見出してバンドに紹介、加入しますが、14歳の時点でサトンゲ一本で食べていくという気概を持って生きていて、その目はまっすぐ。同年代の子供達は食べていくために盗みもやむなしだったところを、演奏で食っていくんだーという心意気を買って、Rickyはメンバーとして迎え入れます。バンドには良いアクセントになっていて大成功と言えるのではないでしょうか。彼はステージ向かって左側に位置し、バンドの演奏をにらみつつ、サトンゲをつまびき、クールな佇まい。
 
 曲はベースとドラムを除くフロント6人がメインボーカルを交互に取り、他のメンバーがコーラスを取りますが、その楽曲の良さとコーラスワーク、時にはさまれるラップというより叫び声のようなKaboseのボーカル、笑顔でダンスしながら歌う様に高揚させられます。ステージ後ろには、歌の日本語詞も映し出されますが、それも効果的。彼らの詩は自分達が暮らす現状をまっすぐに伝えるだけといえばだけなのですが、シニカルな面が一切なく、パワーにあふれてダイレクトに伝わってくるもの。
 
 アンコールでは前の2組もダンサーとして加わっての大団円。その光景は感動的でしたねー。はるかかなたの異国の地で、それぞれに困難な現状と歴史を背負ったアフリカの国々のメンバーが同じステージに集まって、ダンスする。。映画でもそうだったんですが、アフリカの方からすると、遠くの国として見えているのはヨーロッパのみのような気がするのですが、そこからはるかかなたの国で、これだけ熱狂的に迎え入れられているというのは、彼らも感慨深いものがあったんではないかなーと。
 
 今では裕福になってきちんと家に住めているであろうStaff BENDA BiLiLiのメンバーですが、映画でも今回のライブでもみんな一様におしゃれでしたね。ストリートに映えるカラフルな服はみんな似合っていました。メンバーの中にはミシンで服を作る方もいらっしゃいましたが、どこから服を買って(もしくは集めて?作って?)たんでしょうかね。

author:de nudge, category:festival(World Beat), 13:46
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2010/10/9 SYSTEM 7 , RENNIE FOSTER at 代官山UNIT
 もう60近いと思われるSteve HillageとMiquette Giraudyの2人組であるダンスユニットのSYSTEM 7のライブをメインに置いたイベント。以前、渚音楽祭で聞いたことありますが、がっつりとフルセットで聞くのは初めて。
 
 まずは、深夜12時頃からRENNIE FOSTERのDJがスタート。お名前も初めて知った方ですが、東京に住んでいらっしゃるカナダ人だとか。4つ打ちのビートに心地よいシンセ音、ラテンなパーカッションや弦楽器音をほんのりと入れている個人的つぼの曲を多くかけていて、良かったですね。ブレイクとアゲる部分の波がゆるやかで、ゆらゆらするには最高でした。12時40分あたりにかけていた高めの男性ボーカルがのっかる曲が、自分の中でこの日一番のピークでした。後半は徐々にテンポをアップさせていって、SYSTEM 7につなぎます。
 
 2時頃からSYSTEM 7登場。にこやかに機材の前にお二人が現れて、演奏開始。リズムはトランス度が高いと書いたら良いのでしょうか、シンプルで早く波打つ硬質なリズムをメインにして、そこにいろんな音をまぜこんでいきます。機械が出す音には生音っぽいものはなく、唯一の生音がSteve Hillageが時折弾くギター。かつてお二人はGONGというプログレバンドに所属されていたらしく、そこでおそらく培われたであろうゆがんだ音が効果的に曲に載ります。RENNIE FOSTERとは違い、音自体は自分の好みにばっちし合う感じでは無かったのですが、周りのすごい盛り上がりに合わせて、熱中して聞きました。1時間過ぎたところで、ゲストであるエレクトリックバイオリン奏者の(ROVOでお馴染み)勝井祐二が登場。それまでの自曲をきちんとつなげてお客を盛り上げていくというモードからセッション度が高い印象の展開になりました。ビートを抑えて目にしてエレクトリックバイオリンの音を強調させたりも。勝井祐二はいろいろな現場に飛び込んでいくという印象がある方ですが、この現場にもバッチリ溶け込んでいましたねー、その姿勢は本当に素晴らしいな、と。
 
 3時半に終了して、その後Secret CinemaのDJが始まります。音もかっこうよさげだったのですが、力つきて15分ほど聞いて帰りました。今回結構前目に行って、特にSYSTEM 7の時には自分とは縁遠そうな派手派手系なかっこをされた男子女子の方が押し寄せてきて、ちょっとビビっていたのですが、音に対しての反応が良く、熱心に聞いていたり、いい感じで踊っていたりと(過剰に体をぶつけてくる人があまりいなかった)大人な方が多かったです。またフランクに話しかけてきたりもしてくれて、人見知りの自分としては見習うところが多いなーと。それからロック系寄りのイベントと異なって、地面や階段で寝ている人がほとんどいなかったのも良かったです。
 
 ひさびさの深夜イベントだったのですが、最近仕事もこんくらいまで残ることが多く、体が慣れてしまいましたね、思いの他疲れませんでした。この日も休日出勤で、朝10時から働いて夜9時に上がって、こちらに向かったのでした。前々日の木曜から金曜にかけてもほぼ徹夜だったりと、なんかぼろぼろ。もうちょっと要領良くとか集中力高く仕事をこなして、遊びとかぼーっとする時間に当てたいと思う今日この頃。。

author:de nudge, category:live(Unit), 15:49
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