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2010/07/24 contrarede presents moonstruck at 渋谷LUSH
 contraredeというレーベルを運営しているところのライブ企画。5組が30分ほどずつのライブを行います。LUSHという会場は初めて来ます。渋谷から青山方面に行きかかる途中で裏地に入ったところにある地下1階。150人も入ればいっぱいになるくらいの広さ。
 
 5組はnenem→kuruucrew→灰汁→にせんねんもんだい→OORUTAICHIという順。にせんねんもんだい以外は初めて。
 
 nenem
 ドラム、ベース、キーボード、ギターの4人組。複雑なフレーズを織り込んだインストバンドで、自分が知っている中ではtoeに近い、でもブレイク等は使わずに、繰り返しのフレーズを積み上げていく印象。もろダブレゲエ調の曲があったりとバラエティにも飛んでいます。ドラムの方の叩きっぷりがすごい。
 
 kuruucrew
 サックス、ベース、ドラム、ギターの4人組でこちらもインストバンド。サックスが機械と組み合わせて、サックス音重ねたり、ノイズを出していく中で、残りの3人が疾走感のあるフレーズを繰り返してどんどん上昇していくような印象。最初の曲のベースが繰り返される単調なフレーズの中に時折複雑なものを入れ込んでいくのが良かったですね。2曲目の4人でのユニゾンや、ラスト3曲目の破壊的な疾走の曲も良かったです。
 
 灰汁
 2DJと1MCという珍しいスタイルのヒップホップグループ。音はヒップホップマナーに沿ったものは少なく、古い感じのジャズや、電子音の積み重ねをしたトラックが多く好み。MCの方はポエトリーリーディングとラップを入れ込みますが、そこに東北弁を入れ込むのが珍しい。東北弁ラップといえば吉幾三ですが彼のようにコミカルに聞かせるのではなく、とてもシリアスに聞かせます。声の抑揚もうまくつけられていて、またそこに音の抑揚がばっちしかみ合う。ポップなフックは一切無しですが、相当に良かったですね。冒頭のポエトリーリーディング部で語っていたのは、日本から強制送還されることになったガーナの方が、送還中に亡くなられた事件を扱ったもので、ライブ終了後にその事件の真相解明を法務省に訴える紙が配られていました。ここにリンクを張っておきます。
 
 にせんねんもんだい
 本日のお目当てで、2年ぶりに見ます。6回目くらいになりますかね。他の出演者は全員男性ですが、このバンドだけは女性バンド。ベース、ドラム、ギターの3人組で、ゴリゴリ、ミニマルなフレーズをこれでもかと重ねて突き抜けていくバンドで大好きですね。バンドの音とは似合わぬほんわかした風情なのも良く、この日は3人とも、白いちょいロリータっぽいワンピースを着てさらにパーマンですか、っていう鼻までかかる白い花柄模様も入っているヘルメットをかぶって登場。それつけて演奏できるんすか?と思っていたら、案の定楽器弾き始めたとたん、無理と分かってはずす様もおもしろい。この日演奏した曲は「想像する ねじ」と「とり」というアルバムに入っている3曲目の2曲のみ。ギターのフレーズをループさせて重ねていく「想像する ねじ」と、特に重ねないものの激しいドラムを中心にミニマルフレーズを積み重ねて爆発させる3曲目とともに魅力たっぷりでした。
 
 OORUTAICHI
 PCなどの機械を操って歌う男性お一人。どこかで名前聞いたことあるなーと思っていたら、ウリチパン郡の方だったんですね(といってもこのバンドはCD持っているだけでライブ未見)。複雑なリズムが交差するトラックから徐々に踊りやすいものに変わっていって、ドリーミーといいたくなる電子音を重ねていてそれだけでも相当おもしろい(クラブの場でも受けそう)ですが、そこに歌を重ねます。かなり高音の叫び声みたい(KIRIHITOと印象が重なる)で、沖縄っぽい独特の音階やもろレゲエスタイルなフレーズを歌っていきます。その激しく体を動かしながらのパフォーマンスを含めおもしろかったですね。
 
 世の中、ユニークでおもしろいことをやっているアーチストはたくさんいるんだなーと、改めて思った一夜でした。先週のNatsumenもそうですが、にせんねんもんだいにも外国の方がお客さんとして熱心に見ていたりして、国際都市トーキョーなんてことを思ったりも。

author:de nudge, category:live(Othersライブハウス), 13:00
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2010/07/19 勝手にしやがれ , NATSUMEN at 渋谷Club Quattro
 2組のバンドの対バン。会場には無数のミラーボールがつけられていて、開演前、セットチェンジ中のDJは中村達也(LOSALIOS等)がやっています。司会もいまして、オールバックでインチキくさいコメントがおもしろい方。なぜか「うみ」を熱唱。コメントで「『つきがのぼるしひがしずむ』ということは、夕暮れのうたなんですねー」とおっしゃられていて、あーそっかー、勝手に昼間の青い海を想像してたけどそうね、と思ったり。
 
 初めはNATSUMENで、個人的にこちらがお目当て。ギター×2、ベース、ドラム、キーボード、サックス×2、トランペットの8人組で、ハードコア、プログレ、ジャズなどの要素を交えつつ、混沌とした展開で、フリーキーに飛ばしながら、不思議な高揚感を沸き上げるインストロックバンド。この日でキーボードの蔦谷好位置が多忙のため(YUKI、Superflyなどの楽曲プロデュース、エレファントカシマシのバックバンド参加等務められているそう)脱退されるということで、どんなテンションになるのやらと思っていたのですが、かなりものすごいことになりました。
 
 1曲目からハイテンションに飛ばす「Newsummerboy」から来て、Kaikooフェスでもやっていた新曲とつなげて、「No Reason up to the Death」と来たのですが、ここの途中でギターのAxSxEが客席から一人引き上げてギターを弾かせます。AxSxEは演奏者に合図をしてブレイクとウワーと弾きまくる展開を交互に繰り返させます。いきなりギター持たされた方はすんなりバンドの中に入って弾いていたので、こちらは事前の仕込み(どなただったんでしょう)かと思います。さらに、AxSxEは蔦谷好位置と役割交代して、蔦谷好位置に合図をさせ、自らはキーボードを弾きます。蔦谷好位置は「聞いてねーぞー」といいますが、豪気に合図を出す役割を果たします。この間にはスタッフらしき方がステージに出てきて客席にダイブしたりして、もう何がなんだか。
 
 「Pills To Kill Ma August」ではAxSxEはギターをぶんまわしすぎ、2回もおかしくして別のギターと交換してました。さすがにやりすぎと感じたのか、続いての「Septemujima」では割とおとなしめに弾きますが、この日はとりわけこの曲がつぼでした。普段は音量少な目なもう一人のギターであるホインとのからみもよく、中盤あたりのしずかな箇所もかなり良かったです。ラストはお馴染みの「Natsuno Mujina」で締め。いつものAxSxEのギターぶん回し&たたきつけに加え、蔦谷好位置も最後じゃーとばかりキーボードをぶん回し&たたきつけて完全に壊してしまっていましたね。。ラストを破壊と笑顔で締めた素晴らしいライブでした。
 
 続いての勝手にしやがれは、サックス×2、トロンボーン、トランペット、ベース、ドラム、キーボードの編成でやさぐれた大人な渋めのパンクジャズバンドと言ったら良いのでしょうか。何年か前の朝霧JAMで見て以来ですが、その時の記憶があまりなく(朝霧JAMで見るライブはぐだぐだ見ることが多いので…)、がっつり見るのは初めてですかね。インストとボーカル曲が半々で、ボーカルをドラムが取るのがめずらしい。そのしわがれた声は、バンドイメージとがっつり合っていいい感じですが、どうしても歌っているときにリズムが単調になりがちに聞こえてしまうのは、致し方なしでしょうか。途中、ドラムが場を離れて、ステージ前方に立ち、ドラムレスの演奏で酔っ払った感じで歌っている曲が雰囲気あっておもしろかったですね。

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 10:39
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2010/07/11 セレぶり3 ラストステージ〜セレブは惜しまれつつ解散するものだ〜 at 新宿スペース・ゼロ
 浅見れいな、中村ゆり、野波麻帆という女優さん3人のステージ。1年ほど前にテレビ東京の深夜ドラマで、セレブに憧れつつもなりきれないルームシェア生活を送るショートコント風の「セレぶり3」というドラマを経て、その後ネット放送や、TOKYO MXテレビという地方局で「MUSICAL3」というキャラや舞台設定を変えたドラマをやっていたりと、3人でいろいろと活動してきて、その締めくくりとなる舞台。3回公演のラストの回を見ました。舞台はこれまでの人生でほとんど見たことないのですが、先月のSHA・LA・LAに引き続いて見ます。場所も偶然に同じ。
 
 舞台開演前に前説の方が登場。脚本を手がけているとおっしゃっていたような。「えー舞台で前説は普通無いのですが…」から始まって、「最初にまず3人が出てきて歌を歌います、2曲歌います、最初の曲はなんとかかんとかと歌うところで、こうゆう振り付けをして、次の曲は新曲で、、」と、まず2曲歌うところから始まるようです。
 
 いよいよ3人が登場。シルエット越しに3人の影が現れて、スクリーンが上がると水色でタイトなミニのスーツを着た3人が踊りながら歌います。いやー実際に見る3人はとってもキレイでかわいい、大感激。最初の曲は口パクでした。お客みんなで立ち上がって一緒に振り付けをするのはベタでちょい照れる感じがありますが、楽しくもあります。2曲目はラスト公演ながら新曲のようで、ここは実際に歌っていました。
 
 設定は、セレブに憧れていた3人がユニット組んで歌手デビューしたところ、あっという間に売れてしまって本当のセレブになったところからスタート。歌が終わって、楽屋に戻った3人はアドリブかセリフか判別できない会話を繰り広げます。山手線ゲームをやって勝った人がソロを歌うというコーナーがあり、自分が見た回は野波麻帆が勝って(これはあらかじめ決められていたよう。3回公演でそれぞれのソロがあったよう)、衣装チェンジに向かいます。その間に予定にあったのか不明ですが、演出家の片岡Kという陽気なおっちゃんが入ってきて、なんやかんや言います。中村ゆりに向かっては、この日公開される「恐怖」という映画の宣伝をしてあげつつ、「キムタクのドラマより出番多いよねー」と。浅見れいなに向かっては、フライデーされた(らしい)ことをネタに「魔性の女」呼ばわりしたりと、言いたい放題なのがおもしろい。着替えが終わって登場した野波麻帆は、着物を着てオリジナル演歌曲を。魚をネタにしたおもしろい歌詞でした。そして、歌がとってもうまい。
 
 野波麻帆のショーが終わった後にいよいよ、本編スタート。3人がそもそもセレブに憧れるきっかけとなった出来事をそれぞれ振り返るという趣向。ステージ後ろにあるスクリーンと、小道具のみで場面設定が行われますが、それがうまいこと転換されて、ドラマのように進んでいきます。3人のみでありとあらゆる役を演じるので、これでもかと早着替えが続きます。その転換っぷりは素晴らしい。シンプルなステージですが、ドアを開けるしぐさに合わせてギィと鳴る効果音などもタイミングばっちしで、話にものめりこみやすかったです。
 
 野波麻帆演じるジョナは、本名おたみという地味な名前に合った性格から、取材に行ったニューヨークで不思議な体験をして、ジョナという名前をさずかって、セレブを目指す決心をしたエピソード。
 
 中村ゆり演じるミチコマンは、貧乏高校生だった頃に、ライバルにあこがれの男子を取られて、セレブを目指す決心をしたエピソード。
 
 浅見れいな演じるぐっちは、友達がいないおばあちゃん子だった子どもの頃に、アンメルツを塗ると言葉を話す未来からやってきた猫に出会って、過去の世界に旅をして分かれてから、いつかその猫に会うために、セレブを目指す決心をしたエピソード。
 
 それぞれコント並みに笑いがつめこまれて、話も分かりやすく、またちょっとずつ3つのエピソードがからみあっているという脚本も良かったです。またドラマ時代のネタも随所に織り込まれていました。毎回ドラマを見ていたわけではなかったのですが、にんまりとするやり取りが多かったです。
 
 何より、3人が演じるいろいろなキャラが魅力たっぷりでした。おそらく普段のドラマや映画ではやらないであろう、ぶちきれたキャラ全開のシーンも多く、とっても素敵で笑わせてもらいました。3人のブログを見ると、舞台やドラマなど時には掛け持ちで働かれているようなハードな状況で、この舞台に向けても短い期間の中で準備をされていたようで、それを2時間以上の舞台(しかもたったの3回公演のために)をやり切ってしまうなんてすごいなーと、尊敬します。
 
 ラストはまた最初にやった2曲を振り付け付きで歌います。なんか腰から45度前に上半身を倒す振り付けをしてた時の野波麻帆のはにかんだ笑顔が一番印象的でした。
 
 これでおしまいということですが、3人それぞれに素敵に年を重ねて頂いて、いつかまた3人で揃ってドラマやこのような舞台をやって欲しいですね。かつてフジテレビでやっていた同様の3人の女性が演じるシチュエーションコメディだった、やっぱり猫が好きのように、細くながーく時折何かを見れたらいいなーと思いました。

author:de nudge, category:舞台・お笑い, 01:32
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