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2018/07/04 チャットモンチー at 日本武道館

 今月末の地元徳島での自主開催フェスで活動を「完結」する2人組チャットモンチー。最後の単独ライブとなります。自分がチャットモンチーを見る最後のライブとなります。また、先週発売したアルバム「誕生」を受けての数少ないライブでもあります。武道館は超がつくほどの満杯。ステージ裏の客席まで開放されて、そこにも人人人。2階席の立ち見含めて人が埋まり尽くされてます。自分は2階席後方でステージを横から見る位置から見ました。アンコール含め2時間半のライブは、予想以上に凝った構成でやりきった感、、というかこうくるかのやりやがった感ある素晴らしいライブでした。客層は20〜30代中心でしょうか。男女半々(若干女性多めかな)といった感です。会場周辺はチャットモンチーTシャツ着た人がものすごくそれだけでワクワク感が。感想を。
 
 

 
 ライブ全体は2部+アンコールで、1部と2部を全く違うライブセットでした。
 
 ステージはシンプルな長方形で白い幕が四方にかぶさっている状態。後方客席とステージの間には斜めに大きな「CHATMONCHY」と書かれたボードが置かれています。アルバム「誕生」の1曲目となるインスト曲「CHATMONCHY MECHA」が鳴る中、幕が開きます。ステージの上にポツンと楽器が置かれていますが、そこに2人はいません。大きなボードが2つに割れて、そこから2人が登場。大きな歓声を浴びる中、後方の客席手前の通路を左右2手に分かれて練り歩き、ステージを横から上がっていきます。
 
 楽器のセットは2017年のツアー時と同様に打ち込み+生演奏スタイルのもの。これでアルバム「誕生」からの曲を立て続けにやっていきます。キーボードのしっとりした音からタイムマシンで時空を駆け抜けていくようにスピードアップしたリズムに変化する中「ウォウォウーウォーウウォーウォー」と歌い上げていく「たったさっきから3000年までの話」、キラッと光る打ち込み音やキーボードに歪んだギターが絡む中、サビで突如ワルツのリズムになって歌っていく「the key」、今回のアルバムで個人的一番好きな曲で橋本絵莉子がジャンベ叩き、福岡晃子はキーボードや親指ピアノ使って色付けした独特なタイム感の中、サビはチャット節なメロディでしっとりと歌い上げる「裸足の街のスター」、旧メンバーの高橋久美子に作詞を依頼して作り上げた「砂鉄」と。全般に過去、現在、未来が飛び交うような印象の曲です。「裸足の街のスター」は生演奏でどうやってくるんだろう、と思っていたのですが納得のおもしろい演奏方法。ラスト部分でのピアニカの音も橋本がしっかりと吹いていて、凝っているなーと。
 
 そしてアルバム唯一ゲストのDJみそしるとMCごはんを迎えて作った「クッキング・ララ」をDJみそしるとMCごはんを呼び込んで3人でパフォーマンス。ゆるい橋本の歌とDJみそしるとMCごはんのラップに、福岡はショルダーキーボードでトラックを色付けしていくライブスタイル。ラストは後方の客席を3人で練り歩き、客席に向かって3人が順番こにコールアンドレスポンスをしていくなんてこともやってました。そしてこのバンドセットを用いてしっとりとした過去曲を2つほど。「惚たる蛍」と「染まるよ」で、静かなアレンジで広い空間に響く橋本の声を堪能。福岡はこの2曲でドラム担当するのですが余韻の無い響きで叩くフロアタムの音がいい感じ。「染まるよ」のラスト部分で橋本が歌う中、幕が降りてきます。ここで1部終了。
 
 セットチェンジがされている中、スクリーンにチャットモンチーの過去映像を年ごとに遡っていく形で映し出されます。メジャーデビュー後の2005年から2018年までのレコーディング風景、PV撮影風景、ライブのバックステージ、海外ライブでの移動風景などなど。これ見ていて、自分が最初にチャットモンチーのライブを初めて見たのが2006年のLiquid Roomだったので結構最初の活動の方から見てきたんだなーと思ったのと、ドラム高橋久美子が脱退したのが2011年で(メジャーデビュー前を入れないと)2人の活動期間の方が長いということになるんだなーと。
 
 そして2部開始です。幕降りたままスポットライトがステージに当たって、そこに指揮をする福岡のシルエットが映し出されます。そして弦楽器の音が。幕が開けると弦楽器隊6人が。これはびっくりしました。チャットモンチー初となるクラシックセット。これを最後の単独ライブでやってきますか、と。しかも、そのクラシックアレンジで歌う最初の曲が「majority blues」というのも意外。字余り気味で歌っていくブルース曲をクラシックアレンジでやるってなかなか難しいと思うのですが、これが結構はまっていました。聞きながらこれアレンジしたの世武裕子だろうなーと。3,4年くらい前チャットモンチーが「乙女団」というサポートメンバーを迎えて活動していた時のキーボード奏者であり、「おうちはどこ?」というオリジナル曲のクラシックアルバム(このアルバム大好きでよく聞いてました)を出しているという前知識あったのですぐ分かったってのはありますが、リズミカルな弦楽器の使い方がいかにも世武らしいなーと思いました。後でその旨が紹介されていました。会場で見ていた世武の姿も紹介時に映し出されていました。
 
 続いての「ウィークエンドのまぼろし」もクラシックセットでやるのは意外な曲。橋本がギロ(木でできたひょうたんみたいな形状でギザギザのところを棒でこすって音を出す楽器)、福岡がジャンベを叩いたりしてましたが、クラシックにこういった楽器を組み合わせてくるのもおもしろい。チャットモンチーと世武の3人でアイデア出し合って考えたんですかね。しっとりと聞かせた「例えば、」を歌い上げた後にメンバー紹介ありました。2人組になってからいろいろとバンド形態を変えてくる演奏スタイルなので、それごとに名前を付けているチャットモンチーですが、このスタイルは「チャットモンチー・アンサンブル」だそう。一人ずつ弦楽器隊のメンバーが紹介されます。好きな食べ物とともに紹介されていて、それを受けて橋本、福岡があだ名をつけていくものですが、「ピザ職人」とかあまりひねりがないネーミングで笑いとってました。バイオリンのお一人は須原杏(ASA-CHANG&巡礼)だったのですが、「餃子ギャル」と命名されてました。
 
 このMCをしている間にドラムセットが用意されます。そしてさらなるゲストとして3,4年前「男陣」というサポートメンバーのドラムを担当していた恒岡章(Hi-STANDARD、Cubismo Graphico Five)を呼び込みます。そしてアンサンブルメンバーとともに「東京ハチミツオーケストラ」を。これは華やかでした。そしてアンサンブルメンバーは一旦引っ込みここから初期の3ピース(ギター、ベース、ドラム)編成で数曲やります。「さよならGood bye」をやってくれたのが非常にうれしかったです。最初にライブ行ったきっかけはアルバム「耳鳴り」を聞いてはまって、これライブで見たいと思ってからなのですが、とりわけこの曲好きで初めてライブで聞けた時は感動したなーと。この曲はミドルテンポで聞かせる曲ですが、その後の3ピース編成は「どなる、でんわ、どしゃぶり」「Last Love Letter」「真夜中遊園地」はロックなノリノリの曲で会場もドカンと盛り上がります。
 
 そして本編ラストの「ハナノユメ」では再びアンサンブルメンバーが戻ります。大きな「CHATMONCHY」と書かれたボードが割れてそこに再登場するのですが、6人が戦隊モノのようなポースで再登場したのおもしろかったです。ロックにかっこよく聞かせたり、胸打つように壮大に聞かせる中、こういったなんともほんわかな場面を入れてくるのがいかにもチャットモンチー。音源ではギターで弾いているメロディを弦楽器に任せて、橋本がギターリフを重ねるアレンジのゴージャスな「ハナノユメ」は本編ラストにふさわしいものでした。
 
 アンコールも3ピースで。世に出たきっかけとなるヒット曲の「シャングリラ」、切れあるリズムに甲高い橋本の歌声がめちゃかっこよい「風吹けば恋」を繰り出します。そしてここで恒岡は退場。セットチェンジが行われる中、2人でMCをし始めます。ステージ前方に2人でちょこんと座って。最後の挨拶ということで、なんか喋り始めようとしますが、言葉になかなかなりません。「(橋本)えっちゃん、泣く寸前やろ。」となかなかしゃべろうとしない福岡がなんかしゃべろうとしますが、その福岡が泣き出します。それをなぐさめつつも、橋本も一言なんかしゃべるのがやっと。その一言ごとに大きな拍手と歓声が客席から飛び交い、無理してしゃべらなくても良いとお客からのなだめのように思わされました。
 
 セットチェンジが行われてピアノが一台。それを福岡が弾きながら最後の曲の「サラバ青春」を。「このコンサート準備していく時に、ラストにどんな感情になっているかいろいろ想像して、泣いてしまって歌えないかもしれん、とスクリーンに歌詞を出すのでみんな歌ってな。」と橋本。タイトル通りの「サラバ」と「青春」の思いがたっぷり詰め込まれた朴訥でスローな曲をお客の歌声とともに堪能。曲始まりのインスト部分では会場中のすすり泣く音と「ありがとう」の声がバラバラに行き交います。ここまでの多くのすすり泣きを聞いたのは初めてと言えるほど。ここまで自分は泣く場面はなく、ひたすらライブを楽しんでいたのですが、この会場中の「ありがとう」はやられました。ぐっと来る中、「サラバ青春」を。主に女性客がしっかりときれいな声を聞かせていて、2番は泣いてほとんど歌えなかった橋本を助けます。
 
 アルバム「誕生」のラストに収録されている「びろうど」が流れて拍手に包まれる中、2人は何回も丁寧なお辞儀をして会場を後にしました。「びろうど」は橋本の4歳になる息子さんと一緒にラララララララーと歌っている曲なのですが、チャットモンチーの「完結」の場にて子供の声とともに「生きていくのよこれからも」と歌う曲で去っていくという。
 
 ラストは感傷的になりましたが、チャットモンチーの「完結」については寂しいという思いは最初に発表された時はあまり無かったです。というのも今後も2人は音楽活動を続ける宣言をしていたので。「チャットモンチー」という名義は無くなるものの、それぞれなんかしらの活動したり、はたまた別名義で2人が一緒にやったりすることもあるんだろうなーといろいろ想像しています。
 
 自分は12年間チャットモンチー見てきていろんなモードを楽しんできましたが、その中でなんといっても2人組になったばかりのマルチに楽器を演奏+サンプリング・ループを駆使しつつも生にこだわる2012年辺りのモードは本当最高で、この時のどのライブも深く思い出に残ってます。ギター、ベース、ドラムという3ピースにこだわっていた演奏スタイルのまま、いわゆる中堅的なキャリアに入っていくところで、メンバー脱退というピンチになって、どうやっていくか悩んで、ベースの福岡が自分がドラムやると宣言して、それきっかけに2人はマルチに演奏するスタイルに移行することを決心して、鮮やかな変化を遂げました。音の新鮮さ、ソリッドさ、メロディやアレンジの多彩さなどなど、いろんなことに挑戦していく様がどれもこれもおもしろかったです。こういった経験を経て、またこれまでもそれぞれ他の活動もやってきてはいますが、本隊が無くなった状態でどんな活動をやっていくのか、(それに自分がついていけるかも含めて)楽しみにしたいと思います。
 
 

author:de nudge, category:live(日本武道館), 12:47
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