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2015/11/06 クラムボン at 日本武道館

 バンドものでは一番ライブを見ているであろう、キーボード/ボーカル、ベース/ギター、ドラムの3人組の活動20周年を記念しての武道館ライブ。ドラム伊藤大助は武道館自体に入るのも初めてとか。平日18時スタートという休み取らないと厳しい時間帯で通常は行くの諦めてしまうライブなのですが、今年の春ツアーに参加できなかったので、これに行くしかないなと早めに予定押さえていました。アリーナ席の真ん中からやや後方くらいの位置で見ます。

 ステージには円柱形のビニールのカバーみたいなのが、楽器の周りを取り囲んでいます。そこに青色の光が当てられ水族館のような雰囲気の中、ライブスタート。今年発売した「triology」に収録されている最初のインスト曲「Lightly!」からスタート。何かが始まるような鼓動を感じさせるようなキーボード音から怒涛のリズムがかぶさってくるのですが、ここのドラム音にまずビビりました。この瞬間だけでもこみ上げてくるものがありました。カバーも徐々に上がって3人の姿がはっきりと見えるようになります。その後「aqua」という曲で再びカバーが降りてきたりしてました。

 そこからは「triology」中心に過去曲をほどよく織り交ぜます。ベストヒット的な選曲じゃなくて「triology」中心だったのがうれしい。このアルバムかなり好きでしっかりとライブで聞く機会が欲しかったので。ポップにはじける「Rough & Laugh」、三々七拍子の手拍子からスタートして、かわいらしいぶっきらぼうさと絶叫さが混じる原田郁子のボーカルが良い「the 大丈夫」と続きます。

 「aqua」は古いリズムボックスを良い音で鳴らすというものをスタート地点にして作った曲だそうで、それを武道館でまんまやっているのがすごい。そんなに武道館でのライブ見たことないので違うのかもしれませんが、ここでのライブは音の多少の悪さは我慢というモードで聞かないといけないなーと思っている中で、今回は抜群の音の良さ。後でも触れますが音の出し方にこだわりが感じられ、爆音でごまかすこともせず、どういった曲の展開でも耳が痛くなることなく音小さいと思うこともない、バランス良く感じられました。

 「noir」は原田郁子とミトとの掛け合いボーカルをしっとりと聞かせる曲で、間とベースラインのかみ合い方とともに良いなーと思える曲。最初クラムボンのライブ見た時にはミトはコーラス以外で歌うことは照れると言っていたと記憶していますが、今はソロボーカルを入れ込む曲もアルバム中1,2曲は必ず入るようになってライブでもいい声だなーと感じさせるボーカルを聞かせてきますね。「アルバム中、一番難しい曲です。3人のテンパっている表情とともにお楽しみ下さい。」と宣言してやった「バタフライ」は相当に早いリズムを軸に、次々と展開が切り替わるアレンジで歌われる曲で自分のような素人が見ても大変そうだなーと思えるもの。

 「Scene 3」はアルバムの中でのハイライトとも言える曲で、MOROHAというMCとギターのラップをするデュオを全面的に組み込んでいる曲です。ゲストとして彼らとチェロで曲に参加している徳澤青弦の3人が加わります。ミトはウッドベースに持ち替えての演奏。「この武道館でこの6人で披露することを想定して作った曲」とミトが宣言していたほどの気合入った演奏で、シリアスでドラマチックなアレンジに語り口調な感じのラップがはまります。自分もこの曲を披露するとしたら、この場だろうと思っていたので聞けてうれしかったです。

 「triology」以外の曲は「シカゴ」「バイタルサイン」「波寄せて」などの定番曲もありつつ、ひさびさに聞く曲も入れていました。とりわけ「君は僕のもの」「ミラーボール」「sonor」はうれしかったですね、ジーンときました。「ミラーボール」の夕暮れの情景を描いたような歌と、ライブオリジナルな展開のアウトロー的に続くインスト部分が素晴らしい。つんのめったリズムとロックな歌がかっこ良い「バイタルサイン」は歌入りの部分で突然キーボード音が鳴らなくなるトラブルが発生して、やり直しになっちゃいますが、そこが逆にバンドとお客に火がついた感があって盛り上がりも一際でした。

 原田は福岡出身、伊藤は北海道出身、ミトは東京出身ということで、ツアー回っていると福岡と北海道は凱旋公演的な位置づけで原田と伊藤におかえりーみたいなコールをもらったりするのですが、ミトは東京なのでそういったものが今までなく若干寂しかったよう(どこかのアイドルグループで聞いたことある話題のような)。ミトは武道館近くの学校に通っていたそうで、ここ武道館を凱旋公演としていいですか?との話を受けて、原田の音頭で「おかえりー」とお客から言われてうれしそうでした。

 本編最後にやった「yet」はバンドのバックに10人くらいの弦楽器隊(徳澤青弦もメンバーの一人として入る)と菅野よう子が指揮者として加わります。菅野よう子はお名前は聞いたことある、アニメや映画方面中心に曲を手掛ける有名な作曲家、編曲家の方でどよめきが上がります。あまり人前に出て来る方では無いんですかね。天津爛漫な感じで声が山瀬まみっぽいと思いました。彼女が踊りながら弦楽器隊を指揮し、そこにクラムボンの3人が前ノリなリズムをクールに演奏しつつ、そこに冷静な意志を貫くような歌がのっかります。弦楽器隊との重なりも良くて一曲だけというのは贅沢だなーと思える素晴らしいラストでした。

 アンコールはデビューシングル曲の「はなればなれ」、「triology」収録の「Re-ある鼓動」を男女コーラスを分けてラララララーラララララララララーと歌わせます。お客の層も男女半々くらいなので、良い感じでした。そして各メンバーがそれぞれ最後の挨拶で丁寧にメンバー、スタッフ、お客への感謝を述べた後、この日会場で発売になった「Slight Slight」で締めました。なんかThe Beatlesの「Yesterday」と思いだすようなタイプのバラード曲でこのタイプは珍しいなという印象。3時間弱に渡るフルボリュームなライブをしっとりと締めつつ、かつ次の活動(来年はミニアルバム手売りツアーをやるとか)を静かに見据えた演奏が素晴らしかったです。

 おまけです。
 

 音源やライブなどで"良い音"をお客に届けようとするクラムボンですが、それが押しつけがましくなく気楽に良い音に浸ってみようよ、という姿勢がうれしいですね。正直、音の細やかな違いは分からず、普段MP3でも充分と思ってしまっている自分のような人間でも、聞いてみようかなと思えるので。

 アルバム「triology」もオーディオ用ブルーレイディスクという版を出していて、通常のCDよりも多くの情報がつまっていてブルーレイ再生機で流してテレビのスピーカーから聞くだけでも良い音と感じられますよ、ということで既にCDで買っていたのですが、こちらも買いました。特別な機器とか必要無い(買うつもりも現状無い)自分でも手出しやすいこういった企画は良いですね。
 

author:de nudge, category:live(日本武道館), 11:23
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