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2017/05/21 ロアッソ熊本 at ジェフユナイテッド千葉

【結果】
 1-1で引き分けでした。
 
【感想】
 前述の恵比寿と海浜幕張でのライブを見てから蘇我まで移動。ジェフユナイテッド千葉の本拠地、フクダ電子アリーナに向かいます。千葉の試合を生で見るのは今シーズン2回目。バックスタンドでの観戦。今年から就任したフアン・エスナイデル監督が推し進めるハイライン戦術は結果こそ伴わないものの、見てて楽しい試合ができるようになりました。浅いラインで積極的にオフサイドトラップをかける、オフサイド潜り抜けた選手のケアはGK佐藤優也がペナルティエリアも飛び出して果敢に防ぐ、攻撃はその分人数かけてサイド中心に攻め込むというスタイルは構築できてきた感あります。
 
 このスタイル導入は比較的うまくいっていると思うのですが、いかんせんゴールが奪えない。(この試合含む)15節終了時点でのシュート数はJ2で1位、ただ決定力が無くチーム得点数は10位。守備に関しては元々リスクあり過ぎなスタイルな割には被シュートが中位くらいの10位で、被失点がさらに下位の14位なのは仕方ないでしょうね。シーズン開始時は3-5-2でしたが最近は4-3-3にしているようです。この日はGK佐藤、DFが右から山本真希、岡野、近藤、キムボムヨン、アンカーの位置に熊谷、インサイドMFにアランダと高橋、3トップは右から船山、指宿、清武という布陣。3トップは清武と船山が左右ワイドに張って、中盤のインサイドMFとサイドバックを使いながら攻めあがる形で、ハイラインとも併せ持って1990年代ズデネク・ゼーマン監督が率いていた頃のラツィオ(イタリアのリーグ)を思い出します。ゼーマン監督のスタイルが大好きでそれと似たスタイルのサッカーが生で、しかも応援しているチームで見れるのがうれしい。
 
 対する熊本はオーソドックスな中盤台形の4-4-2。熊本はシンプルな3ラインをキープして複数人数でボール保持している選手を囲ってボール奪い2トップに当てて中盤が攻めあがるもの。2トップの内の1人は常にアンカーの熊谷をケアして守備してました。
 
 試合開始10分くらいは熊本優勢。中央のFWがシンプルにはたいてサイドに展開する攻めが機能して千葉陣内に押し込みます。そこを耐えてからは千葉優位になります。キム、高橋、清武の左サイドの推進力高く前線にボール運ぶようになっていきました。右サイドは船山のトラップミスなんかでうまくいかない場面あったりと不調。高橋はキムと清武の間でうまいことバランス取れた動きをして2人の上がりをサポートしていました。自分自身でも前線に飛び込むような変化付けた動きが少なかったのが少々物足りないかなと思いつつ、堅実な役割を求められているのでしょうか。
 
 もう1人のインサイトMFのアランダは自在な動き。熊谷をフォローするかのような守備を見せたかと思いきや、前線への飛び込みもしたりしてボールを活性化させてました。アンカーの熊谷はセンターバックの一つ前中央にほぼ常に位置しており、スペースを作らせないようにしていました。ボールさばきについては左右に散らすショート、ロングのパスで時折うまく展開させていました。ただ、周りがあまり見えていないのか、あっさりとボール取られてピンチ招いていたりとか、後ろからボール追いかけても全然追いつけない(センターバックの2人より足が遅いような…)とか、縦パスの少なさとか物足りない動きも目立ちます。
 
 前半は千葉優勢のまま0-0で終了。右サイドの動きが不満なのか、後半開始時点で2人交代。船山に替えて菅嶋、アランダに替えて町田を投入します。その2人のコンビで右サイドを切り込む動きを見せて良いムード、、と思いきやあっさりと熊本に先制点を許します。ボールが守備ラインの後ろにこぼれたところを、千葉の守備ラインより前にいた熊本FWのグスタボが拾ってゴール前に突進、シュートを突き刺します。副審がオフサイドの旗を上げていたので、ミスジャッジだと千葉の選手が猛抗議しますが認められません。後で映像見たら千葉の選手の清武がキックしたのが後ろに流れたので主審の判断が正しく、オフサイドではないですね。千葉応援団のブーイングもすごかったですが、会場のスクリーンにその映像流しておけば誤解が解けたのになーと思いました。
 
 ここから千葉が一層ギアを上げて攻めたてます。右サイドバックの山本に替えてFWラリベイを投入。菅嶋が右ウィングバックに入って、町田を左ウィングバックに位置させた3-5-2的なフォーメーションを使ったりして、2トップへなんとかボールを運ぼうとします。必死に守る熊本の守備を破ったのは80分過ぎ。左サイドの町田が浮き球をペナルティエリア内の指宿へ通します。センターバックを背負いながらボールをキープした指宿は、右横にボールを少しドリブルした後にすばやく右足を振りぬき強烈なグランダーシュートを突き刺します。身長が197cmと巨漢な指宿は体格を生かしたボールキープに優れていて、かつ1対1も積極的に仕掛ける姿勢が良いですね。
 
 その後も千葉は攻めますが、残念ながら点取れずそのまま終了しました。現時点で13位と下位の方になっていますがJ2は混戦状態で、まだ1位との勝ち点は10しか差が無いので挽回するチャンスはあります。千葉がJ2に落ちてから苦手としている夏にこれから入るのですが、このチームでどうなるか。良いなと思うのはここまで長期離脱する選手がいないこと。ケガで何試合か休む選手はいても数ヶ月離脱という選手はいないと思われます。コンディショニングがうまくいっているのであれば、ここからは期待持てると思っています。
 
 なんとしても得点力を上げたいところですが、現段階ではいろんな選手の組み合わせを試している段階で、最適なメンバー組み合わせがいつ見いだせるか。指宿を使うのであればもうちょっとシンプルに彼にグラウンダーのパスを通してキープさせて、中央前線に他選手が上がってからんでいく攻撃を見せても良いような、今はちょっとサイド攻撃にこだわり過ぎな感じがあります。あと、コーナーキックでショートコーナーを何回もやっていましたが、やりすぎな感じがありました。熊本守備陣も読んだ動きをしていて、守りやすかったと思います。
 
 と、もっと順位を上げて欲しいなーと思いつつ、ちょっぴり正直に言うとこのサッカーが見れるのがまず何より楽しい、少なくともJ2になってから一番見てて楽しいサッカーをしているので成績が伴わなくても良いかも、、と思って見てしまっている自分もいます。何よりGK佐藤の動きを見ているだけでめちゃ楽しい。かつてラツィオで活躍したマルケジャーニを思い出すようなパフォーマンスが生で見れるだけで興奮します。

 

author:de nudge, category:Jリーグ, 23:18
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