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冬空トランス(長沢樹) 角川書店
※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに

 二月、僕は動画投稿サイト『ムーヴチューン』で、ひとつの才能を発見した。

 撮影に当たって、僕と秋帆はグーグルマップで、真英学園の立地とその周辺を事前に確認していた。


 小説などに出て来る有名人、会社名、国名などは実名の場合と、実名をもじった架空の名前を使うパターンがありますが、似た種類なのに混在している珍しいパターンの記述がありました。言うまでもなく『ムーブチューン』はYouTubeから、『グーグルマップ』は本当に存在するアプリ名ですね。この2つのアプリは同じ会社が提供しているサービスなので、『グーグルマップ』も本当は別の名前にしたかったんだけど、思いつかなかったのかなーと。

 『ガーグルマップ』『ゲーグルマップ」などだといまいちなんのことやらですもんね。その点「チュー」という語感の印象が強いのでYouTubeはいくらでももじれそうです。「世界の果てまでイッテQ!」というテレビ番組でのロッチ中岡が出演する人気コーナーも「QTube」と名付けていて、一発でYouTubeのもじりと分かりますし。『ムーヴチューン』という単語はシリーズ本となるこの本の前作にも出て来るので、そちらの整合を優先させたんでしょうね。

 この本は樋口真由という高校生が探偵役に活躍するシリーズの3作目。今回は一つの本に中編が3話入っています(2話目は長編といっても良いかも)。前の2作の登場人物もたくさん出て来ます。最初の作品「消失グラデーション」がどんな話かすっかり忘れていたので、あれ?誰だっけ、この人?とつまずいてしまったので、軽く読み返して思い出してから、この本に戻ったりしました。

 「消失グラデーション」はいろんなタイプの高校生が登場して人の印象をミスリードさせていき、事件の真相が明らかになる段階でその人物像を明確にする叙述トリックもの、次作の「夏服パースペクティヴ」は(その叙述トリックは一発しか使えないこともあるのか)スタイルを変えて、そのいろんなタイプの登場人物のがちんこなやり取りを前半に、ミステリタイプな推理ものを後半にという比較的分けた構成にしていて、この本も後者のタイプを継続しています。

 主役の樋口真由始め、特に「夏服パースペクティヴ」に出て来る登場人物のほとんどが「自分以外はみんなバカ」と思っていそうなプライドの高い人物でその丁々発止なやり取りは、本読む限りでは楽しめますが、実際にこんな場面に遭遇したら疲れるだろーなーと。まあ、なんにも秀でたところがなく、常に世間の影を歩んでいるような自分はこういった(プライド高く才能あふれる)方々と関わることはそもそも無いってのはありますが。

 そして、そういった人物の心境がいまいち理解できないってのもありますが、凡人だとそういった発想は無いなーと思ったのが次の文。

 「わたしがロケハンの時、不用意に窓を開けなかったら、(…人物名は省略…)もこんな邪なことは考えなかったかもしれない」


 学校でミュージックビデオの撮影するところで事件が起きて、それを解決したところでの探偵役樋口のコメントです。自分の行為が事件を誘導してしまったことを後悔するコメントなのですが、素人からすると、そんな細かいことより、そもそも(樋口自身が企画した)学校でのミュージックビデオの撮影という行為そのものを後悔するんじゃないかなーと、特に学校に無許可で撮影を行っていて、忍び込む形になっている、きちんと許可を得て誰かの目が入る形があれば、この犯行トリックを行うことは不可能だったはずなので。

 犯罪を明らかにする探偵役をやりつつ、逮捕されてもおかしくないような暴力を振るったりする場面があるので、自分が考える正義、論理というところに沿わずミスとして認識したのが、この窓の鍵を閉め忘れたという行為なんでしょうね。想像するのが少々難しいですが。

author:de nudge, category:読書妄想文, 11:04
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海街diary 2 真昼の月(吉田秋生) 小学館
※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに
 

 今年の春頃に買って、夢中になった漫画。現在5巻まで発売されています。鎌倉を舞台にした4姉妹中心の物語。

 以下、時系列ですけど散文的に書きます。いつも以上にとっちらかった文章ですみません。

 【記憶の片隅 その一】
 去年、「ブラックバラエティ」という番組で出川哲朗とモーニング娘。の工藤遥が対決とデートする企画があり、おもしろくて笑いました。当時モーニング娘。のメンバーは名前をすぐ忘れてしまっていたのですが(遅まきながら先月はまって、今はメンバー全員分かります)、12歳で少年っぽいイメージだったことだけ覚えていました。熊や蛇などの動物やデヴィ夫人などのおばあちゃん、年齢差4倍(当時出川哲朗48歳、工藤遥12歳)もある子供を相手にしても全て対等に向かい合い、笑いに昇華できる出川哲朗はほんとうにすごいなーと感心した記憶が強かったです。


 【出会い】
 今年の3月中旬、「めざましテレビ」という番組でマンガ大賞2013の特集をしており、担当の松尾翠アナが相当の漫画・アニメ好きで、事前の選考会で目を爛々とさせて(いい表情)多くの候補作から海街diaryを押しており、見事大賞に選ばれてへーとなったところで知りました。すぐには買わなかったので、舞台が鎌倉ということも忘れていました。記憶の片隅に。


 【記憶の片隅 その二】
 今年の3月下旬、「モヤモヤさまぁ〜ず2」という番組で大江麻理子アナのラストの回があり、その回で鎌倉をぶらぶらしていました。そういえば、小学生以来行ってないなーと、ぼけーっと見ながら思ってたり。


 【記憶の片隅 その三】
 今年の4月中旬、丸一日ヒマで、せっかくだからどっか出かけよう、ひさびさにハイキングでも、と探して鎌倉の天園ハイキングコースを歩きました。北鎌倉駅から建長寺、大平山を経て鎌倉宮へ2時間半程度。道がいくつか分かれているところもあり、少し迷ったりしましたが、木々に囲まれた道、草が生い茂った狭い道、岩道、大平山から見る絶景など楽しみました。


 【購入】
 上記ハイキングの数日後、Kindleをいじっていて、海街diaryを見つけ、そういえば「めざましテレビ」で紹介していたなーとクリックして購入。読んだらドはまりしました。外でビール飲みながら、目をウルウルさせて読むという気持ち悪いおじさん状態に。。モヤさまやハイキングで行った記憶がよみがえり、この漫画読んでから、それぞれ望めば良かったー、とこの一ヶ月に急に訪れた鎌倉ブームに浸っていました。鎌倉のいろんなスポットで繰り広げられる人と人とのやり取りが、一個一個素敵。


 【感想と妄想】
 いっぱいいいシーンがあるのですが、仕事の内容やちょっとしたエピソードにへーそうなんだ、と感心することがあります。自分がもの知らずなだけかもしれませんが。。いいシーンは多くで語られていると思うので、ちょいとへーと思ったやり取りを取り上げます。一番上の姉である香田幸と末っ子の浅野すずとの会話。

 
 「梅の実いっぱいとれるかなー」
 「その前に虫よけしなきゃ」
 「虫よけ?」
 「そっケムシがつくから。今年はあんたも手伝うのよ」
 「えー!?」
 「えーじゃありません。とーぜんです」
 「虫よけってなにするの?」
 「炭から作った消毒薬を葉っぱに吹きつけるの。食べものだから強い薬使えないでしょ」
 


 農薬などの薬って実ではなく葉っぱに吹きかけるんですね。考えてみれば当たり前なのかもしれませんが、漠然と実でも葉っぱでも幹にも万遍なく吹きかけるものだと思っていました。こちらのページを見た時に、上記のシーンを思い出して、取り上げました。
 http://d.hatena.ne.jp/doramao/20130619/1371611793

 【さらなる妄想】
 もしも映像化するならば、、みたいなどーでも良い妄想をしてしまいました。
  香田幸 :浅見れいな
  香田佳乃:森カンナ
  香田千佳:福田彩乃
  浅野すず:工藤遥(モーニング娘。)

 福田彩乃以外は年齢的にもはまるかなと。香田千佳が一番想像が難しく、女優もやっているお笑いさんということで当てはめてみました。

 特に漫画読んでいた時に、浅野すずのイメージに工藤遥ぴったりなんじゃないかなーと、思いました。髪型が同じってのもありますが、心を閉ざしていた山形時代と、少しずつ心を開いて成長していく鎌倉時代両方とも雰囲気的にいける、撮るなら今だなーと。

author:de nudge, category:読書妄想文, 11:26
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桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ) 集英社
※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに


 前回書いた天下の険というフェスの初日が中止になり、宿でゴロゴロしている時に読んだ本。以前王様のブランチというテレビ番組でこの作者の方が出ていた時に、なんとなくKindleでクリックして買ったものの手つかずだった本。とある高校の何人かの生徒がそれぞれの章ごとに主役となって描かれる物語。行きのバスから読み進めていたのですが、その途中でおっとなる記述に当たりました。沢島亜矢という生徒の章。

 
 私は一瞬だけ外した右耳のイヤホンを元に戻し、二人ぼっちに慣れようか、と歌うチャットモンチーのかわいくてロックな世界に戻る。  

 
 反応の遅いMP3プレイヤーがやっとチャットモンチーにたどり着いてくれて、はっきり言って努力は嫌いさ、はっきり言って人は人だね、とえっちゃんがソーダの泡みたいな声で歌いだす。  


 最初の引用は「恋の煙」、その次は「風吹けば恋」の歌詞が使われていますね。読みながらMP3プレイヤーで音楽聞いていたので、すばやくそれぞれの曲に切り替えてと、うーん便利だなー、いい時代と思ったり。

 他にも実際のミュージシャンや映画の話が出て来るのですが、こうゆうのを見ると、どの辺の時代設定で物語を描いているのかしら、とちょい気になっちゃいますね。他に出て来るミュージシャンはaikoやラッドウィンプス。映画は「ジョゼと虎と魚たち」など。aikoは活動歴長すぎるので考えるのは難しい。ラッドウィンプスと「ジョゼと虎と魚たち」は名前聞いたことあるだけでいつ頃か分からなくて、ネットで調べると2003年以降になるよう。そこまで調べて、、あっそうか「風吹けば恋」の発売が2008年なんで、2008年かと。2008年というと、作者ご自身がまさしく高校生の頃(17歳前後)になりますね。


 ここからさらに読んでいた時に浮かんだ疑問を調べて、うーんぎりぎりはまるかな、と思ったのが次の記述です。

 
 「恋っていう文字には下に心があるから下心。愛は真ん中にあるから真心なんよ」
 志乃、前歯に何かついとるよ。心の中でだけそう思って、私は何も言わない。
 「それ、昔ウッチャンナンチャンのナンチャンのほうが言っとったよな」
 


 記憶には無いですが、これいかにもナンチャンが言いそうな話ですよねー。しかも「ウンナンの気分は上々」のフリートークでいかにも言ってそうだなーと思いました。でもだとすると時代が合わないかな、、といつまでやってた番組かを調べました。2003年までやってた番組らしいので、12歳前後だとするとまあ見ていて覚えていてもおかしくないかな、と相変わらず話の筋とは一切関係ない文ですみません。

author:de nudge, category:読書妄想文, 23:06
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Dr.スランプ 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)(鳥山明) 集英社
※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに

 去年の年末に電子本リーダーのKindleを買いました。ページを行き戻りして読むような本だといまいち使い勝手悪いですが、ひたすら読み進めていくような小説などには良い感じですね。まだラインアップは町の本屋さんよりも揃っていないかなという印象ですが、少しずつ拡大しているようで、今後楽しみです。

 ただ、作者さんによっては電子化されることを嫌っているのか、一冊も電子化されていない場合もあったりと、この辺は今後どうなっていくか楽しみですね。個人的にそんなに本読むわけでは無いので、電子化されないと自然に選択肢からはずれていくことになりそうです。

 それで思わず懐かしいと1巻目買ったらはまって、最終巻まであっという間に買ってひたすら読んだのがDr.スランプ。鳥山明が1980年から1984年まで週刊少年ジャンプに連載していたという漫画で、アニメ化もされて大人気になりました。こうした日常系SF漫画が大好きで、ドラえもんとうる星やつらに並んで、思い出深いものになりますねー。のほほんと笑えるギャグ漫画ですが、改めて読むと構築された世界観が圧倒的、そして一コマ一コマがイラストとして切り出せるくらい、絵がキレイ。いくつかの話であった、セリフが最後の一コマくらいでそれまで全く無いままに展開される回も今にして思うとオシャレだなーと思いました。そしてギャグ漫画ものには珍しく、連載と合わせて時間が過ぎて。各キャラクターも年を取っていきました。当時他にはハイスクール!奇面組もそうでしたね。

 その電子版での5巻「ザ・コンボットの巻」という話の中で、今年の2013年設定でのお話がありました。その最初の部分。

 ときは 地球暦で 2013年
 人口は ますます増し 人びとは
 土地を めぐって あらそい
 「やーい どいなか どいなか!」
 と よんで ちかよらなかった地区
 にまで 進攻を はじめた…

 30年前は確か人口爆発の懸念まっしぐらで、そのことが反映されている導入部分ですね。今も全世界で考えると人口増加し続けていますが、日本だけ取ると減っていっているので、今ならあまりこうした設定はしないんじゃないかなーと。でっかい人型ロボットを使って、砂漠に都市を作るお話が描かれていますが、残念ながら現在ではここに描かれているようなロボットはまだ登場していないですね。

author:de nudge, category:読書妄想文, 18:27
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麒麟の翼(東野 圭吾)講談社
※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに
 


著者は本書の自炊代行業者によるデジタル化を認めておりません。


 話が終了した最後のページに1行のみ、上記のように記されています。感動的なラストの次にこれを見て若干冷めてしまった自分がいたのですが、その気分はどこから生じたのか考えてみました。
 
 まず「自炊代行業者」って言葉を何の説明もなく出してきた点。自分は知っていたのですが、まだ一般的ではないのではないでしょうか?そのような言葉を何の注意書きもなく作者の主張として入れてしまっていることに押し付けがましさを感じてしまいます。
 
 Yahoo知恵袋にこんなページもありました。もしかすると、自分の常識がずれていてかなり世間的になじんだ言葉であれば、自分の冷めた気分は(この点において)不当なものなんですが。。
 
 次に「認めておりません」という言葉です。こちらはお金を出して本を買っているので、「私の」所有物です。それに対して、作者とはいえ「認めておりません」という強い言葉で主張されているところに違和感を覚えます。しかも本の内側に、つまり買ってしまった後に書いているところがさらに。

 と、書いてしまったのですが、その上に「自炊代行業者による」と書いてあるので、「自分で」行う分にはいくらでもどうぞなのかもしれません。でも気持ち的には「デジタル化自体本当は許すまじ」と受け取ってしまいました。これが「自分で」行う分にはどうぞどうぞなら、ここでもまた自分の冷めた気分は不当なものですね。

 2点とも自分の誤解による不当なものである可能性もありつつ(もしくは誤解でなくても不当とも言えるかもしれません。単に作者の意見が書いてあって、自分が過剰に受け止めただけとも言えるので)、気持ちを表明しておきます。

 法律的に「自分で」行う分にはOK、「自炊代行業者による」分はNGのようです。もちろんどちらでもデジタル化したものを他人へコピーしたりするのはNGですが。
まだ見解はいろいろあったりもして、今後裁判や法律改正で変わっていくかもしれませんが、この見解が有力のよう。

そして、上記1行の裏面には、講談社による発行日などの記載があって、そこに小さく以下のように書かれています。

 
本書のコピー、スキャン、デジタル化等の無断複製は著作権法上での例外を除き禁じられています。


 これだけ読むと自炊ってダメじゃん、と受け取れそうですが、「自分で」行うのは例外になるようです。なんだか法律って難しいというか、こうゆう書き方がいやらしい、というか。

 こうした注意書き、争いは今後いろいろ出てくると思いますが、本のデジタル化が一般に浸透するのはやがてやってくるでしょうし、そのような時に向けて不当なコピーを防いで本に関わる人達のもうけをちゃんと確保するために、法的な側面はもちろん、もうけの手段の多様化(現在でいえばドラマ化、映画化でしょうがそれだけじゃ足りないので他にもっと必要)を急いでいく必要があるのでしょうね。でも本の文化事態が無くなるわけではないでしょうし、デジタル化が進んでいる音楽業界も消えてなくなったわけではないですし、たくましく生き残っていくのではないでしょうか。技術的なプロテクトを進めていくのも一興ですが難しいでしょうね。音楽業界でもコピープロテクトをかけたCDで一時埋め尽くされてましたが、今では無くなってます。


 と、ここまでが長い前置きで、以下短い本題です。本を買って読んだ後、以下の選択肢があると思うのですが、この本に対してどうしよっかなーと悩んでいます。

 1.部屋に置いておく。
 2.デジタル化する。
 3.誰かにあげる。
 4.売る。
 5.捨てる。

 ケースバイケースとは思いますが、上からその本に対する愛情度が高いと思っています。この本の帯には「加賀シリーズの最高傑作」と銘打たれていて、事実とっても感動して楽しめたのですが、残念ながら自分にはものすごくはまる本ではありませんでした。

 人形町シリーズなら前作の「新参者」の方がおもしろかったですし、加賀恭一郎の全シリーズ(ほとんど読んでいるハズ)としては「どちらかが彼女を殺した」と「悪意」が最高で、そこにはかなわなかったかなーと思ってます。

 自分は自炊セットを持っていて、2.の選択肢も可能です。今まで雑誌しかやったことなかったので、本の第一号としてやろうかなーとも思ったのですが、残念ながら3.以下の選択肢になりそうです、誠にすみません。。

 と、こんなことを読者に書かせて議論を呼びたいというのが作者の狙いなのかもしれません、「悪意」で犯人が仕掛けた最大のトリックのようなものかもしれません。

 
author:de nudge, category:読書妄想文, 01:06
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キートン動物記―MASTERキートン/番外編(勝鹿 北星, 浦沢 直樹)小学館
※注意:カテゴリー 「読書妄想文」はじめに
 
 
 原作 勝鹿北星、作画 浦沢直樹というコンビで描かれた傑作漫画「MASTERキートン」の番外編となる作品。1995年のものです。「MASTERキートン」は本当に大好きな作品で、今でも時折読み返します。

 「MASTERキートン」は、考古学者として実績を積んでいきたいと思うもののなかなかうまくいかず、優秀な元軍人だった技術や体力を生かして探偵業をやっているキートンを中心にさまざまな事件が起こるものですが、こちらの「キートン動物記」は、ある動物にスポットが当てられ、短い話の漫画と、それをフォローする動物の生態話で構成されています。その中でビーバーに関する話が書きたくなりました。
 
 「ヨーロッパ大陸の創始者は誰だと思う……?(以下略)」
 「ビーバーだ!何千年にもわたり、彼らはダムに泥を溜め、ついにパリからモスクワまでに至るヨーロッパ大平原を作り上げたのだ。」

  (中略始め)
  (何千万匹もいたビーバーが、なぜ今絶滅に近い状態になってしまったかというと、キリスト教のせいだという話がされる。修道士達は獣を食べるのが禁じられていたが、ビーバーは尾に鱗がついているので魚だと言い張って、法王の許しを得てしまう。)
  (中略終わり)

 「それから修道士らは、ビーバーを食うわ!食うわ!食うわ!」
 「ほとんどヨーロッパ中のビーバーを食べ尽くしてしまった。(以下略)」

 
 Wikipediaによると、上記は一つの説で、別の説もあるようですが、まあありそうだなーという話ですね。日本でも、うさぎを「一羽、二羽」と数えるのは、鳥や魚以外の動物を食べることが禁じられていた時代に、うさぎを食べたいがために鳥扱いにするためなんて話(これも説の一つのよう)もありますし。
 
 絶滅の可能性があるなら禁止、無いなら獲って良しというシンプルなルールがあれば、ある動物を食べるために獲って良いか否かは、科学的な見地のみで決めれそうな気がするのですが、人間の欲望は果てしなく(しかも食欲のみでなく)いろいろとあるので、なかなかうまくいかないんでしょうねー。
 
 先ほどヨーロッパでは絶滅に近いと書いたビーバーですが、Wikipediaによるとアルゼンチンでは大量発生してしまい、森林破壊の原因になっているなんて話もあるようです。

author:de nudge, category:読書妄想文, 23:51
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密室殺人ゲーム2.0(歌野 晶午)講談社
 ※注意:カテゴリー「読書妄想文」はじめに
 
 
 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」のまさかの続編です。犯罪者がネットで集まって、それぞれが犯罪を行い、他の人が推理し合うというお話です。まーありえない世界と思いつつおもしろく読んでしまいます。今回の続編は最後の犯罪が予告段階でどんな犯罪(詳細なトリックそのものまでは分かりませんでしたけど、「誰」が死ぬのかが分かってしまった)をしようとしているのか分かってしまったので、前作よりやや落ちる感じですが、それでもおもしろかったです。
 
 以上で本の感想はおしまいで、以下本筋と関係ない妄想をだらだらと。
 
 
警察に捕まり、塀の中に閉じ込められてしまうと、骨付きカルビが食べたいと思っても、それは叶わない。むらむらきても女を抱けない。クリストファー・ノーランの最新作は観られず、夏フェスにも行けず、ネットもできない。

 
 本屋さんとか行くと、音楽関係でない雑誌とかでも「夏フェス」みたいな単語を見ることが多くなった気がするのですが、こうゆうのを見ると、やっぱ一般化しているのかしら?と思ってしまいます。ただ、自分はクリストファー・ノーランという方を知らないですし(この文からすると「夏フェス」と同レベルの浸透しているお人だってことですよね)、一般化って何よって話でもあるのですが。。でもこうやって本に書けるということはそれなりの認知度なんですよね、日本の小説でNFL(アメフトの米国プロリーグ名)ってなんの注釈もなく書けないでしょうし。NBA(バスケの米国プロリーグ名)はいけるでしょうけど。
 
 あと、こうゆうフィクションもののお話で本筋と関係ない箇所で音楽の話が入れ込まれるものもたまに読みますが、具体的なバンド名を見ると、きっとこの作家さんはそのバンドが好きなんだろーなーと想像してしまいます。このお話では具体的なバンドは出てこないのですが、きっとこの作家さんはライブを実際に見に行かれることがあるんだろーなーと想像してしまいます。それは以下の文から。
 
 
渋谷のライブハウスでイギリスの新進バンドの演奏を観るそうなのだが、栃羽はそのバンドがいたくお気に入りのようで、初来日を心待ちにしている様子がブログに何度も出てくる。当日は朝早くに東京に行き、日中は都内各所で同業者の店舗をチェック、ライブの終演は十時近くになりそうなので、その晩は東京に泊まり、翌日半日雑貨をチェックしてから仙台に帰るという予定を組んでいた。

 
 どうしても見たいライブがあって、それが遠くで行われるものであるにも関わらず、泊りがけででも行ってしまってライブ見るという行動パターンが、実際体験されて書いているのではないかなーと想像してしまう文です。音楽好きでもライブは行かずに、家や車で聞いて楽しむのみの方も大勢いらっしゃるはずで(というより大多数カモ。自分もいつかはそうなるはず)、そういった方からはなかなか出てこない文章なんじゃないかなーと。まー、本人でなく、周りでそうゆう人がいて話を聞いただけかもしれませんが。
 
 と、思ったのは昔読んだ本で、Orbitalなどテクノのアーチスト名がたくさん出てくる推理小説があったのですが、読んでいてたぶん作者の方がテクノ好きなんでしょうけど、実際にライブ見たことはあるのかしら?と考えたことがあったので。いつか読み返して取り上げたいと思います。
 
author:de nudge, category:読書妄想文, 07:54
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HUNTER×HUNTER 19巻(冨樫義博)集英社
 ※注意:カテゴリー「読書妄想文」はじめに


 NGL(ネオグリーンライフ)自治区という、機械文明を捨てて自然の中で生きていこうという人達がいる国が出てきます。
以前強力な伝染病が蔓延した時も「自然のままに」と国際医師団の入国を拒否した連中だからな
もしも動物に襲われて死んでもそれは自然の生物として我々の寿命なわけです

 (裏の顔として機械バリバリに入れて麻薬製造を行ってたりするという話も出てくるのですが)虫歯の治療で埋めた金属すらダメという徹底的に機械ものを拒否。機械文明に疑問を呈して、自然の中で生きていこうと志向される方は、実際の世の中にもたくさんいらっしゃると思うのですが、さすがにここまで極端な考えをする人はなかなかいないですよね。マサイ族も携帯電話普及してきているようですし。
 
 この話でNGLの人達は自分達のことは自分でと助けを求めずに、人食い蟻の犠牲になり続け、また外部との接触を徹底的に絶っていたせいで、状況が把握できなかった世界は対応に遅れ、パワーアップした人食い蟻が他の国へも進出していくのを防げなかったという。結局周りに迷惑をかけることにもなってしまったわけです。

author:de nudge, category:読書妄想文, 10:50
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法律の世界地図(21世紀研究会)文春新書
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我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を信じ支援します

去年に引き続き、以下のブログからの企画です。
新小児科医のつぶやきの、2.18企画
(全くの門外漢ですが)こちらに賛同して、上記のメッセージを書かせて頂きます。

 事件については、一番シンプルなものでこちら
 この事件がきっかけの一つとなって、新聞やテレビでも出てくる単語になった「医療崩壊」についても、Wikipediaのリンクを貼っておきます。
 他にも詳しい方がいろいろとネットでも書かれています。例えばここなど。

 前年も書きましたが、医療に全く詳しくない(ここ10年熱を出したこともなく、風邪引いたら何科に行くものなの?という質問をしたら、びっくりされた)ので、あまりどうのこうのと言えることは無いのですが、引き続き意識しつつ生活していこうと思います。そして、逮捕された方が早く無罪と審判されて、産科医として復帰できれば良いなと願っております。
 
 責任は、結果がダメだった場合に問うものとプロセスがダメな場合に問うものがあると思います。何かしら不幸な事件が起きた時に、犯人探しを常にしなければならないというのは辛いと思います。探した結果、誰も悪くない、単に不幸なことが起きてしまったんだということも多々あるはずです。この事件の場合は、医療のプロセスに問題が無いので、不幸なことが起きたとしても、責任を問うことはできないと思っています。
 
 事件自体もそうですが、医療の環境を良くするために、一般人ができることはあまりなさそうなのですが、、個人的には以下のことをしました。
  ・健康に過ごして、病院にいかない(これは事件に関係なく元々病院に行かない、病院嫌いってのもあるのですが…)
  ・去年の参議院選挙で唯一、明確に医療対策を挙げた(「OECD並みの医療費確保を公約として掲げ、世界一の国民皆保険制度の堅持を目指す」)国民新党に投票した(この党に所属している議員さんのお名前一人も知らないのですが…)
  ・家のポストに入っていた共産党のアンケート(住民に聞く共産党への要望とかなんとか)に、「小中学生の医療費無料化は反対です。ただでさえ、医療に関わる方は大変なのに仕事を増やすような方向に持っていくと、耐えれなくなるのではないでしょうか。少しでも医療関係者の負担を少なくすることをご検討ください」みたいなことを書いて出した(共産党に投票したことは一回あるかどうかくらいだったのですが、返信してみました。こうやって簡単な形式で住民の意見を聞こうと動いている党は、自分の住んでた所では他に無かったですね)
 これが、医療環境を良くするためにつながるかはよくわかりませんが。。もしかすると、病院に行かないというのは、あまり医療関係者にとってよくない(あくまでも夜間や休みの診療は無しにして、通常時間帯ならむしろ来てくれた方が良し)のかもしれませんし。いずれにしても、現状の24時間連続、36時間連続とかの勤務は当たり前のような世界は異常だと思いますので、通常の(労働基準法に違反しない程度の)勤務時間で働いてもらう環境をなんとか実現できるようになって欲しいです。

 この「法律の世界地図」という本は、各国・地域での法の成り立ちや、あり方などが紹介されています。その中に、アメリカの医療問題についても書かれています。
 
 弁護士のなかには、「アンビュランス・チェイサー」(救急車を追いかける者)とよばれる者もいる。事故が起きると救急車のあとについて病院まで押しかけ、被害者に名刺をわたして訴訟の押し売りをする弁護士の蔑称だ。…(省略)…アメリカでは一九七〇年代から医療過誤訴訟が急増し、賠償金額も高騰した。その結果、医療費の増大と、地域によっては医師が不在になるという由々しき事態までひきおこしているということが、繰り返し報じられてきた。…(省略)…アメリカでは医療訴訟も陪審制で審査されるが、とくに医療過誤によって障害を負ったとされるのが新生児や子どもだと陪審員の同情をひきやすく、途方もない額の賠償金とともに原告勝訴となる可能性が高い。

 
 で、この本の最後には、アメリカ向け製品に見られる神経質な警告文(大工用のドリルに「この製品は歯を削ったり治療するためのものではありません」とか…)がいろいろと書かれていて、それを今は笑って見れていますが、いつか笑えなくなる日が来るかもしれません。。
 
 ずいぶん前に、ダウンタウンDXという番組で、高知東生という方がアメリカに行かれたときに、「おばあちゃんが倒れていたので、かけよって抱き起こした。かなりひどい状態に見えたので、救急車を呼ぼうとしたら、絶対に呼んでくれるなと必死に訴えられた。なんでも、救急車を呼ぶと途方も無い金額の請求を後からされるかららしい」みたいな話をされていて、みんなでへーというような驚きのリアクションをされていましたが、たぶん、それも驚きにはならなくなるかもしれません。。

 以上、とりとめがなくて、すみません。それにしても裁判って長いですね、今年中には審判は出るのでしょうか。。
author:de nudge, category:読書妄想文, 00:00
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あなたのTシャツはどこから来たのか?(ピエトラ・リボリ)東洋経済新報社
※注意:カテゴリー「読書妄想文」はじめに


 いつの時代にも市場と貿易によって若い女性たちが搾取工場に縛り付けられたが、彼女たちはむしろ自由になったということ、そして、農民は農村にいることこそ一番と決めつける前に、もう一度よく考えた方がいいと。貧困に見舞われている人々の苦しみは、市場の持つ危険によるのではなく、むしろ政治から疎外されてしまっていることから来るのだ、と語ろう。


 先日のメモで、UAのライブでゲストの対談があったという記述をしています。その時話されていた方達(UAも含む)は、真剣にいろんな問題を考えられていて活動されているんだろうなー、すごいなーと思いましたが、話のふしぶしに違和感がありました。記憶の残っているものでは、六ヶ所村を取材されて映画化した方の発言で、現在の贅沢な生活を揶揄するような表現をされていながら、その直後にエネルギーは原子力を使うのではなく、代替エネルギー、例えば朝の新宿で駅を歩いている人が膨大にいる、それらをエネルギーに変化することなんかできるんじゃないか、、のようなことを。それってものすごい技術革新が必要だと思うのですが、それはいったい誰(政府?企業?)がどんな動機(贅沢な生活を目指すのがアウトなら使命感のみ?)でやることを想定されているのでしょうか、とか。
 
 もちろん短い対談の中で出てきた思い付きレベルの話でしょうから、つっこむ所ではないのかもしれませんし、何よりこのような活動されている方々より、自分はもの知らずで、のほほんと生きてるだけで何もしてないので、えらそうなことは何も言えないなーと思ってました。で、違和感を持つので全面的には賛同はできないものの、えらそうなことは言えない状態で、自分はいったいどう考えていけば良いのでしょうか?

 この本は、Tシャツの一生、綿が生産されて、工場に出荷され、店に出て、人が買い、それを捨てて、捨てられたTシャツが中古品として回るという過程を描いています。それはいろんな世界をめぐっていますし、現在の状態に至る歴史的、政治的背景なんかも描かれていて、おもしろいです。要約する力は無いので、部分的な記述に触れるだけになってしまいますが、世界のあちこちで(自分や他人の)生活の向上を目指して、あるいは今の生活を維持するために、いろんな活動をされています。そうした活動がちょっとずつ良い労働環境や生活を育て上げていることも。

 だが、より広い視野に立てば、グローバル資本家と反グローバリゼーションの活動家は敵同士ではない。図らずも、彼らは人々の生活環境をともに改善してきた協力者なのだ。


 ということで、狭間に立つ一労働者としては、いろんな意見を伺いつつも、(時には流されるかもしれませんが)できるだけ距離を置きつつ考え、したたかに生きていけたらなーと思いました。世の中の問題を考えることができるというのは、明日のごはんが食べられるか心配する必要の無い生活を送っている人が持つ特権みたいなものだと思いますので、まずは自分の生活から、と。
author:de nudge, category:読書妄想文, 00:00
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