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2024/02/11 Kaito aka Hiroshi Watanabe×中山晃子 at 神楽坂・神楽音

 8年ぶりに見るKaito。DJとライブセット両方こなす方ですが、この日はライブセット。PCなどいろんな機材を用いて電子音を鳴らしていきます。Kaitoのライブセットとなると10年ちょい前のアルバム「Until The End Of Time」発売記念ライブ以来となります。今回はライブペインティングアーティストの中山晃子と組んでのライブ。ライブペインティングというとでっかいキャンバスに色を塗りたくっていく経過を見せる形のものは見たことありますが、違う手法の表現で興味深かったです。
 
 音、絵ともに抽象度極まるもので、見る聞く人ごとに具現化したイメージは違ってくるかと思います。イベント名に「銀河の果て」とついていたので宇宙的なイメージは出てきやすかったとは思いますが。以下、自分が体験して頭の中に出てきたイメージを書いていきます。このライブを体験した他の人はまた全然違う感想になると思います。
 
 ライブはアンコール含めて2時間半くらい。大きな流れ(これもあくまでも個人的イメージ)としては、
  1. 最初の1時間:地球の誕生→2. 次の30分:地球でいろんな生物や植物が生まれて蠢く→3. 次の30分:火山の噴火かなんかで地球に新しい島や山ができていく→4. 次の20分:新しい星の誕生→5. アンコールの10分:その新しい星の中の海の様子
 
 みたいな感じでした。時間も計っていたわけでなく体感時間なので全体の時間(2時間半)以外は適当です。音と映像に浸りきりました。
 
 1. 最初の1時間はひたすらノンビート。小音から始まり、吹雪のような音、感情が無いひたすら何かが蠢くような音を聞かせてきます。少しずつ音を足していき密度が濃くなっていきますが、無感情といった印象の音が続きます。このセクションの終盤、幾重にも重なる音の中で、ちょっとだけ色がついたような小さな生命を得たような音が響いてました。中山のライブペインティングは、手元にお椀やザルなどを置き、それを上に据え付けられたカメラで撮り、スクリーンに映し出します。お椀やザルの中に絵の具、水、シャボン玉などを入れて、それにストローで息を吹きかけたり、揺らしたり、光の当て方を変えたり、カメラの縮尺を変えたりすることなどで液体、泡、色が様々な形状に変化していくという見せ方でした。ネジなどの金属片を入れて小刻みに揺れるのは、砂浜に小さな虫が動いているような姿に見えたりしました。
 
 2. 次のセクションに入る前に一度音の密度を下げて、再び小音モードに戻ります。ここからまた徐々に音を足していくのですが、最初のセクションとは違ってメランコリックとか気持ちよさを感じるものなどの音、何かしらの感情が入っているような音を入れ込んできます。15分くらいたったところでゆったりとしたリズムが入ってきます。固唾をのんで聞き入っていたお客さんですが、ここでようやく体を揺らす人がちらほら出てきました。このセクションでのライブペインティングは、キャンパスに線引いたり、絵の具塗ったりするこれまで見たことあるライブペインティングと似たモードで見せることが多かったです。カメラを通すのでぼんやりさせたり映す場所を変えたりすることができるので、リアルなライブペインティングとはまた違った見せ方でした。
 
 3. 濃い青の絵の具が大半を占めるようになったところで、透明で正方形の線が入ったガラスシート(端にメモリがあったので定規でしょうか)を重ねます。ここにポツポツとした点を入れていくことで、雨をガラス越しに眺めるようなイメージになっていました。そこから音とともに水族館のイメージになるような色を足していきます。8分の6(かな?)のシンプルなリズム音をむき出し状態で聞かせてから、生の感触が強いドラム音を入れ込んでいきます。リズムはありますが、さきほどのセクションと比べると踊れる要素は少なめで聞かせる要素が強かったです。ライブペインティングはいつの間にか最初のセクションに戻った手法で見せるようになっていました。このセクションのことを「火山の噴火かなんかで地球に新しい島や山ができていく」とイメージを書きましたが、最初のセクションを見てきたために、新しい何かが生まれたでもそれは最初のセクションの地球が生まれたような無からの誕生ではなく、既にあるものから新しい何かが生まれた感があったので、そのような表現をしました。
 
 4. 鼓動のようなリズムが少しずつ落ち着いてきて、宇宙感が出てきます。映像も深い青で宇宙のよう。この時中山が息を吹きかけたり、液体を足さずとも絵が動いていくのがおもしろかったです。低音のズンズンに反応して液体で書かれた絵が少しずつ変化していくので、中山はそれに任せている時間がありました。音とペインティングの真の共演といった感ありました。赤などカラフルな色が挟み込まれることで、新たな星の誕生をイメージしました。それは地球とは別物といった感がありました。音が終盤になるにつれて落ち着くような聞かせ方をしていたのは、新たな星が恒星から惑星に変わったようなイメージを持ちました。
 
 5. 本編終わり拍手浴びます。ステージを去るのが躊躇われる様子を察知した2人は、予定外のアンコールに入ります。本編がある程度流れを決めていたのか即興でやっていたのか不明ですが、アンコールは明らかに即興のセッションモードで、お互いの音と絵を見ながら自分がどんな表現をするか探りながらやっていたように見えました。絵は黒っぽい中に色とりどりの点が光ります。自分はこれを地球ではありえないような海の様子、深海の中でいろんなものが光っているかのように見えました。液体なので揺れていたのが海っぽいなと。

 

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 19:59
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2022/11/03 Whatever the Weather、Daisuke Tanabe、Yosi horikawa at 渋谷CIRCUS TOKYO

 イギリスの女性電子音楽家Loraine James。日本の東京・大阪ツアーとフェス出演で来日しています。ツアーはLoraine James名義と別名プロジェクトWhatever the Weatherそれぞれのライブがあり、後者のライブはデイタイムのイベントということで行ってきました。Loraine James名義のライブは前日深夜に行われているので、なかなかのハードスケジュール。この日は日本の男性電子音楽家2組を迎えたライブで、3組とも初めて見ます。また、クラブスペースのCIRCUS TOKYOも初めて来ました。四方八方にスピーカーがあり、360度から音がせまってくる感覚久々に味わいました。
 
 
 最初はYosi horikawa。45分ほどのライブ。PCと機械を使っての音出し。海にもぐる音などの自然音や街中の雑踏音など環境音をサンプリングして、それに電子音をからませてシネマティックに聞かせるようなライブといった印象。ノンビートとダンスモードを交互に聞かせてきてビート強めの展開になった時にはメランコリックなキーボード音をからませてきたり、ノンビートの時には床にピンポン玉やビー玉が跳ねている音を音楽の中にうまいこと取り込んでいました。終盤に進むになるにつれて、混沌さが増してきて踊れる要素も増えてきます。最後は穏やかな音で締めたのも一つのストーリーの終わりといった感ありました。
 
 
 続いてはDaisuke Tanabe。45分ほどのライブ。PCと機械を使っての音出し。丸くてやわらかい、どこか寂しげな高音のキーボード音を軸にスタート。緩やかに聞かせてたところ数分後に急遽タブラのような高速のリズム音を鳴らしてきます。油断ならない展開。rei harakamiのような親しみあるキーボードの音色とメロディを入れたり、人のしゃべりとドラムンベースのリズムを断片的にいろんな箇所で区切ったような音を緩やかなリズムの中に入れ込んで聞かせたりします。ブレイクも随所に入れ込んできて、体ゆらゆら動かしているとカクっとなってしまいますが、刺激たっぷりで聞いていておもしろい。最後は親しみあるメロディを聞かせて締めました。
 
 
 最後はWhatever the Weather。本編1時間、アンコールで5分のライブでした。PC、機械、そして手元がよく見えませんでしたが小型キーボードもしくはキーボード音を鳴らすパッド(便宜上以降はキーボードと書きます)を使ってのライブ。今年出したアルバム「Whatever the Weather」は「25℃」など曲名全てが温度で付けられています。アンビエント的な音を軸に、曲によっては刺激的なビートやノイズを入れ込んでくるといった感があるのがアルバム聞いた印象でした。ライブではよりダイナミクスに聞かせてくるようなアレンジを入れ込んでいました。どの曲をやったか分かるまで聞き込んでいなかったのでセットリストは不明ですが、良い音だなーとかこういった情景浮かぶなーとか浸りながら聞いていました。
 
 最初の曲は台風前の不穏な風が吹く中、慌ててドアなどの補強をするために板を貼り付けるような印象、、と書いてますが恐らくそんなイメージしたの自分だけかと思います、金属音に聞こえるような音がふんだんにあったので。そこから雪国の猛吹雪といった感ある音が鳴り響きます。そして冬開けの春にいろんな生物や植物が動き出すかのような、穏やかな光が差し込んでくるような音を出してきます。前半はそんな感じで様々な情景が浮かびましたが、後半はあまりそういったことは無く、音自身に向き合って聞き入ってました。
 
 キーボードのみでじっくりときれいなメロディを聞かせてきて、その音が頭の中でループし始めてくる頃にPCから徐々に音を重ねてきて、明確なリズムも入ってくるようになり、キーボード音と拮抗、そして侵食してきて踊れる展開になっていきます。人の声も入れてきたりと、どんどん音の塊が大きくなっていくような感覚を味わいます。落ち着いた展開もありつつ、スケール感ある世界を最後まで続けて本編終了。
 
 アンコールはキーボードのみでじんわりと聞かせてきました。ここも非常に良かったです。鳴らされる一音一音があちこちに飛んでいくような感覚があり、またひんやりとした感覚もあり氷穴、風穴の中にいるような気にさせられました。こういったライブ聞くの久々で来て良かったなーと。

 

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 06:44
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2019/08/17 Inner Science at 神楽坂・神楽音

 1年ぶり6回目に見る電子音楽家Inner Scienceのソロライブ。これまで複数アーチスト出るイベントでしか見たことなかったので、初めてとなるソロライブ楽しみにしていました。神楽坂駅からほど近い地下一階にあるライブハウスは初めて来ました。
 
 ライブは1時間半くらいかな、と見込んでいたのですがなんと倍の3時間。Inner Scienceの音世界には似合わない表現かもしれないですが、衝撃というか驚愕というかなんともびっくりなライブでした。自作の電子音楽曲だけで一切音を止めることなく3時間のライブを構成するって、事前にどれだけ時間かけて準備したんだろうと。すごすぎ。これは体験できて本当良かったです。
 
 開場からすぐに入場したのですが、ステージからは音が流れていました。開場とともにライブ開始していたようです。2台のPCとミキサー使っての音出し。最初の30分はリズム無しで延々と。Inner Scienceならではの水が跳ねるような電子音、教会でパイプオルガンが持続音を出しているような立体的な高音を、アンビエントな感じで鳴らしたり、ぐにゃりと音がひん曲がるような感覚で加工させて鳴らしたりと。
 
 そこからはほんのり乗れるビートを出して心地よさありつつ、いろんな展開で聞かせます。この音だったらずっと浸ってられるなーという電子音なので、オフビートになっても踊りだす人が出るくらいの展開になっても全て良い感じ。緩やかな上げ下げの中キラキラした高音を随所に味わいます。展開の中ではそういった音を無くして、むき出しなリズムになったり、ストレートなテクノな音を聞かせたりすることもちょっとありました。
 
 最近の音源追ってなかったのですが、恐らく最新作からたくさんやってたんでしょうね(買わねば、とチェックしたら最新作がカセットテープ。最近流行ってますね)。自分が持っている音源の中で一番好きなアルバム「Elegant Confections」に収録されている「Unravel A Knot」も後半の方で流れてましたが、もう高揚しまくりでした(といってもちょい体揺らしておとなしく聞いているだけなのですが)。最後はメランコリックなここまでの展開の中では無かったメロディの音を聞き入るような感じで数分鳴らして終了しました。こういったエンディングも良い感じ。
 
 アルバムジャケットの世界を描いた静止画をステージ後ろのスクリーンに映し出すシンプルな映像も良い感じ。低音がズンズンくる展開ではスクリーンが上下に揺れているのも音に反応している感あって良かったです。ここのライブハウスもこういった電子音を味わうには最高の場とも思いました。

 

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 08:17
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2017/10/29 白石隆之、Inner Science at 幡ヶ谷forestlimit

 渋谷区にある初めて行くスペースで、デイタイムのクラブイベント。夕方から夜までの数時間のイベントの内、2時間半ちょいほど滞在。Inner Scienceのライブと白石隆之のDJを見ました。
 
 Inner ScienceのPCとミキサー使ってのライブは1時間。3年ぶり4回目に見るアーチストです。水が跳ねる、光の粒子が転がるみたいに表現したくなる電子音が気持ちよく、そこに程よく乗れるビートが被さって音に浸りまくりました。体ごと音に持っていかれるというよりは、脳の中が電子音で満たされていくって感覚ですかね。好きな音世界です。
 
 
 続いて白石隆之のDJを1時間半ちょい聞きました。初めてDJ聞きます。音源としては2002年に出した「Slow Shoutin'」を聞いていて、あの世界観好きでDJどんな感じかなと楽しみにしていました。くぐもった感あるシンセを持続させた音を軸に、ミドルテンポのリズムで踊らせます。ハットに当たる音のアタックが強いのが特徴かな、と思うくらいパスパスした音が印象的。中盤にはリズム無しでねじ曲がったようなキーボード音、転調しているような変化する音を入れ込むところから、ソウルな展開に持っていきます。ボーカルものも程よく入れていて、時折アフリカンなパーカッションを入れていくのも良いアクセント。
 
 音から感じられるモノクロな世界観がかっこよく、落ち着きながらも体を揺らして聞けるってのが良い感じ。終盤ではErykah Baduの「Honey」がオリジナルよりやや早回し的な感じでかかります。バックのビートも多彩なものになり、ここが唯一派手な展開になったところで、浮かれて聞いちゃいました。そして10分くらい落ち着かせるような音を聞かせて、次のDJにつないでいました。

 

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 07:54
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2017/05/02 track maker at 渋谷Sound Museum Vision

 日本の様々なトラックメイカーが集うイベント。深夜帯のイベントに久々に参加。道玄坂にあるこのクラブスペースには初めて来ました。うねうねとした通路があったりしつつ4つのブースがあり同時並行で音が鳴らされています。24時前くらいに入って4箇所少しずつ覗いた後は一番大きなGAIAという場所に張り付いて28時くらいまで滞在しました。

 

 見たのは順に、
  Monjoe & Miru from yahyel Feat.荘子it→STUTS→TORIENA→Seiho→仮谷せいら→tofubeats
 でした。各組持ち時間が20〜50分くらいでさくさくと進んでいきます。DJというよりライブセットのアクトばかりでした。簡単な感想を。

 

 
 Monjoe & Miru from yahyel Feat.荘子it
 男性3人組で初めて見ます。MonjoeとMiruはyahyelというバンドメンバーで荘子itはソロのトラックメイカー/ラッパーのよう。3人がPCや機材操りつつ音を重ねていきます。前半はアブストラクトヒップホップな感じで荘子itは深淵さあるラップを時折入れていきます。後半はメロウなシンセ音でビートレスなものと、アタック強めなビートを入れて来る展開を交互に繰り出して、静と動のふり幅を大きくさせて聞かせていました。
 
 
 Stuts
 3ヶ月ぶり2回目に見る男性ソロアーチスト。サンプリングマシンのMPC1000を叩いてビートを作り出す様がおもしろい。ジャズやボーカルもの(Alfred Beach Sandalがボーカル参加している曲など)を流しつつ、そこに生のヒップホップなビートを叩いて作り出すのはライブ感あって良いですね。好みなタイプのライブで、楽しいビートを堪能。
 
 
 TORIENA
 初めて見る女性ソロアーチスト。PCやゲームボーイからトラック流し、時には自ら歌うスタイル。前半は歌多め。メロディに多くの言葉を詰め込んでガチャガチャと高音で叫ぶように歌うタイプで、個人的にちょい苦手目なスタイル(大森靖子あたりとも通じるような)でした。後半はトラックメイン。ズゴゴゴみないた擬音を付けたくなる、圧が強くやたらビートが早いものをこれでもかと繰り出していって、これもちょい苦手目かも、、と最初の内は聞いていたのですが、だんだん慣れてきてちょっと楽しいと思うように。派手なレーザー行きかう画ともあっていてかっこ良かったです。最後は歌も入れてきて締めていました。
 
 
 Seiho
 4年ぶり2回目に見る男性ソロアーチスト。長髪でカリスマ性たっぷりな大げさなアクションやキーボード弾きを見せつつ、トラックを流します。シンセ音でグルーブ感作りつつ、ビートは散発的に不連続で入れ込むような印象の音。体は反応せず音自体に引き込まれるようなもので、聞き入るモードになりました。ボーカルものもたくさんやっていて、終盤近くの三浦大知の歌を入れてきた展開に感動しました。三浦大知良い声だなーと。次のかっこ良いPUNPEEのラップものの曲を繰り出した後はゲストの女性ボーカル(シンシアと紹介されていた)を迎えて4曲。Seihoはトラック出しに専念しつつ、シンシアがソウル曲を歌います。2曲目のメロディがすごくつぼでした。
 
 
 仮谷せいら
 9ヶ月ぶり3回目に見る女性シンガー。いろんなビートが集う場でそれにあったエレクトロなトラックでありつつ、直球のポップ曲を力強く歌う様がすごく良くて、キラキラした目と笑顔と合わさって浮かれて聞きました。4曲ほどと短い時間だったのが少々残念だったのですが、堪能できました。かわいらしい要素もありつつパワフルさもあって良い声だなーと。後半の「Nobi Nobi No Style」「Colorful World」はお客に歌わせる箇所も随所に盛り込む鉄板の盛り上げ曲で、会場も大盛り上がり。
 
 
 tofubeats
 森高千里やBonnie Pinkとの共演でも見ている男性ソロアーチスト。ソロでのパフォーマンスは2年半ぶり2回目。前回見た時はロックフェスでの出演でサービス過剰なライブってな印象のもので少々消化不良だったのですが、今回はクラブスペースでのライブセットということでtofubeatsの世界をちょうど良い感じに楽しめました。機材からトラックやボーカルを流す演奏スタイルでtofubeatsも結構歌います。お水な感覚もあるディスコソウルやヒップホップな歌やラップメインで、良い声しているなーと。自分がtofubeatsを初めて知った「No.1」を初めてライブで聞けたのうれしかったです。乾いたスネア音の質感がすごく好みで、歌とともに堪能しました。
 
 tofubeatsのお客さんは結構合唱しますね。日本のアーチストのライブでここまでお客が歌っちゃうのって結構珍しいと思ったり。「朝が来るまで終わる事のないダンスを」や「ディスコの神様」など一発で覚えられる親しみやすいメロディと歌詞のおかげもあるのでしょうけど、サビは大合唱状態でした。ラスト近くでは電子オーボエ的なものを吹いた後に、ゲストボーカルとして仮谷せいらを迎えて「水星」を歌います。仮谷せいらとtofubeatsが出るなら共演あるかな、と期待してめったに行かない深夜イベントに向かったのですが、観れて良かったです。共演は3年ぶりだそう。tofubeatsは「水星のMVに出てもらってから随分立った」と感慨深そうなコメントを。仮谷のライブも褒めていて、仮谷が歌っている後ろで次のライブの準備していた時にtofubeatsは手拍子したりしてお客煽ったりしてましたね。あと仮谷ボーカル曲の「SO WHAT!?」も聞けたらうれしかったのですが残念ながら無し。ラストはtofubeatsのみで新曲の「BABY」を歌って締めていました。
 
 
 このイベントに参加する前、19時から渋谷タワレコで、2日前にもライブ見たsora tob sakanaのインストアライブも覗いてきました。2016年に初めて知った素敵なポップミュージックである、sora tob sakanaと仮谷せいらの両方を一晩で見れて少し感慨深くなったり。ともに去年偶然にライブ見るきっかけがあって初見であっという間にはまりました。この2組は知ることができて本当良かったなーと。

 

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 14:27
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2016/04/24 Harvey Sutherland、sauce81 at 中目黒solfa
 中目黒にあるクラブスペースのsolfaに5年ぶりに行きました。デイタイムのクラブイベントで18時から23時過ぎまで滞在しました。

 「CHOUTSUGAI」という名前のついたイベントでハウスとソウル満面な音に浸り切りました。自分がお店に入った18時から21時までは1時間ずつDJが入れ替わり切れ目なく曲をかけます。タイムテーブル見るとFujimoto Tetsuro、Kunieda、Sayuriという方々の順番でSayuriは2回目で、他の方々は恐らく聞くの初めて。インストの心地よいハウス曲中心のFujimoto Tetsuro、その流れを受け継いだ前半と後半はボーカルソウル曲を連発したKunieda、ハウス基調のシンセ音やビートを出しつつファニーさ、猥雑さ、こじゃれた感覚などが入り込んだキーボード音を効果的に織り込むSayuriなどなど。最初の方は時間の短いポップミュージックにすっかり慣れてしまった自分の体に長時間のクラブイベントは厳しいかなーとも思っていたのですが、じっくりと音に浸り続けることの快感さを徐々に取り戻してきました。

 21時からはライブセット。まずはsauce81という日本人男性の一人ユニット。PCやミキサーなどを使ってトラックを流しつつボーカルを重ねていくスタイルで40分弱ほど。間がなんともかっこよいソウルビートを出していて、そこだけでうっとりとする音空間になっているのですが、そこにほんのりとかすれたような渋めのあるボーカルをマイクを通して歌います。さらにその声をサンプリングさせて重ねていったりと。おーこれはかっこ良いと聞き入りました。まさにクラブスペースで味わうソウルセットライブといった感があります。

 そして、sauce81のライブ終わり近くにお客がいるスペースを空けるように依頼が。半分ほど空いたスペースにBroken Sportというダンスチームの実演が始まります。10分弱という時間でかなり後ろの方から隙間越しに見たパフォーマンスなのですが、かっこ良さはひしひしと。スモーキーなジャズ曲をバックにキレの良い踊りをこれでもかと繰り出します。肩から上部分しか見えなかったのですが、その肩の刻み具合からものすごい早いステップをしていることが伺えます。

 トリはHarvey Sutherland、オーストラリア・メルボルン出身の男性アナログシンセサイザー弾きのライブ。アンコール含め1時間半弱くらいのライブでした。機械から気持ちの良いハウスビートを出しつつそこにキーボード弾いて音を構築していくスタイル。2〜3分置きにフレーズを変化させていくのですが、それがとても滑らかで心地よさがあります。ハイハット音なんかもまぶしつつウキウキとしたビートに体が揺れます。そこにスペーシーさ、カラフルさ、水跳ねるようなキラキラした高音などの生キーボード音がとても良い、笑顔あふれる音空間といいたくなるようなライブです。ブレイクも過剰な感じにならず、即興的なトラック出しやキーボードのフレーズなんかも随所に入れ込んでいてまさにライブ。こちらもクラブスペースで味わうハウスセットライブといった感がありますが、野外でも気持ち良いかもしれません。

 お客も熱狂的な歓声を挙げてアンコールを次々と求めなんと3回もありました。1回目のアンコールはミドルテンポで落ち着いた感じに聞けるもので、こういったものも良いなーと思えるものでした。最後のトリプルアンコールはなぜか客席前方の男性客が次々と上半身裸になるという盛り上がりっぷりで、若干(というかかなり)退いてしまいました。。
 
author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 21:44
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2014/11/08 groundrhythm at 代官山AIR
 DJであるKaoru Inoueのレギュラーパーティー。2年ぶり3回目となります。ひさびさにKaoru InoueのDJが聞きたいというのもありましたが、今年「Self Figment」というアルバムを出したInner Scienceのライブが一番のお目当てでした。

 24時頃に入って28時頃までの滞在。スペースに入るとSayuriというDJがやっていました。1時間弱ほど聞きます。四方にあるスピーカーからでかい音が鳴らされているだけでまず快感ですね。こういった感覚がひさびさ。シンプルな四つ打ちに低くくぐもったシンセ音を鳴らす展開から徐々に高音で派手なシンセ音や勢い込んだリズムを重ねてきて、時間経つに連れ多くなってきたお客さんを盛り上げます。

 25時半頃からInner Scienceのライブ開始。1時間ほどのライブでした。PCとミキサー使ってのライブ。この空間で聞けて良かったなーと始まった瞬間に思いました。水が跳ねるようなイメージのキレイな電子音にパラパラと不定形なリズムを足していきます。序盤はじんわりと聞かせる展開でもうこの世界に浸れて幸せといった感じ。後半になるにつれてビートも徐々につけていって目まぐるしい変化をつけていきます。シンセ音とリズム音が拮抗するように大きくなっていって、シンセ音だけカットして嵐のようなリズム音のみになって、そこからシンセ音をまた足していくところの展開なんて最高でした。また終わり近くでは「Unravel A Knot」が流れます。この曲の気持ち良さは格別なものがありますね。こちらの曲でもリズムのみになってブレイクするような箇所があるのですが、そこで次の準備でブースに入っていたKaoru Inoueが手を挙げて煽るタイミングが抜群。お客のたくさんの手が挙がった瞬間が楽しかったです。

 そして26時半からKaoru InoueのDJスタート。1時間半ほど楽しみました(まだ先は続いてましたが)。ファンキーさが感じられるビートの早い展開。そこにKaoru Inoueらしいオリエンタルなパーカッションやボーカル音、キーボードのフレーズなどを時折差し込んでいますが、主軸はがっつりと踊らせるテクノです。いいですねー、すごく踊れますし、かっこ良い音を体感している感が半端ないです。自分が聞いていたラスト近くではKaoru Inoue自身の曲も入れ込んでいて(何の曲か失念。2つくらい聞きおぼえがある曲がありました)、テンションもすごく上がりました。

 もう年なので前々から前後の予定考えつつ、かなり気合入れて行かないと深夜もののイベント参加は難しい(コンディションというものを考えてしまうお年頃…)のですが、こういった場で音に浸るのはやっぱり楽しいですね。
 
author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 00:08
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2013/05/18 Timmy Regisford at 西麻布eleven
 以前yellowという名前で運営していたクラブが数年前一旦閉店して、3年前にelevenという名前で復活しました。elevenになってから行ったことは無かったのですが(何回か行こうとしていたものの断念してしまっていた)、ビルの立替に伴い閉店することになったようで、以前から聞いてみたかったTimmy Regisfordということもあり行ってきました。

 場所は全く同じ。前は黄色いぼんやりした楕円の光のマークが目印でしたが、それは店の名前変わってなくなっていましたね。店の中の作りや雰囲気も変わっていないような。23時前に入って26時過ぎまでいました。トリニダード・トバゴ出身でアメリカ・ニューヨークでDJ活動をしているベテランハウスDJ。DJブースで胸から上の部分しか見えないですが、若々しい印象。途中から上半身裸になっていたので、そのスレンダーさも伺えたり。筋肉隆々。

 最初の1時間弱はおそらくソウルもののクラシックをかけていました。まだお客もそれほど入っていない状態でスペースに余裕があり、まったりと楽しめましたね。こういった雰囲気を味わうのはひさびさですが、やっぱり良いですね。聞いて踊っているお客さんが思い思いに楽しんでいる感が伝わってきます。24時前くらいから、黒い低音の早いビートが鳴り出しモードが変わり始めます。10分くらい持続した後にソウルもののボーカルをほんのりとかぶせてくるような展開に入りました。その後、音の抜き差しを入れつつドカンと盛り上げ始めます。特に早いビートを止めて、ソウルもののクラシック(何の曲か分からないのが残念)をかけた時の会場の一体感は素晴らしいものがありましたねー。ここからかけていた2,3曲は知っていたのですが、曲名までは分からず。Alicia KeysやWhitney Houstonの曲だったかなーと。25時過ぎからお客もドンドン入ってきて満杯になります。それに合わせてか音も派手目なものやディスコものなどを入れ込んでくるようになりました。25時半過ぎからは、ディスコもののビートを維持しつつ、Eurithmicsの「Sweet Dreams」とNirvanaの「Smells Like Teen Spirit」と大ネタを連発。さらに続けてGalaxy 2 Galaxyの「Jaguar」とR.E.M.の「Losing My Religion」をマッシュアップしてかけてました、意外な組み合わせ。26時くらいに満足し、ひざも痛くなってきたのでここで退散しました。Timmy Regisfordは昼くらいまでやるのが当たり前だそうで、12時間以上になるんですね、すごい体力だなーと(2013/05/21追記 18時半までやってたそうです、20時間以上。。Timmy Regisford、スタッフ、お客さんと凄すぎです)。

 フロアが禁煙になっているのか煙くなく、ゴミも全く落ちていないきれいな状態。流れてくる音をダイレクトに受けて反応するお客さん達と素晴らしい空間でしたねー。この日老舗クラブ閉店の取材ということなのか、報道陣が入って撮影していました。新聞記者っぽいカメラだけではなく、テレビカメラ、それも複数(自分が見たのは日テレ、TBS、テレビ朝日)入っていました。

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 12:52
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2013/04/29 RAFDEMA at 渋谷Club Asia、など
 福島・信夫山のハイキングを終えて、東京に戻りました。その足で渋谷の日中クラブイベントに参加します。clubasia、VUENOS、Glad、LOUNGE NEOの4箇所で開かれるダンスもの中心のイベント。DJが中心ですが、バンドなどのライブアクトもいくつか入っているようです。

 18時前に会場に入って最初はClub Asiaメインステージで画家というバンドを最初の40分ほど見ました。いったいステージに何人いるんだ、15人くらいかな、という感じでギター、ベース、ドラム、キーボード、パーカッション、ディジュリドゥ、いくつかの管楽器隊、三味線、ピアニカなどなど、どんな組み合わせやん、というような編成でした。最初の2曲はピアニカのかわいらしいフレーズを主体としたドリーミーな感じの曲を演奏しました。そして「こっからは夜の時間帯ということで踊らせますよ―」とMCで宣言し、ファンクものなどのはねたリズムに高らかになる管楽器隊のミニマルなフレーズを重ねてきました。お囃子やmumのような北欧インストバンドっぽい印象のあるミニマルフレーズを重ねてきて、盛り上げてくる楽曲を演奏していました。

 続いてclubasiaの向かいのビル5階にあるLOUNGE NEOでKAORU INOUEのライブセットを見ました。これお目当てでこのイベントに参加したようなもので、楽しみにしていました。PCとミキサーを操りつつ自身の楽曲を繰り出します。南米っぽいパーカッションが入った音をじんわりと聞かせるところから始まり、そこから思いっきり踊らせる曲をあれこれと繰り出します。やった楽曲をきちんと覚えていないのですが、明らかにやったのは「Ground Rhythm」と「Malam」。自信なしでおそらくなのが「Two Punks, Three Indians」「Happenings」「Ancient Future Beings In The Place」「Selva」あたりかなと。現場で聞かせるものとして音源より太いリズムを入れ込んできて、上音となるシンセ音やパーカッション、ボーカルとの対比がくっきりと現れて自然に体も動き、頭の中も音に浸り切りました。ラストが「Malam」でしっとりとした締めになりました。「Nova」につなげてもうひと盛り上がりしてくれればさらに最高だったのですが、それでも至福の45分でありました。

 clubasiaに戻ってBiSという女性4人組のアイドルグループのライブを見ます。客層がガラリと変わり、BiSのTシャツ来た人がずらっと揃います。見るのは1年半ぶり2回目になります。その時はコアなファンは20人ほどでしたが、今回は150人くらいはいたのではないでしょうか。単独のライブではもっと集客があるようで、こういったイベントものは来づらい、もしくはそんなに持ち時間無いし来ないでいいやって人も多いんでしょうかね。いずれにしても人気出ているんだろうなーというのは、この日のパフォーマンスと盛り上がりっぷりから感じました。メンバーは前回見た時から一人入れ替わっているようです。かわいらしい衣装から黒っぽいサイバーな感じが漂う衣装になっていました。お客のいっちゃっている感は前回もすごいものがありましたが、その人数が7倍増えたので、その光景はものすごいものに。前半にやっていた楽曲はハードロックなギターにインダストリアルな早いビートを重ねたもので、この路線に突き進むのかな、と思っていたのですが、後半はもうちょっといろんなタイプの曲をやっていました。前回聞いた時も好印象だったテクノポップの「nerve」は、口パクであることを隠さずサビではかわいい踊りを優先してマイクを口元に持っていかない潔さ(?)もおもしろい。「primal」という曲ではサビでBiSのメンバーがステージ後方に向く箇所があるのですが、そこでお客も全員後方にくるっと向きを変えて、お互い逆方向を向いているという、なんともはやな光景でした。

 BiS終了後、Goth-TradのDJが始まります。ブインブイン言わせたベース音が強烈なダブステップというんでしょうか。レゲエ、ヒップホップも取り混ぜてきて、相当にかっこよかったです。が、、ここで体力が尽きて30分ほど聞いて会場を後にしました。この日は動きましたねー。電車移動の揺れも含みますが携帯の機能についている歩数計は38000歩に上りました。

 帰り道なぜか、モーニング娘。の「浪漫〜MY DEAR BOY」が頭の中をぐるぐると。たぶんガンガン鳴るギターのアイドルソングを聞いたことと、渋谷駅で見た藤本美貴のビール宣伝ポスターを見たことがつながったからなんでしょうけど、YOUTUBEでひさびさ見たらやっぱかっこよかったですね。高橋愛と藤本美貴の二人がメインで、歌と踊りすごいなーと。

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 00:09
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2012/12/01 groundrhythm at 代官山AIR
 DJであるKaoru Inoueのレギュラーパーティー。3年ぶりに行きます。今年出した新譜「A Missing Myth」が素晴らしく、是非このライブセットを見たいなーと思っていたのですが、チェック不足なのかそもそも無いのかDJ出演のものだけでした。それでも音に浸りたいと、この一週間前に東大の学園祭でやっていたKOMAMOというDJが揃うイベントに出向いて、そこで1時間くらいDJを聞いたのですが、さらにがっつり音に浸りたいなーとこの日のAIRにも出向きます。

 深夜12時過ぎに入ります。12時半くらいからDJ YogurtのDJスタート。1時間半くらいのDJでした。2月にUNITで聞いた時よりもいろんな展開を聞かせるテクノだったでしょうか、かっこよいですね、特にラストの曲の気持ちよさは相当なものだったんですけど、なんて曲だったんでしょう。

 2時からKUNIYUKIのPCなどを用いたLIVEセット。ピアノ音を用いたじわじわとした立ち上げから呪術的なボーカルやサックスなど、ジャズやワールドミュージック的な側面を織り込んだハウス、テクノを聞かせていました。ひんやりとしたものから暖かなものまでいろんな感触を1時間くらいの中に聞かせていて、しっかりとした流れを堪能しました。

 3時過ぎからKaoru Inoueと辻コースケのライブセット。DJブースの前にいくつものパーカッションが置かれていましたが、そこにサングラスをかけた辻コースケが小型の鳴り物を振りながら登場。以前から何回かこの組み合わせでライブしていたはずで、機会あれば見たいと思っていました。事前に想像していたのは井上薫のダンス音に、GOMA&The Jungle Rhythm Section、カセットコンロス、Orquesta Nudge!Nudge!などいろんなバンドに参加している人気パーカッション奏者の辻コースケがサポート的な感じでリズムを増幅させるように叩いてくるのかなーと思っていたのですが、違った展開でした。パーカッション音も全面に出てきて、井上薫が出すリズムと拮抗するような印象。これでもかと怒涛のリズムを押し寄せてきて舞い上がりましたねー。中盤ではパーカッションソロの趣きになり、そこでじっくりと生音を堪能した後は、井上薫のテクノ音がメインとなり、そこでリズムをかぶせてくる展開で踊りまくり。1時間15分くらいで辻コースケが退場してライブが終了。この後も井上薫のDJが続いていましたが、自分もここで退場。フロアはまだ盛り上がっていて、みなさん体力ありますねー。

author:de nudge, category:live(Othersクラブスペース), 11:41
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