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2012/09/30 WORLD BEAT 2012〜究極のジプシー・オーケストラ! at すみだトリフォニーホール
 プランクトンが主催している2年に1度のフェスWORLD BEAT。4回目になりますが、何気にこれまで全部来ています。過去3回は日比谷野音でやってきましたが、今回は錦糸町にあるクラシックホールにて。随分前にここでFANFARE CIOCARLIAとKILAのライブを見に来たことありますが、それ以来。主催者もたぶん一緒だと思います。

 今回はジプシーバンド2組。ルーマニアのTaraf de Haidouks、マケドニアのKocani Orkestar。が、その前に会場入り口ロビーで日本のジプシー系バンド2組が合同で30分ほどの演奏。▲s(これで「ピラミッドス」と呼ぶそう)、とチャラン・ポ・ランタン。チャラン・ポ・ランタンは3回目になるのでお馴染みですが、▲sは初めて。打楽器×2、ギター、ベース、クラリネットの男性5人組で最初の曲は馬などのマスクをかぶっての演奏。チャラン・ポ・ランタンのアコーディオン奏者小春と(バックバンドの愉快なカンカンバルカンでドラムを担当する)ふーちんも混じって愉快なジプシー曲を演奏します。2曲目からはチャラン・ポ・ランタンのボーカルももちゃんも加わって、おそらく交互に持ち曲をやってました。ラストにやった「ムスタファ」は多くの人が一聴でウキウキとなれるのでは、と思われる強力な曲ですねー。

 会場内の本編は休憩時間15分をはさんでの2時間くらいのライブ。ライブ前にピーターバラカンが登場して、2組のバンド紹介コメントをされていましたが、バラカン自体はこの後ラジオの仕事が入っていてライブ見れないそう。。バイオリン×3、ツィンバロム、アコーディオン×3、ベース、管楽器(縦笛っぽい小型のもの)、ボーカルというメンバーのTaraf de Haidouksと多くの管楽器隊(チューバだけで4人とか)とアコーディオン、ベースドラム、ボーカル/ギターなどで構成されたKocani Orkestarでステージに20人以上揃っての演奏は壮観。弦楽器中心と管楽器中心のバンドなのでかみ合わせが良いのですが、リハーサルはどれだけやったのでしょうか。特に楽譜もなく、多くの曲をがっつりと演奏していました。ツィンバロムって楽器が珍しいですね。テーブル形状に多くの弦が張られ、それをスティックで叩いて音を出すもの。以前フジロックで見たモンゴルのバンドAltan Uragも似たような楽器を使用していた記憶があるのですが、あれはまた違うものかな?

 強く印象に残ったのは、後半最初にやったKocani Orkestarのメンバーのみで演奏したしっとりとした曲とその次にみんなでやった管楽器と弦楽器がぐわーっと大盛り上げする曲でした。二人いた踊り子さんも曲によって加わっていました。クルクルと回る様がキレイ。最後は多くの人が立ち上がっての歓声を受けていました。

 ライブ終わりにロビーでメンバーが演奏し始めるのも、前回FANFARE CIOCARLIAがやったのと一緒。おひねり募集していましたが、これまた前回と同様にお札で出す人が多く、そんなところにお客の年齢層の高さが伺えたり(若いお客を相手にするおひねり集めはコイン多いと思います)。前回最後まで見ましたが、今回は台風が来ていることもあり、ちょろっと覗いただけで帰宅。電車が止まってしまって、途中の駅から45分ほど歩いて帰りました。自分は帰るだけでひいひい言ってる感じだったのですが、風が吹き荒れる中ゴミ拾いされている方もいたりして、頭が下がりましたね。
author:de nudge, category:festival(World Beat), 14:09
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2010/10/11 WORLD BEAT 2010 at 日比谷野外音楽堂
 プランクトンが主催している2年に1度の野外音楽祭。3回目になります。自分は毎回の参加、今年はアフリカンなメンバー3組が揃いました。
 
 初めは、Justin Adams & Juldeh Camara。イギリス人のAdams(ギター)とガンビア人のCamara(リッティ)のコンビ。ライブではドラム/パーカッションのDave Smithというイギリス人の方が加わった3人編成になります。初めはフロント2人が不思議な楽器での演奏で、Adamsが渋い声で歌います。Camaraのリッティという楽器は初めて見ます。一弦のみのフィドル楽器で、その響きは好みで良いですねー。Adamsもおそらくアフリカの弦楽器だと思うのですが、楽器名分からず、Smithはカホンでサポートします。2曲目以降はAdamsはエレクトリックギターに持ち替え、渋めはブルースロック基調で展開。そこにCamaraのリッティとボーカルがいい感じで重なります。聞いていて好みかなと思ったのは、この日の3組の内ではこのバンドだったかなーという印象でした。最後の方ではCamaraがトーキングドラム、Adamsがバンデイロ(南米のタンバリン)を持って打楽器のみでの演奏が繰り広げられ、良かったですね。
 
 続いてはVictor Deme(eにはアポロストフィが付く)。ブルキナファソのシンガーソングライターという触れ込み。紹介文によると苦労人で、48歳にしてようやくブレイクしたとか。メンバーはギターを手に歌うDemeを、パーカッション、コラ、ベース、ギターの4人がサポート。コラとパーカッションの2人は兄弟のよう。コラを用いるバンドを見るのは3組目ですね。どんな楽器か、過去見たものを紹介。コチラコチラ。紹介文にはフォークという単語がありましたが、楽曲は盛り上がるようなものも結構あり、多彩な感じ。途中からはお客も立ち上がって、ダンスモードに突入。サポートのギター、トーキングドラムや球状のパーカッション(名前分からず低音でボワボワ鳴る)を操る演奏者がいい味出してました。
 
 ラストはStaff BENDA BiLiLi。コンゴのストリートで暮らす彼らが苦労しながら成り上がっていく様を撮ったドキュメンタリー映画がカンヌ国際映画祭で好評だったとかで、かなり注目を浴びているよう。今日のお客さんの大半が彼らお目当てであったようで、最初から立ち上がって歓迎します。この日MCを務めるピーターバラカンからの紹介の後、映画のダイジェストがステージ後方に流されて、メンバー登場。熱狂的に迎え入れられます。以下、前日にその映画を見たこともあって、その内容とともに彼らの演奏の感想を。
 
 メンバーはバンドの創始者のRickyを中心にボーカルを取るメンバーが4人、ギター/ボーカルを務めるCoco、サトンゲというオリジナル楽器を操るRogerという唯一の若手(19歳)、ベースのCavalier、ドラムのMontanaという8人組。最初の5人はポリオ(急性灰白髄炎)にかかっており、車椅子に座っての演奏。ラッパーを務めるKaboseは唯一杖を持って立って歌います。音はドラム(ストリートに落ちている缶などを拾って組み立てた独特のもの)とベース、ギターという3人で強力なグルーヴを生み出し、そこにサトンゲの音が空中を舞うかのように味付けされます。空き缶の底に竹をくっつけ、空き缶の上部分と竹の先に一弦を結んで、それをはじいて生み出す楽器。キュイーンとしたギターとテルミンの中間のような音が出ます。
 
 映画では、Staff BENDA BiLiLiに将来性を見出したフランス人がアルバムデビューを目指して彼らに出資する代わりにドキュメンタリーを撮らせてもらい、デビューにこぎつけるまでの5年間を描いています。その途中で映画スタッフが若干14歳のRogerを見出してバンドに紹介、加入しますが、14歳の時点でサトンゲ一本で食べていくという気概を持って生きていて、その目はまっすぐ。同年代の子供達は食べていくために盗みもやむなしだったところを、演奏で食っていくんだーという心意気を買って、Rickyはメンバーとして迎え入れます。バンドには良いアクセントになっていて大成功と言えるのではないでしょうか。彼はステージ向かって左側に位置し、バンドの演奏をにらみつつ、サトンゲをつまびき、クールな佇まい。
 
 曲はベースとドラムを除くフロント6人がメインボーカルを交互に取り、他のメンバーがコーラスを取りますが、その楽曲の良さとコーラスワーク、時にはさまれるラップというより叫び声のようなKaboseのボーカル、笑顔でダンスしながら歌う様に高揚させられます。ステージ後ろには、歌の日本語詞も映し出されますが、それも効果的。彼らの詩は自分達が暮らす現状をまっすぐに伝えるだけといえばだけなのですが、シニカルな面が一切なく、パワーにあふれてダイレクトに伝わってくるもの。
 
 アンコールでは前の2組もダンサーとして加わっての大団円。その光景は感動的でしたねー。はるかかなたの異国の地で、それぞれに困難な現状と歴史を背負ったアフリカの国々のメンバーが同じステージに集まって、ダンスする。。映画でもそうだったんですが、アフリカの方からすると、遠くの国として見えているのはヨーロッパのみのような気がするのですが、そこからはるかかなたの国で、これだけ熱狂的に迎え入れられているというのは、彼らも感慨深いものがあったんではないかなーと。
 
 今では裕福になってきちんと家に住めているであろうStaff BENDA BiLiLiのメンバーですが、映画でも今回のライブでもみんな一様におしゃれでしたね。ストリートに映えるカラフルな服はみんな似合っていました。メンバーの中にはミシンで服を作る方もいらっしゃいましたが、どこから服を買って(もしくは集めて?作って?)たんでしょうかね。

author:de nudge, category:festival(World Beat), 13:46
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2008/07/06 WORLD BEAT 2008 at 日比谷野外音楽堂
 プランクトンというところが主催している音楽祭。たぶん2年前に行われたKonono No.1,ROVO,渋さ知らずオーケストラという組み合わせのライブ以来の2度目だと思うのですが、自分はそれに引き続いての参加。そのときはかなりのぼせあがって楽しんだので(なぜか隣の酔っ払いカップルと一緒に盛り上がったり)、今回も楽しみにしてました。
 
 初めは渋さ知らずオーケストラ。ひさびさに見るのですが、ほんとに高揚しますね。最初は客席中央で管楽器隊が生で演奏するところからスタート。いろんな踊り子やら加わってぐわーっと盛り上がります。今回演奏中に絵を描いていた方と、両脇のはしごに上ってバナナを持ちながら踊ってる(曲のリズムを無視した独特な時間軸の踊り。あまり目も合わせることなく揃ってたのがすごい)方は初めて見たような。ラストの「Naadam」「本多工務店のテーマ」はオーオーオーとかラーラーラーとか歌ったりして。
 
 続いてはTHINK OF ONE with CAMPING SHAABI。THINK OF ONEは2004年のフジロックで見て以来(このライブはかなり楽しかったです)、2度目。ベルギーのバンドですが、各地のミュージシャンと組んでいろいろ演奏されているそうで、フジの時のブラジルから今回はモロッコの方と組んでいるそうです。メンバーはTHINK OF ONEがギター、ベース、ドラム、キーボード、管楽器×2という6人で、そこに女性ボーカル(おばさま)2人、バイオリン、踊り+ボーカルという男性の4人がCAMPING SHAABIのようです。モロッコのグワナという音楽にいろいろ味付けをしているようです。陽気な感じがメインのブラジル組に比べると、もう少しじんわりと盛り上げていく感じですかね。途中、羊の皮かなんかで使ったトンコリみたいな素朴な音を出す楽器で演奏した曲とかもありました。なんの曲か忘れてしまいましたが、有名曲のフレーズを織り交ぜたり、ラップしてみたりと多彩な展開を混ぜながら、トータルではモロッコの音楽を核に置いていて、楽しかったです。
 
 トリはBALKAN BEAT BOX。イスラエル出身の方がニューヨークで結成したという6人組。PCを使っていろんなビートを出しつつドラムを叩く方、ベース、ギター、ラップ+パーカッション、サックス×2という構成です。バンド名にもあるように、バルカン半島独特のビートを中心に据えているそうですが、聞いたことがない自分にはどの辺がバルカンビートだったのかは分かりませんでした。ただなんかヘンテコ感があっておもしろかったです。これに、ヒップホップなビートやラップを加えたり、管楽器がクレツマーのフレーズ(こちらを参照。一度聞くと耳にこびりつく独特のものです)を入れたりと、ごった煮加減がおもしろいです。
 
 最後は、3バンドの共演。今回は事前にどんな感じでやるのかを決めていたようで、2曲ほど。BALKAN BEAT BOXのビートにTHINK OF ONEのリズム隊が合わせていく感じで、他の方々もステージに上がって演奏や踊りを加えていきます。最初の方での多くの管楽器隊が一斉に吹くクレツマーのフレーズが良かったですね。2曲目はもろダンスミュージックな展開になっていったのが意外でした。キレイに収束した今回も良かったのですが、実は前回のような収集のつかなさ(Konono No.1が出すパーカッションやリケンベを中心にROVOのドラム隊が合わせて、渋さの面々が暴れるという展開。ROVOのギター山本精一は引っ込んでいたのですが、渋さのダンドリスト(段取りする人)の不破大輔に手を引っ張られステージ中央に連れてこられる。ギターも無しでたたずんで呆然とする山本精一は、突然ペットボトルの水を客席にぶちまけた後、コケーコケーっとカラスみたいな泣きまねをしてすぐに引っ込む。演奏は延々と続き誰がどうやって終わらすのかなと思っていたら、不破大輔が言葉も通じない相手もいるのにも関わらず、手を振りかざしてみんなに合図して収束させてました。すごいと思いましたねー。)も期待していたのでした。。
author:de nudge, category:festival(World Beat), 00:00
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