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2024/01/28 Elephant Gym at 渋谷O-EAST

 初めて見る台湾から来た男性ギター/キーボード、女性ベース、男性ドラムの3人組ポストロックバンド。ギター/キーボードとベースは兄弟。2階席から見ました。1時間45分ほどのライブ。
 
 広いステージの前方に上手からギター/キーボード、ベース、ドラムと横一線に並んでのライブ。最初に演奏した2曲はインストの曲。複雑なリズムとアレンジでアンサンブル面が強い演奏を聞かせる、いかにもポストロックな曲を聞かせます。3曲目の「Shadow」という曲ではベースが歌います。ささやくように響かせる歌声が音ともマッチ、途中ドラムがお客に手拍子を求めていました。ポストロック中心にやるバンドでは珍しいと思いました。その後も2,3曲で手拍子促す場面ありでした。
 
 4曲目「Go Through The Night」はギターからキーボードに担当楽器を変更します。曲によりほんのりとプリセット音を入れていて、この曲もアコースティックギターを効果音的に使っていました。複雑なアンサンブルでかつプリセット音との同期というのも大変そう。「この曲が一番緊張した。」と後のMCで語っていました。5,6曲目はシークレットゲストを迎えます。日本の男性ボーカルTENDRE。共作したという「Feather」という曲を日本語詞で、音源ではWONKの長塚健斗がボーカルで参加している「Quilt」という曲を英語詞で歌っていました。ソウル面が強調されたアレンジで細やかなリズムと歌声の噛み合いが心地よかったです。
 
 TENDREがステージを去って3人で何曲か。ここからの数曲ではステージ後ろのスクリーンにでかでかと映像を流しながらの演奏でした。全編に映像組み込むのではなく数曲のみに留めるところにこだわりを感じました。モノクロームの映像が映っているスクリーンに近づいて、それを見ながら(客席から見ると後ろ向き)ベースを弾く姿がめちゃかっこいい。インスト曲多めですが、ボーカル曲もいくつかやっており、曲によって様々なタイプあるなと。軽快なギターポップなメロディをポストロック基調のアレンジで聞けるのがいい感じでした。「Name」は亀田誠治プロデュースであることを触れてから曲に入ってました。かなりいろんな日本のミュージシャンと組んで曲作ってるんですね。
 
 そしてあらかじめ予告されていたゲストを迎えます。象眠舎の小西遼(CRCK/LCKS)がまず登場。後で気づいたのですが、共演は象つながりからですかね。象眠舎は不定形な活動を行う集団のようで、この日は小西含む4人の管楽器隊が加わりますと説明。まずは小西のサックスとElephant Gymのメンバーで1曲披露、ジャズ寄りなポストロックといった音を聞かせます。その後、フルート、トロンボーン、トランペットが加わってゴージャス感ある曲、フルートのみ残ってベースと複雑な音をユニゾンで弾く曲など披露します。特にフルートとベースのユニゾンはスリリングでゾクゾクくるものありました。
 
 終盤は3人のみになって畳み掛けます。男性2人はそれほど飲み物取っていないですが、ベースはビールをぐびぐび飲みながら(500ml缶2つ空けてたような…)演奏していて、よくあんな複雑な演奏できるよなと。静と動がくっきり浮かび上がってくるような聞かせ方も随所に入れてきて、動の場面は荒々しく各楽器が音を鳴らしていました。「Finger」という曲は端正なベースリフから始まり高まっていくギターリフと心地よいギター演奏をストーリーを描くように切り替えて聞かせてそして盛り上げていくもので恐らく人気曲。お客さんからのリアクションもひときわ大きかったです。
 
 ベースが「もう後2曲。私達はアンコールやらないのでその2曲で終わるよ。」みたいなことを言うと、お客からえーという声が上がります。それ聞いて「みんな疲れてない?私はもう眠い。」と笑わせます。まああれだけ飲んでたらねーと。そして象眠舎の4人がステージに戻ってきて2曲披露して多幸感あるモードで締めました。中盤にも1,2曲ありましたが、カナダの多幸感モードを得意とするバンド(Broken Social SceneやArcade Fireなど)の世界にも通じる音を出していた曲でした。最後の曲の終盤でベースがオフマイクで「ありがとー」と叫んで、ブレイクしてから怒涛感ある音で畳み掛けて最後を飾りました。想像以上に音の世界が広大なライブといった印象で楽しかったです。

 

 MCではそれぞれが長い日本語のメモを用意して読み上げていました。みなさん発音きれいでしたが、とりわけドラムの方が日本語の発音きれいでした。おとなになると純粋な面を失うけど、、とか、10年前に初来日ライブをした時はこの会場の近くでキャパは小さいO-Nestだったのが今回は大きなO-Eastでしかもソールドアウトで嬉しいとか、来月からアメリカツアーするので宣伝よろしくねーこの曲では動画撮っていいからなど語っていました。最年少のベースが現在30歳ということで、初来日時は20歳になります。その年齢で既に海外ライブをしていたってのがすごいなと。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 20:15
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2023/10/11 PHONY PPL at duo MUSIC EXCHANGE

 前述のイベントを見終わって、船堀から渋谷へ移動。4年ぶり2回目に見るアメリカ・ニューヨークからやってきたソウルバンド。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの男性5人組のライブを見ました。チケット売り切れで満員。この会場は客席に2本の柱があって、ステージ全部見渡せる場所が限られているのですが、2階の客席中央の場所が確保できて大体の時間において5人の姿が見れました。アンコール含めて1時間半のライブの感想を書きます。
 
 2018年に発売されたアルバム「mō'zā-ik.」ではまったのですが、去年「Euphonyus」という新譜を出していたそう。こちらは未聴でした。曲によりジャジー、ファンキー、ヒップホップな要素を入れ込んでるものはありますが、全体的には直球なソウルメロディを真っ直ぐに聞かせる、でもエンターテイメント性にも溢れていてどの曲もウキウキと聞きました。フロントに立つボーカル、ギター、ベースの3人があれこれ動き回り、お客を煽りまくります。特にベースの人の動きは愛らしさ満点。横ノリ中心のライブでここまで高揚感溢れる体験ができたの久々だなーと、めちゃ楽しみました。
 
 序盤にやった「Either Way.」「somethinG about your love.」の流れが最高でした。キーボードの心地よいリズムにうっとりするように聞かせる「Either Way.」、ほんのり弾ける演奏にめちゃ好きなメロディの組み合わせが最高な「somethinG about your love.」。「somethinG about your love.」では途中客席を半分に分けて、輪唱でコーラスするよう指導します。上手側(自分はこちらでした)は上に音階を上げていく「オーオーオー」、下手側は下に音階を下げていく「オーオーオー」。このコーラスをバックに演奏や自由な歌が加わり、大盛りあがりしました。
 
 ボーカル中心に盛り上げ方が非常にうまい。傍観者モードになりがちな2階のお客さんへの煽りも容赦ありません。コールもっとやれと積極的に働きかけてました。心地良いグルーヴに包まれる演奏主体ですが、ギターとドラムはそこから外れる要素も入れていました。ギターは轟音、ノイズみたいなところまではやらないですが、結構派手な音色で随所に聞かせていました。そんな彼が着ていたTシャツはSonic Youth。ドラムはキレあり早く叩きまくる場面やボトム強い叩き方をする場面などいろいろな聞かせ方をしていました。そんな彼が着ていたTシャツはLed Zeppelin。ドラムの人は演奏時は寡黙に叩いていたのですが、アンコールでは他のメンバーより一足先にステージに戻ってきて、客を煽りまくってました。
 
 本編終盤にやった「Before You Get a Boyfriend.」は前回フジロックで見た時も「オーオーオーアーアーナナナナナナナナナナナナオー」とお客さんに歌わせてましたが、今回振り付け付きでした。「O」のポーズ→「A」のポーズ→両手の指を左右に振るというパターンを繰り返しながら歌いました。ライブ終盤になるにつれて、それぞれのソロも存分に入れ込んできて、そういった展開も良いなと思わされました。グッズのTシャツを買ったお客を褒めて「みんなも後で買えよ」と煽ったり、客席手前に降りてハイタッチ交わしたりと非常にフレンドリー。
 
 満杯のライブハウスで特濃の熱気があったライブは最高でした。広い野外でも映えるライブだと思うので、いつか見てみたいですね。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 20:29
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2023/03/18 OGRE YOU ASSHOLE at 渋谷O-EAST

 長野を拠点に活動するボーカル/ギター、ギター、ベース、ドラムの男性4人組バンドOGRE YOU ASSHOLE。3ヶ月ぶり11回目に見ます。今度EP「家の外」を発売するそうで、会場で先行発売していました。ライブはそのEPに収録されている4曲含めた1時間半のライブ。アンコール無し、MC無しで音止めずに1時間半演奏しきったライブは圧巻といえるもので、OGRE YOU ASSHOLEならではの確固たる音がありながら、ライブする度にアレンジ、聞かせ方を変えてきてものすごいものがありました。
 
 ゆったりと深遠に聞かせる曲から始めます。ギター×2、ベース、ドラムから出される音の一つ一つはシンプルなものでミニマルに聞かせていきます。深遠な音が繰り返されることでどこか次元の違う場所に連れて行かれるような感覚を味わせてから、次の曲に入ります。チープ目なリズムトラックがベース清水隆史の近くにあるシンセから出されます。ドラム勝浦隆嗣は立ち上がってそのシンセの前に移動してリズムトラック担当となります。ドラムレスでのOGRE YOU ASSHOLEを見るのはたぶん初めて。
 
 シンセを担当するのはライブの中で各メンバー一回ずつやっていました。これもおもしろい見せ方。ギター馬渕啓がシンセからのリズムトラック出しを担当していた曲ではテクノの曲の導入部で聞くようなリズムトラックをしつこく繰り返していく曲は、踊れるほどの強力なリズムは無くてうずうずしてしまうような感覚を与え続けるのが変態的というかなんというかでおもしろいなと。ギター/ボーカルの出戸学から出される音はトランペットっぽいものに加工して聞かせていました。
 
 後でネットで見たセットリストを見ると、最初の4曲はEP「家の外」の収録順にやったようですが、音源とライブで聞いた印象とが結びついていません。。自分の記憶が間違っているのか、これらの曲も(早くも)アレンジを変えているのか。前者かな。。
 
 ラスト2曲はこのところ定番的に聞いている「朝(alternate version)」と「見えないルール」の長尺演奏。そしてこれらの曲を毎回アレンジ変えて聞かせてきます。「朝(alternate version)」はこれまでちっとも朝っぽくない爽やかさがほとんどないアレンジになっていましたが、今回は一つ前にやった曲(「フェンスのある家」)が爽やかさあるもので、それを継承したのか序盤は爽やか目に聞かせていました。ベースリフもその2曲で近しいものを入れてきてそこも流れを意識したようなアレンジだったかなと。警報音的なギターリフが入ってからはどんどん暗闇に潜んでいくかのような感覚を与えてきました。
 
 ラストの「見えないルール」もシンセから出されるテクノなリズムトラックでジリジリと聞かせるところから始まります。ドラムは小さく細かく音をリズムトラックに重ねて、ギターは効果音的にいろいろな音を重ねてきます。出戸と清水は向き合う形でシンセを操ります。ジリジリとした展開をこれでもかと聞かせてから出戸は立ち位置戻り、ギターを手にし歌い始めます。そこから跳ね系リズム中心でノリノリなモードになり、上昇させていきます。これまでほんのり肩を揺らす程度のリアクションだったお客さんも反応が熱くなっていきます。清水がベースを手にして、ブレイクはさんでからは爆発。すごい盛り上がりでした。ラストの爆発的な展開部分で機械音が一切なくなり、四人の演奏のみで熱く聞かせるってのがすごいと。馬渕の爆裂ギターを聞いていて、ここに至るまでのミニマル中心の積み重ねがこの部分で解放させるために必要だったんだなーという思いを持ちました。
 
 毎度思いますが、どういった形で曲の流れ、アレンジを決めてこういったライブをやるのかなと。4人全員がものすごい自制心持たないとこういったライブは実現できないだろうなーと。
 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 21:01
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2023/02/17 Wet Leg at 渋谷O-East

 イギリス・ワイト島出身の女性2人組バンド。1年ちょい前にYoutubeのTiny Desk Concertを見て気になっていたバンドで、コンサート見たいなと今回の初来日ツアーチケット取っていました。この1年の間にグングン人気を伸ばして、アメリカのグラミー賞やイギリスのブリット・アワードのいくつかの部門で賞を獲得したそう。それらの出演が入ったために、当初はこの前の日曜公演だったライブがこの日にずれこみました。会場は満杯。2階の椅子席から見ました。
 
 デビューしたばかりで持ち曲が少なくライブ時間が短いということもあるのか、前座でDJを入れていました。HannaHというDJで45分ほど。ソウル、ヒップホップ、テクノをあれこれ流しつつ、おもしろい音をそこかしこに入れていきます。1階のスタンディングはフルハウスで込み込みの中、お目当てでないアクトがまったり風味の音を流され続けるのはつらいことが多いので、ノリノリの音を出し続けていたのは良かったと思います。
 
 Wet Legのライブスタート。アンコール無しで50分ほどのライブ。ギターを持って歌う2人(1人がメインボーカル、もう1人がメインボーカルを取る曲も1,2つありました)に男子ギター/キーボード、男性ベース、男性ドラムが付く5人編成。ガレージ、心地よさある音などなどを出しつつ物憂げなボーカルで歌っていきます。事前に音源も聞いていましたが、生で聞いていていろんなタイプの曲があるなと思いました。
 
 朴訥なポエトリーリーディング風に歌い上げていくタイプのもの、パンキッシュに親しみやすいメロディを歌っていくもの、耽美的なブリティッシュ・ロックなタイプのもの、跳ね系リズムに同じフレーズを呪術的に繰り返していくような曲、田舎な風景が浮かび上がるのんびり感あるメロディものなど。全体的に涼やかな印象あるメロディの曲が多いですね。ボーカルにも合っています。アレンジはそれほど凝ったものは無いですが、曲にそれぞれ合っていて楽しく聞かせます。
 
 バンドメンバーが演奏を楽しげにやっているのも良い感じ。Wet Legの2人は向かい合ってせーのでくるっと回転するなんてことを頻繁にやっていました。またサイドステップ踏みながら演奏していたりと。「Wet Dream」のAメロで2拍手拍子するところとかちょっとしたことなんですけど、合わせると楽しいものがあります。2人ともシャイな性格なのかMCは控えめで、サポートメンバーが後押しするようにしゃべっていました。ベースはモスバーガー最高と言ってました。
 
 「Ur Mum」ではドラムが曲の途中で合図するからおまえら叫べよと言って曲に入ります。ボーカルが「イチ、二、サン、シ」と合図するとお客の絶叫がライブハウス埋め尽くしました。これだけの大声聞くの久々と思いました。自分は情けないことに声がカサカサで出ず。この曲の前だったかと思いますが、ボーカルがオタマトーン(明和電機が作った音符の形をした電子楽器)をいじっていました。来日して知ってライブで使ってみようと思ったのでしょうか。
 
 ラストは必殺とも言える「Chaise Longue」。The White Stripes「Seven Nation Army」のようにインストの所で爆発する曲で、歌はいたってクールなのですがギターリフが熱く、こういったアンセムはまだまだ生まれるんだなーと最初聞いた時に思いました。モッシュも出る熱烈な反応。フジロックとかだったらダイブも出るであろう、もっとすごい光景になるだろうなと上から見ていて思いました。フジロック出演予定はまだ発表されていませんが、恐らく今年出るでしょう。どのステージでやるんですかね。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 09:38
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2023/01/07 NETWORKS at 渋谷7th Floor

 10ヶ月振り5回目に見るアコースティックギター、キーボード、ドラムの男性3人組バンド。これまで対バンでしか見たことなく単独ライブは初となります。お正月にこの場所でライブやるのは恒例になっているよう。合間休憩10分ほど挟む2部構成で、1,2部それぞれ4曲ずつ50分〜1時間くらいやっていました。
 
 ライブ前のDJがTerry Riley「A Rainbow in Curved Air」を掛けている中、メンバーがステージに上がってライブ開始。このバンドお馴染みの座り位置、ステージ奥にドラム、上手にギター、下手にキーボードでフロント2人は客席向かずメンバー同士が向き合う形で演奏します。ドラムの前に大きな透明の瓶に生けられた花が飾られています。こちらも単独ライブではお馴染みのよう。
 
 ミニマルな音を10〜20秒ごとに切り替えていって上昇するかのような音の積み重ねをしていく独特の演奏スタイル。暗闇に光を射すとか、桃源郷に辿り着くとかの表現をしたくなる音像です。3人の人力の音だけでここまでシンフォニックに聞かせるのが毎度すごいと思います。サンプリング+ループを使わずに分厚い音を構築しています。
 
 乗りやすい4拍子だけでなく、変拍子でリフを積み重ねたり、3人のリズムが異なるポリリズム的な展開も随所に聞かせます。今回聞いていて、音の感触は違いますがPARAを思い出したりしました。メロディアスに弾くことは一切せずにリフを重ねていくことでポップ感を出しているスタイル。
 
 インストバンドなのですが、1部の2曲目にはボーカル曲もありました。前回見た時も聞きましたが童謡のような懐かしいメロディを朴訥としたボーカルで曲の最初と最後に歌い上げていき、その世界観をインストでじんわりと広げていくような曲。
  
 MCはドラムが担当。無言の時間になることを厭わないMCスタイルがおもしろい。ステージに置かれた花は「皆様に持って帰ってもらいたい。」と、ハサミと包む英字新聞、マスキングテープを持ってきて「これ使って分けて下さい。」と。最後の曲前は「毎年やっているこのライブの恒例にしたいので。」と他の2人にもしゃべらせます。会話の流れが把握しきれなかったのですが、結成当初にドラムがなくて、キャベツの千切りでリズムを出したライブをやったりしたことがあるそう。どんな感じのライブだったんですかね。
 
 「学生時代の友達が集まって、好きな音楽をやり続けてきた。ただ好きなことをするにも、良いと評価してくれる人やこうやってライブを見に集まってくれる人がいないと続かないので感謝しています。」と。これは本当そうだよなーと。音楽に限らず仕事に限らずですよね。一人の趣味とかであれば、クローズにずっと続けるってこともあるかもしれませんが、複数で何かをやるとなると何かしら外の評価があることが続ける糧になりますね。
 
 この日は日中ジョギングと散歩で2万歩ほど動いた後で、このライブに参加しました。そこで2時間立ちっぱなし。ぎゅうぎゅうな空間じゃなかったこともありますが、最後まで元気に聞くことができました。ここ数年体の衰えを自覚しつつあるので、この日比較的元気に過ごせたことがうれしかったです。翌日響いてそうですが。。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 09:28
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2022/12/16 stico、吉田一郎不可触世界 at 渋谷O-nest

 2組の対バンライブ。sticoの関根史織企画のよう。sticoは2年前にネット配信ライブを見たことありますが、生は初めて。吉田一郎不可触世界はライブ見ること自体が初めてになります。
 
 
 始めはstico。40分ほどのライブ。Base Ball Bearでベース弾いている関根史織が率いるバンドで、前回見た時はギター、ベース、ドラムを率いていましたが、今回はドラムのみ率いた2人編成。ドラムはオータコージ(L.E.D.)で、ドラムセット後ろにある機械も使って効果音鳴らす時もありました。関根はチャップマンスティックという不思議な楽器をこのバンドでは弾きます。King CrimsonのTony Levinが使っていたことで有名な楽器だそうで、縦長のスティック形状の板に10弦張ってあって音域広く、シタールの音につながる倍音的な音も出ます。
 
 ステージ上がった時はどーもどーもみたいな低姿勢だったのが、チャップマンスティックを持ってコンパスみたいなでかいサングラスを付けるとなぜかオラオラモードに。ステージ前方でオータと肩組んでイキった感じで挨拶するとお立ち台に上がって演奏し始めます。演奏直後サングラスは外していましたがオラオラモードは継続。最初の曲と中盤即興っぽい場面と最後の曲はインストで他はボーカル付きの曲。左手がベース音、右手が倍音感あるギターやキーボード音を出している印象でした。倍音感はライブミックスをやっているDub Master Xによるところもあると思われます。
 
 リズムとメロディライン、そして歌も歌ったりと同時にやるには難易度高そうなことをひょうひょうとこなします。魑魅魍魎感あるサイケ、ファンクな演奏に素朴感あるボーカルを乗せるのもおもしろい。一曲ギターポップっぽいアレンジのものがありました。チャップマンスティックで表現するって試みが楽しい。即興演奏の場面では関根、オータともに断続音を重ねていきます。関根はステージあちこちに動き回りつつチャップマンスティックを叩いたり、口に加えたり、客席前まで行ってお客に弾かせたりしていました。
 
 ラスト2曲はかなりの突き抜け感ありました。2人だけの演奏ながら混沌感を増して行って、スピード感ある展開も折り込みつつ大団円迎えた感じです。MCで「普段は冷静な方だと思うんですけど、この楽器を手に取ると高揚したり機嫌悪くなったりと感情の振れ幅が大きくなってしまう。その姿を人前に見せるのが恥ずかしいので最近sticoのライブ控えていた。吉田さんとのライブならその姿をさらしても良いかなと思った。」と語っていました。
 
 
 続いては吉田一郎不可触世界。元Zazen Boysのベースで、ソロになってからは初めて見ます。吉田がボーカル/ベースで、ギター、ドラム、キーボード、ドラムパッドを率いた5人編成。バンドメンバーは固定化されつつあるようで、「吉田一郎不可触世界バンド編成(仮)」と名乗っているよう。(仮)が名前に付くグループと言えばアイドルグループで「アップアップガールズ(仮)」がいますが、バンドでは初めてになるんですかね。
 
 アンコール含め50分ほどのライブ。ステージ中央に立つ吉田、下手に立つギターの2人の体格が大きく、いかつく、圧が強いです。オフマイクでどすの利いた声出ししながらタイミングを合わせたり、客席三方それぞれおじぎするスタイルはZazen Boysっぽいなと思ったりしますが、音楽性はかなり違います。ソウル、ファンクな世界観を軸として、そこにやたらぶっとくビキビキなベース音を入れてきます。時にはドカスカなリズムをかましてきて、元のリズムに戻るなんて展開も随所に挟んできました。乗りやすいファンクな曲はBase Ball Bearファンにも馴染みがあったのではないでしょうか。一曲目のギターリフがサザエさんのエンディング的に感じられたりユニークな要素もありました。
 
 歌も渋めな声ながら太く、いなたさもありましたが、強さが前面に来ていました。tofubeatsのようなラップ+エフェクトたっぷりかますようなフック(このバンドでは実際にはエフェクトかけないですが)のようなメロディものもいくつかありました。一曲フォーク・ロック的なメロディのものもありました。
 
 MCでは今日のライブを楽しみにしていたことを触れつつ「20年前、今日ステージにいるギターとバンドを組んでいた時に東芝EMIにいた〒みたいな顔をした加茂啓太郎という人にデモテープを出したが音沙汰無かった。その頃Base Ball Bearというバンドが加茂さんに気に入られたみたいな話を聞いて調べたりした。どの学校に通ってたかも知っている。」と笑わせていました。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 11:03
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2022/12/04 black midi at 渋谷O-East

 イギリス・ロンドンを拠点に活動するロックバンド。ボーカル/ギター、ボーカル/ベース、ドラムの男性3人組。結成時はもう一人ギターがいたのですが2年前に抜けて現在はサポートにキーボードを入れた4人編成でのライブになります。初めてライブ見ます。2019年以来の2回目の来日公演になるよう。東名阪を回るツアーの初日。人気殺到したためかこの日は1日2回公演行われることになりました。1回目の方に参加。会場満杯。1階下手後方から見ました。
 
 アンコール無しで1時間ちょいと短め。かなり激しいライブでこれを1日2回やるのは(特にドラムが)大変だよなーと。静と動が切り替わっていく曲がほとんどで聞いていてとてもスリリング。ボーカルはギターメインの曲がほとんど。ベースがメインボーカルの曲が3曲くらいありました。ともにつぶやくようなポエトリーリーディングのように渋く歌っていくような歌い方が多かったです。じりじりと静の演奏を進めていって、あるタイミングで突如激しくなっていく時に演奏に専念して怒涛のインストを繰り広げたり、咆哮するように歌を入れてきます。
 
 最初にやった「953」からしてインパクト抜群。いきなりハードなリフとドラムが一体と鳴らされる曲でびびります。キーボードはギターかベースのリフに合わせたりして音の増幅を計ったり、色を添えるような音の出し方をします。なんの曲か忘れちゃいましたが、フュージョン的なアレンジでギターとキーボードのソロを交互に繰り返していく聞かせ方をする場面があって、スタイリッシュさと激しさに加えていろんな音楽を取り込んでいこうとする貪欲さとやんちゃさも感じました。
 
 動となる部分の爆発力がとんでもないです。特に手数がめちゃ多く、スピードもめちゃ早いドラムは怪物と思いました。この動の爆発力はThe Mars Voltaを思い出すものがありますが、音の鳴らし方は違いますね。The Mars Voltaはエモーショナルといった面が強いですが、black midiはスタイリッシュといった印象が強いです。静のパートはジャズ、ロック、ソウルなどをじんわりと感じさせる演奏が多いのですが、それらUKだなーといった面が感じられるメロディと演奏が多いなと思いました。渋い語り部といった歌い方でリズミカルな演奏で進めていく「Welcome To Hell」とかはアメリカンかもしれませんが。この曲はオペラ的な要素もありますね。
 
 インプロでやっているところも多々あるよう。静のジャジーな演奏とかでは、ドラムが左手レギュラーグリップで軽快に叩いたりする場面もありました。その音にじんわり浸ってると、よく演奏合わせられるなーという複雑なリフやリズムで怒涛の音を突如ぶつけてくるので油断なりません。個々の曲で一番好印象だった曲はラスト一つ前にやった「Magician」という曲です。
 
 「Magician」はまだ音源化されていない曲のよう(ライブ終了後会場の外にセットリストを公開してくれていたので曲名分かりました)です。全般にしっとりとした歌い上げ曲でblack midiの売りとなる怒涛の演奏場面は無いのですが、振り絞るように歌っていく声が少しずつソウルフルに高まっていくように響いていって聞き惚れました。まだこれからもどんどんいろんな面で聞かせてくるんだろうなと思ったライブでした。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 21:09
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2022/06/21 OGRE YOU ASSHOLE、D.A.N.、鬼の右腕 at 渋谷O-East

 OGRE YOU ASSHOLEとD.A.N.で定期的に開いているそうな(とはいえ4年ぶりだそう)「Optimo」というイベント。両バンドともにライブよく見ていますが、こちらのイベントは初参加です。今回は鬼の右腕というバンドをゲストに迎えて3組の対バンとなりました。事前に発表されたタイムテーブル見たら思ったより長丁場だったので、2階の椅子席から見ました。
 
 
 最初は鬼の右腕。初めて見ます。35分ほどのライブ。Black Boboiのメンバーだったり、D.A.N.や蓮沼執太フィルのサポート等多種の活動を行う小林うてな主宰のバンドだそうで、以前一回解散してたそうですが、最近再結成したとのこと。スティールパン/ギター/ボーカルの小林に、ギター、ベース、ドラム/ジャンベの4人のバンドメンバー、さらにライブの半分以上の時間出演していた羊と雪男をミックスさせたような着ぐるみ着たメンバー2人の出演です。
 
 バンドメンバーは横に模様がある黒装束を身にまとっています。怪しげな雰囲気の格好で、音もゴシックロックと言いたくなる異様さ漂うものでした。歪んだギターなどゴリゴリとした音にスティールパンの音を絡ませるのおもしろい。着ぐるみ2人は途中から這って出てきます。音の傾向が変わるに伴いいろんな動きをしてました。バンドメンバーが突如縦笛四重奏をし始めたところで立ち上がりヘンテコなダンスをします。
 
 一旦引っ込みますが、しばらくして再登場、斧を持って踊ります。バンド音もどんどんダークさを増していき、最高潮に達したところで小林も斧を掲げ、そのままフリーズ。幕が閉じられてライブ完了となりました。なんというかの初めて接する世界観で、どんなイメージから作り上げたんですかね。
 
 
 続いてD.A.N.。1時間ほどのライブ。1ヶ月ぶり10回目に見るギター/キーボード/ボーカル、ベース、ドラム/エレクトロニクスの男性3人組で、サポートに先程出演していた小林うてながキーボード/スティールパン/ハープで加わります。D.A.N.は3ヶ月連続でライブを見るのですが、毎回形態変えています。今回はシンプルなセットになっており、櫻木大悟は曲によりギター使ったりしますが、この日はキーボードのみ。川上輝は4月のライブではドラム使わず(5月のライブでは曲により使い分け)エレクトロニクス使用でビート出していましたが、この日はドラムのみでした。
 
 メロウな感覚をふんだんに盛り込む世界観は共通項としてありつつ、ライブによりアレンジをあれこれ変えて聞かせてくるので毎度変化を楽しむことができます。終盤にやった「Overthinker」はドライブ感あるドラムを軸としてミニマルな世界をノリノリで聞かせた後、続いてやった「Chance」で落ち着いて波を漂うような歌を聞かせてくる展開、そして途中スピードアップしてカタルシス生む展開とか熱かったです。最後は「Native Dancer」で締めました。1stアルバムの曲を聞くの久々でうれしかったです。封印してたわけじゃないんですね。
 
 
 最後はOGRE YOU ASSHOLEで1時間ほどのライブ。長野を拠点に活動するボーカル/ギター、ギター、ベース、ドラムの男性4人組バンドOGRE YOU ASSHOLE。1年ぶり8回目に見ます。こちらもライブごとに聞かせ方をどんどん変えてきて、ワクワクさせられます。最初の曲はギターの馬渕啓はギター使わずエレクトロニクスから断片的な音を出していきます。他楽器も合わせて、ミニマル、スカスカなリズムをダブエフェクト使った加工もさせながら端正に積み重ねていきます。
 
 音をじわじわと積み重ねてきたかと思いきや、4人が鳴らす音のみでシンプルに聞かせたり、パーカッションのみの演奏になったりと緩やかな変化を楽しみます。時には何かの修行かと思わせられるほどのストイックな音の積み重ねで、聞き入ると見えてくる桃源郷といったイメージが毎度あります。
 
 ラストから2曲目にやった「朝(alternate version)」は体感的にはこの曲だけで30分くらいやっていたんじゃないかというくらいの長尺で、音源はもちろんこれまで聞いてきたライブでのアレンジともまた変えて聞かせてきました。前半は音源に割と沿った展開で、歌詞やメロディはタイトルの朝っぽい感覚がありますが、演奏はまったく朝っぽくない、おどろおどろしい音で特にサイレンのようなギターリフが怖いといった感覚も与えます。そしてブレイクを入れると一転さわやか穏やかな音を聞かせてきます。ノリもあるリズムを時折入れ込むような起伏持たせつつ、余韻たっぷりアウトロ的に聞かせました。そしてラストの「他人の夢」は目覚めた後のボケーッとした頭の中で響くような音と歌をじんわりと聞かせます。こういった流れで締めるのがらしくて今回のライブも素晴らしかったなと。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 19:20
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2021/12/11 ayutthaya at 渋谷O-Nest

 5ヶ月ぶり6回目に見る女性ギター/ボーカル、男性ベースの2人組。バンド自身初となるワンマンライブ。ギター/ボーカルの太田美音は過去やっていた別バンド含めワンマンライブが初めてになるそう。何回か延期になってようやくこの日のワンマン開催にこぎつけました。チケット売り切れで配信ライブも行われていました。ライブは男性ギター、男性ドラムがつく4人編成。ドラムがこれまで見てきていた方と変わっていました。ギターは藤谷真吾(1inamillion)、ドラムは吉木諒祐(THE NOVEMBERS)。
 
 開演前に会場で流れていた曲は前回見た時もそうだったのですが、懐かし目のヒップホップとか最近のバンドものなどあれこれ流れてました。Arrested Development「Tennessee」とか久々に聞いてかっこいいよなーと。Lou Reedの「Walk On The Wild Side」をサンプリングしたヒップホップ曲の数曲後に、最近の曲であるHAIM「Summer Girl」を流していて、これは意識的な選曲でしょうね。お気に入りの曲で聞けてうれしい。
 
 アンコール含め13曲1時間10分ほど。一発目の「chu-ni」の入りから音がでかく、こういった小さめのライブハウスでライブ見る機会減ってきているので、久々にビリビリ来る音を体感したなーという思いを持ちました。オルタナロックなアレンジが中心で、ギター轟音を効果的に入れつつ、そこに右田眞の細やかなベースがうねっていくのが耳惹かれます。nenemというインストのテクニカルな音を出すバンドもやっている右田のベースが、こういったオルタナロックの音に加わるというのは最初ライブ見た時からいい組み合わせと思いました。
 
 素朴なかわいさある風貌、がらっぱちな振る舞い、切なさと力強さを兼ね備えた歌声と多面的な魅力でギターを弾き歌う太田のフロントマンっぷりもすごく良くて、ミドルテンポのもの、早いリズムのものなどタイプが違う曲の中で神通力あるメロディと歌声の組み合わせがいいなと思う場面が多々ありました。
 
 横揺れで軽快に聞かせる「devil」は終盤に怒涛のインストパートがあるのですが、カタルシスありますね。そして次にやった「GUM」は自分がayutthayaを知ったきっかけの曲で今も一番好きな曲。切々と歌い上げるメロディがまず好きですが、物哀しいベースリフとか、歪んだギター、ちょいブレイクを入れたりする場面があったりと、個々の音がすごく良い感じに浸れます。その次に突き進むようなスピード感ある「そうでもない」をやって前半終了。
 
 後半スタートはゆったり目に聞かせる曲中心。「君なら」の次にやった新曲の「ハイブリッド」は青春味あるメロディでほんのりとしたこぶしを聞かせた歌い方がいい感じ、歌い上げた後のギターソロも胸の高まりを描くように聞かせていてそこも良いです。本編最後は「my bad」「mottainai」「ドラマ」と賑やか目な曲を繰り出して終了します。「mottainai」の呪文のような「もったいなーい」と繰り返すところから、ギターの轟音リフになだれ込んでいく展開は毎度熱いものがあります。
 
 アンコールに「BACK」をやって終了。この曲は太田のギターリフと歌がせーので始まるのですが、ギターの音色が違っていたようでやり直し。「アンコールで良かった。本編だとやり直しが難しかったかも。うちら事務所に所属していないから良かった。怒られない。反省はするけど。」と言いつつ音を直して、無事に再開できました。またワンマン見たいですね。これまで5曲入りEP中心の音源発売でしたが、いつかフルアルバム発売してのワンマンライブを見てみたいです。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 08:45
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2021/05/29 OGRE YOU ASSHOLE at 渋谷O-EAST

 長野を拠点に活動するボーカル/ギター、ギター、ベース、ドラムの男性4人組バンドOGRE YOU ASSHOLE。半年ぶり7回目に見ます。活動15周年記念ライブ。2階から見ました。アンコール含めて1時間50分ほどのライブは渦巻く音の洪水、反復のリズムの気持ちよさ、素朴な感触あるメロディとボーカルを堪能しまくりました。めちゃのめり込んで聞きましたね。
 
 1曲目からギターの音をダブエフェクトで増幅し、幻想的な世界を作り上げます。ギターとドラムでリズムを作り出しベースがメロディアスに弾いていたのは、このバンドでは珍しい聞かせ方かなと思いました。1曲目終わりに短い挨拶をして盛り上げ曲をどんといきそうな雰囲気でありつつ、そうではない音数が少ない曲をもってくるのもおもしろい。カクンとなるドラムのリズムを軸に淡々とした歌で緊張感ありつつ聞かせます。
 
 前回のライブでも聞いた「ムダがないって素晴らしい」はさわやかなソウルのメロディでリズムも気持ち良く聞かせるのですが、このバンドならではのくせはありますね。音を止めず「素敵な予感」に入る流れもこうくるかと。一変した溜めのあるリズムでギターの音が空間を埋め尽くします。この曲を初めてライブで聞いた時はツインベースでやっていたのですが、またあのバージョンでも聞いてみたいですね。
 
 「朝(alternate version)」はドラムが最初に鳴らすカコカコした音が目覚めっぽい雰囲気は出しますが、その後の空間がぐんにゃりしたようなめくるめく音を舞わせて目覚めには大変悪そう。その中で「おはよう」と歌うのがちょっとシュールでおもしろい。OGRE YOU ASSHOLEの曲はAメロ→Bメロ→サビみたいなわかりやすいポップスのパターンで聞かせることは少なく、AメロとBメロのみとか、同じメロディをひたすら反復させるように聞かせることが多いのですが、そのメロディ自体は耳馴染みよいものが多く良いなーと浸れます。
 
 「見えないルール」はかなり弾けて聞かせてました。1階のスタンディングエリアはこのご時勢とあって1メートル四方のテープが床に貼られそこに1人が固定でいるようになっていて自由には動き回れない状態なのですが、その中でゆらゆらと踊る人がたくさん。自分も座りながらですが、ノリノリで聞いちゃいました。そして、この曲を起点に終盤を畳み掛け、、をせずにじんわりと4曲連続して本編を締めたのもまたらしいなと。
 
 「記憶に残らない」はメロディはフォークとかグループサウンズってな聞き味があるのですが、音はじんわり聞かせるものながらその方面には寄らない聞かせ方で音を出しているのもおもしろい。「夜の船」はシティポップなメロディで音もそれにあった感触ありつつほんのりサイケな音を入れ込んでいました。「動物的/人間的」は静かにホワイトアウトするといった感触の曲。本編ラストにやった「ユーレイ」という曲はシンバルを細かく連打してジリジリと聞かせて最後までやり通して聞かせていました。後で音源聞いたのですが全然別物といったもので、どなかたが上げてくれたセットリスト見ない限り、あの曲ねとは分からないほど。
 
 アンコールを求める手拍子が鳴る中、どこからか音が鳴らされて手拍子が止まります。「ROPE LongVer.」のちょいチープ目な音がしばらく鳴り続いて、あれメンバーは?と思っていたら、メインステージ向かって右サイドにあるミニステージの幕が上がって、なんとそこでメンバーが演奏していました。これはO-EASTならではの趣向、めちゃ楽しい演出。ドラムは簡素なスタンドドラムセットだし、4人が横一列で並んで演奏してるしで、さながらカントリーモードな「ROPE LongVer.」。数分演奏した後、音を止めないままギター、ドラム、ベース、ボーカルの順番でメインステージに移動して演奏していきます。ギター、ドラム、ベースの3人がメインステージに揃ったところで、いつものモードの演奏に切り替わっていくのですが、そこでの変化が鮮やかで極悪な音といった感じでカタルシスありました。いつもよりリズムも早くなった気がしたのはたぶん気のせいですね。ラストの部分は客席全体も明るく照らされて大団円なフィナーレといった感ありました。
 
 ストイックに音を追求しつつ、のめり込ませて聞かせる仕掛けをしてくる素晴らしいバンドです。またライブ見れるのを楽しみにしています。

 

author:de nudge, category:live(duo,O-Group), 08:33
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