- 2017/02/03 ASA-CHANG&巡礼 at 六本木superdeluxe
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2017.02.04 Saturday
巡礼トロニクスという機械から音や歌を流し、そこに電子タブラやトランペットを吹くASA-CHANG、バイオリンやアコーディオン担当の須原杏、ソプラノサックスやフルートを担当の後関好宏が演奏するという3人編成の特殊ユニット。アルバム「まほう」発売ツアーを去年から続けていて、そのファイナルとなる公演となります。フェスや対バンでは何回も見ているグループですが、単独公演は初めての参加です。2セットあって、休憩やアンコール含め2時間15分ほどのライブは、このグループでしか味わえない聞き入りまくりの素晴らしい時間となりました。
ASA-CHANGがMCで言っていましたが「逆カラオケ」「ビートではないリズム」みたいな言葉に象徴されるように、巡礼トロニクスから流される音や歌にユニゾンでかぶせたり、色付けしたり、前に出て来たりする演奏やボーカルを使って独自の世界を作り上げます。面妖、奇々怪々、レトロな異次元な感覚の中に、哀愁、おかしみ、ほのぼのするような身近な世界が入り込んでいくような音は魅力たっぷり。
ステージ後方にある巡礼トロニクスを取り囲むように3人が位置します。ASA-CHANGは客席に背を向けて座り込んでの演奏。最初の曲は「まほう」に収録されている1曲目「アオイロ賛歌」を。ズチャズチャと、ちょいスカなリズムの昭和歌謡をASA-CHANGが歌い上げます。ライブで一通り聞いて分かったのですが、メンバーがそれぞれボーカル取る曲が1個ずつあるんですね。この編成になって5年目とのことですが、それ以前からの曲もやっていました。「つぎねぷと言ってみた」という曲は巡礼トロニクスから流される声(クラムボンの原田郁子の声)に合わせて、これまでは(以前メンバーだった)U-zhaanのタブラが同期取るように叩いていたところを、管楽器や弦楽器使ってバックのトラックや歌に時々寄り添うような音で世界を作り上げます。
この日のライブ特別版ということで、曲によりダンサーが入ります。康本雅子、菅尾なきさという2人の方がそれぞれソロダンスをするのですが、くねくねした動きをしながら巡礼トロニクスの音と同期を取るようなダンスをしていて、楽器で表現するのと同じスタイルをしていたのがおもしろい。2曲ほど演奏陣が全く関与せず、巡礼トロニクスとダンサーのみなんてのもありました。映画音楽も手掛けていたそうで、そのサウンドトラックからの曲も。巡礼トロニクスからセリフが流されて、そこに生演奏で世界を作り出すのは、さながらサイレント映画にバンド演奏をかぶせるようなものを、セリフバージョンでやってみた感がありました。そして、最初のセットラストの曲は途中から後関がダンスに加わります。きちんとコンビでダンスをしていて練習したんだろーなーと思わせられるもの。以前、ゆあきといというユニットのライブに後関がゲスト参加をしていて、1曲ボーカルの一十三十一と踊りながら歌うなんてデュエットしていたのを思い出しました。多芸ですね。
2セット目最初の曲は過去音源からの「影の無い人」。こちらもオリジナルとは相当にアレンジを変えていて、バイオリンとフルートから繰り返される物悲しいフレーズと、ビヨーンと鳴る電子タブラの音の中に、巡礼トロニクスから出される少し怖くなるような声との噛み合わせがすごい。次にやったアルバム「まほう」のタイトル曲である「まほう」は演奏の前に、後関からこの曲が生み出された背景の説明がありました。押見修造の漫画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の世界に沿って作られた曲とのことで、自分もこの漫画去年読みました。吃音者である志乃ちゃんの高校生活を描いたもの。吃音が生み出すリズミカルな面をうまく表現した曲で、巡礼トロニクスから出される吃音者の言葉と、後関が歌い上げる暖かなメロディのボーカルのかみ合わせがすごく良いです。1文字で1音出すことができる日本語の特性をうまく使っているなという曲が多いASA-CHANG&巡礼の曲ですが、この曲なんて最たるものだなーと。「まほう」は2回連続で演奏していて2回目はダンサーを入れてやっていました。そういった見せ方、聞かせ方をするのもおもしろいですね。
2回目最後の曲は「告白」。巡礼トロニクスから出される独白調な声に須原のボーカルが重なる曲で、須原の抑制効かせながらも少し切ない響きの声がいい感じ。歌うのとバイオリン弾くのをこまめに切り替えていて、演奏するの大変そうだなーと思ったり。アンコールは2月3日節分の日ということで、豆まきよろしく歌詞が書いた紙をばらまいてお客に受け取らせます。「カクニンの唄」という曲の歌詞が書いてあって、それをお客全員で歌いましょうというもの。演奏や巡礼トロニクス一切使わず、CDから音を流してメンバーも一緒に歌います。短いメロディをひたすら繰り返す(歌詞は1番から8番まである)曲なので、初聞きでもなんとか歌えます。最後はララララーと歌ったのですが、そこでは音を止めて声だけで。ASA-CHANGが合図してみんなで手を左右に振りながら歌います。ララララーと歌いながら「これを(オシャレ空間な)superdeluxeでやっていいんでしょうか。六本木でやっていいんでしょうか。」なんてお茶目なことをASA-CHANGは言いながら締めていました。
確かに音に聞き入るライブを見に行くことが多い六本木superdeluxeで、ノリノリに手振ったりお客全員で歌ったりすることって、、、、一回ありました。6年前、ASA-CHANGと縁の深い、U-zhaan × rei harakamiのライブ、「川越ランデヴー」でやりました。やっぱやること、発想が似てるんですかね。
- 2017/01/22 空間現代、東京塩麹 at 六本木superdeluxe
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2017.01.28 Saturday
漢字4文字のバンド名2組のライブを見ます。ともに初めて。以前から気になっていた空間現代がお目当てでした。ともに45分くらいのライブ。
最初は東京塩麹。トロンボーン、トランペット、キーボード×2、ジャンベ、ギター、ベース、ドラムという8人編成。Steve Reich的なフレーズのキーボード、管楽器隊とジャンベ、ギターから感じられるアフロビート的な要素が入ったミニマルインスト音楽を聞かせます。ベースとドラムのリズム隊は他楽器と協調取りながら時には曲の流れを変えるようなことも。1曲女性ボーカルを入れた曲とかもやっていました。全体的な印象としては緩やかなリラックス感ある、かわいさもほんのりと感じられるミニマルミュージックといった感でした。最後にやった曲はミニマルなフレーズをどんどん変えていく、展開の多彩さが味わえるものでした。
続いて空間現代。京都からやって来たギター、ベース、ドラムの男性3人組。一切の切れ目なくノンストップで45分突き通す緊張感バリバリのライブはストイックさもあって好みなライブでした。エフェクト使っての音加工無しでの各楽器の切れ味、タイトに絡み合いつつ延々と続けていくリズムの楽しさ、演奏者の息の合わせ方など聞きどころ満載。54-71を思い出すような余計な肉をそぎ落としたようなむき出しの音と対峙している感ありました。時折ギター奏者がボーカルを入れて来るのですが、向井秀徳(Zazen Boys)ばりの念仏的な絶叫や、古い日本のフォーク的なメロディものが多かった印象です。ユニゾンでリズムを合わせたり、ずらしてフリクションを起こしてから元のリズムに戻っていく展開なんかはおーっとなるものですごかったです。
- 2016/04/16 guru host、Dustin Wong、NETWORKS at 六本木superdeluxe
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2016.04.18 Monday前述のライブ見た後に千葉から六本木に移動。キーボード坂口光央とドラム一樂誉志幸のインストバンドguru hostのファーストアルバム「METEOR GALLERY」リリースイベント。このバンドは初めて知ったのですが、ゲストのDustin Wongを久々に聞きたかったのとその辺りの音を出すバンドであれば聞いてみたいなと参加しました。3組がそれぞれ45〜1時間程度ライブしました。
始めはNETWORKS。アコースティックギター、キーボード、ドラムの男性3人組で初めて見ます。10〜15分くらいの長尺インスト曲を4つほど。ギターとキーボードが朝焼けを思い起こすような覚醒感あるさわやかなフレーズを積み重ねていきます。そのフレーズを少しずつ(たぶん)転調させていって、ドラムもその音に加わるようになっていって、ダンスミュージックとしても機能しそうな音になっていきます。エフェクト多用して音をいろいろ加工していきますが、サンプリングは恐らく無しで人力のみのフレーズで音を積み重ねていっている感を出しているのがすごい。そしてあるタイミングでばしっとブレイクはさんで世界を一気に変えて行って、また新たな世界を聞かせて来るところにおおーっとなります。細かな音の積み重ねと三位一体となった音の上昇感が素晴らしいなと思いました。
続いてはDustin Wong。2年ぶり2回目に見ます。ハワイ生まれ日本育ち、中国とアメリカのハーフのギタリストでこちらはサンプリング多用しての一人バンドといった世界を聞かせます。前回聞いた時はギターのみでしたが、今回はキーボードとドラムパッドも使用して、サンプリングする音源を増やします。ドリーミーさがあるほのぼのとしたギターやキーボード音に時々ドクドク来るドラム音をからませて、切れ目無しに曲を展開させます。暖かなボーカルも時折重ねたりして心地よさ満点でした。
最後はguru host。キーボードの坂口はtenelevenや山本精一&THE CROWN OF FUZZY GROOVERSのライブで見たことありますが、ドラムの一樂はたぶん初めてです。30分くらいの曲を2つ。坂口が機械からベースやリズムトラックを流しつつキーボードとドラム音を重ねていきます。Dustin Wongの世界を引き継ぐようなドリーミーさとキーボード音から導かれるスペーシーな感覚がありほどよく乗れるダンスものの世界を軸として、オフビートの入り組んだ世界も織り込みます。恐らく数多くのバンドなどでセッションを積み重ねているであろうお二人の蜜な音のやり取りがすごく刺激的。キーボードの入り組んだフレーズがおもしろなーと思う場面が多々。一樂はドラムの上に小さな金物を載せて叩いたり、笛などの小道具を使った即興っぽいことをやりますが、そこからスムースに明確なリズム出しに切り替えていくところがかなり印象的。フロアタムに小道具載せっぱなしのまま叩きまくっていて、なんかそうゆうのもあまり見たことなく(普通は小道具取り除いて叩きまくる)、おもしろいと思いました。
入り組んだフレーズをそこかしこに入れつつも、軸となるのは気持ち良さがあるダンスものを感じさせる音になっていて刺激さとノリやすさが同居している感じで聞き入りました。途中酔っ払いが演奏しているメンバーの目の前に現れて素っ頓狂な声を出しまくるという迷惑行為(途中退場させられていた)をしているのも構わずに淡々と演奏しているのも単純にすごいなーと思ってしまいました。ただ途中MCで触れていましたが、動揺して少し間違えちゃったとのこと。ライブ終了後、会場でアルバム買いましたが、また音源聞いてからライブ見たいですね。関西方面を中心に活動されているので、東京でのライブ予定は今のところ無いそう。
と、ここまで書いていて一樂ってどこかで聞いた苗字だなーと調べたら、ドラびでおの一楽儀光の息子さんなんですね。同じくドラマーとしての道を歩んでいるって単純にかっこ良いなーと思ってしまいました。後解釈ではありますが、そういえば叩きまくっている姿が少し似ていたような。
- 2011/12/25 山本精一&THE CROWN OF FUZZY GROOVERS at 六本木superdeluxe
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2011.12.27 Tuesday2002年に発売した山本精一(ROVO、PARA等様々なバンドに関与)のソロアルバム「Crown of Fuzzy Groove」のリリースライブ。ものすごいタイムラグがあるリリースライブですが、「かれこれ60人くらいにアルバム制作に加わってもらったが、結局それらの音をほとんど使わず、ほぼ一人で作った音になってしまったので、しがらみがあってうんぬんかんぬん」「このアルバムを再現するに当たってシンセでいいのを弾く人が当時いなかった、他のメンバー含めうんぬんかんぬん」ということで、このタイミングになったそう。会場内は満杯。300人以上のお客が詰め掛けています。外国のお客さんも結構いらっしゃいますね。
このアルバムは発売当初CD屋さんで視聴しましたが、買わずにいました(当時の予算都合のためと記憶)。ただ4年前に青山CAYでやったFernando Kabusacki(ギター)と勝井祐二(エレクトリックバイオリン)、芳垣安洋(ドラム)とのセッションで、アンコールでやったのがこのアルバムラスト曲の「Mantral」で、強烈な印象を残していました。今回アルバムを再現するということで、音源買って聞いた上で臨みます。
メンバーは山本精一に加え、キーボードの西滝太(PARA)、キーボードの坂口光央(teneleven)、ドラム千住宗臣(PARA)、ドラム山本達久(NATSUMEN、teneleven、First Meeting)。山本精一はエレクトリックとアコースティックギター1本ずつに加え、様々な機材、道具を用意しています。ステージの高さがなくほとんどの位置で演奏者が見えないのですが、自分はなんとか前方脇で坂口光央以外のメンバーが見れる位置を確保できました。
ライブはアルバムの1曲目からラストまで音の切れ目なく、約1時間15分ほど。タイトル通りのファジーなほんのりグルーヴを重ねる中で、やさしいシンセ音をキレイに響かせて、どこかに飛翔するようなイメージを堪能しまくりでした。山本精一はバンドメンバーに時折合図を送りながら、ギター、パーカッション、親指ピアノ、ボイス、機材いじったりと大忙し。特にグラスにある水をストローでブクブクと息を吐いて音を立てたり、紙に鉛筆でガリガリと書いたり、その紙をやぶいて音出ししたりしていた場面が印象的。丁寧に各メンバーの音を組み合わせて、アルバムを再現している構成が見事過ぎです。アルバムで聞くよりも各音は立体的に感じられライブならではの表現になっているのも良いですね。風に乗ってふわっと飛んでいけそうな感覚を味わったりも。
様々な展開を聞かせて大団円な「Mantral」へ。ちょっと複雑でユニークなフレーズをしつこく重ねることで生まれるポップ感はPARAでやるものと同様ですが、直角な印象のある音のPARAに比べて、ここはまあるい印象(抽象的すぎな表現スミマセン)。千住宗臣と山本達久のどんどん力強くなっていくリズム、途中から山本精一のギターフレーズにユニゾンで合わせる西滝太と坂口光央のシンセ音で高揚感が増していってこのままいつまで浸っていたいなーと思いました。
曲はやりきったということで、アンコールは無しでしたが、それも全く問題無しの素晴らしすぎるライブを堪能できて良かったです。
- 2011/10/30 Jim O'Rourke at 六本木superdeluxe
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2011.11.04 Friday数年前から日本に住んでいる、いろんな音楽を手がけているアメリカ人のソロライブ。3年ぶり2回目になります。
Sonic Youthにも在籍していたこともあったり、ポストロックシーンにも色々顔を出していたりする方ですが、とにかく守備範囲広く音楽を手がけているよう。日本の映画、音楽も大好きなようでして、演歌の先生に習って歌ったりもしています(そんな映像がYoutubeに上がっていました)。
前回Taico Clubで見た時はアコースティックギターを手に渋い声で歌うパフォーマンスでしたが、この日は機械のみを使った音のみでのパフォーマンス。コンクリート打ちっぱなしの会場の壁に映像が映し出され、O'Rourke自身は客席の後方で座って音出しします。客席の両脇にはセットしきれていないドラムセットとピアノが置かれ、スポットライトも浴びていますが、そこには誰もいません。
映像は単調そのもの。どこかのビルの窓がところどころに光っていてそこに別の光がちらちらと映るもの、夕暮れの町にUFOみたいな物体がゆっくりと降りてくるものなど。その単調な映像と同期するように雑音やノイズ、電子音などをからませた音で明確なメロディ、リズムなどはほぼ無い状態です。大半はその世界に浸ってじっと聞いていましたが、眠ってしまったり、席をはずしてしまうお客もちらほら。
そうした状態が45分ほど続いた状態で、ドラムに山本達久(NATSUMEN、teneleven、First Meeting)が現れ、ドラムのセッティングを開始します。Jim O'Rourke以外誰が出るという事前予告はされていなかったのでびっくり。その組み立てる動作を一心にお客の視線を浴びながら淡々と組み立てた後はシンバルをこするところからじんわりと音だしに加わり、細かく刻みだし、タムなどを叩くところから徐々に加速していって、音もどんどん大きなります。ここでのJim O'Rourkeの音とのシンクロ具合がすごかったです。それまでじっと耐えて(?)聞いていたからこそのカタルシスというのでしょうか。山本達久のドラムは3日前にもNATSUMENで聞いているのですが、そことはまた違う叩き方、のりやすいリズムは皆無でフリーに叩いているのですが、30分以上連打しまくりでもバラエティ豊かで飽きさせない、何か嵐が吹き荒れているようなイメージの瞬間もありました。凄いドラマーですね、近くで見ていたこともあり感動しまくりでした。
最後はドラム音が消え、再びJim O'Rourkeの電子音のみなって10分くらい続いたところで終了。最後までピアノが使われなかったのがあれ?って感じでしたが、この見せ方、聞かせ方はこの人ならではなんでしょうね、なかなか味わうことは無いであろうライブでした。
- 2011/04/16 U-zhaan × rei harakami、Open Reel Ensemble at 六本木superdeluxe
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2011.04.23 Saturday休日の六本木。ライブは20時からだが、18時に来てCLUB HOUSEというビアパブに行く。早い時間ということもあり、他のお客がいない中ゆったりと過ごしました。3月にオープンしたばかりのお店で開店した3日後に地震が起きて、なんとも幸先が悪いとお店の方はおっしゃっていましたが、アウグスビールやスノーブロンシュなど他では置いていないビールが飲めるし、マグロとの取り合わせも最高でおいしかったです。
酔っ払った状態でライブハウスに入ります。200人くらい入る会場は満杯。初めはOpen Reel Ensemble。先日のSonarSoundにも出ていたはずですが、自分は見ていなく今回初めて。その名の通りオープンリールを駆使して音楽を演奏するバンド。メンバーはオープンリールを扱う3人、ベース、ドラムという5人。正式メンバーはこの内2人のよう。複数台並んだオープンリールを操ったり、エレクトリックバイオリンやギター、ボーカルなどあくせくと働く3人に、リズム隊がほどよりのりを添えて、かわいらしいといえるものや気持ちの良い音を集めたといえるものでインスト曲を演奏していました。オープンリールといえば、これまでBoredomsのEYEが使用しているのが印象的ですが、今後増えていったりするんですかね。
続いてU-zhaan × rei harakami。元ASA-CHANG&巡礼のタブラ奏者と電子音楽奏者のユニット。初めはrei harakami一人が登場して2曲ほど。そこからU-zhaanが登場して「cape」「jippun」「おかし」を演奏。電子音とタブラのかみ合わせはなかなか良いですね。「cape」「おかし」はrei harakamiの楽曲で「おかし」のスピード感あるビートがタブラで増幅していて良い。「jippun」はASA-CHANG&巡礼の曲で元々アレンジをrei harakamiがしている曲。ASA-CHANG&巡礼ではやらせてもらえなかった曲だとか。
そこからrei harakamiはギターを持ち出して歌う展開に。人前で歌うことは嫌ってそうな感じでしたが、以前ustreamでの生放送でゲストの七尾旅人に促されて歌ったことがきっかけになったのか、堂々としたうたいっぷり。U-zhaanはタブラの他にASA-CHANG&巡礼でも使っていたフリューゲルホルンも吹いてフォロー。枯れた味わいのあるメロディを2曲ほど。このユニットが出来るきっかけとなった曲「川越ランデヴー」も披露。rei harakamiの電子音をバックに、U-zhaanが川越にあるごぼう屋についてポエトリーリディングをし、サビをrei harakamiが歌うという曲。サビでは手を左右に振ったりとベタなアクションをしたりも。
後半になるにつれてなんともゆるゆるグダグダした感じで進んでいきました。川越にあるうどん屋のおばちゃんからなぜかインコをもらって「そば」と名づけて飼っていた話はおもしろかったです。アンコールはrei harakamiがギターを弾きながら童謡の「一年生になったら」、電子音メインで美空ひばりの「愛燦燦」。「愛燦燦」の最初のメロディをU-zhaanのフリューゲルホルンで、2番目がrei harakamiで。こう聞いているとrei harakamiは電子音楽奏者で普段はインスト曲ばっかりですが、うたがとっても好きなんだろうな、と思いました。ライブのセットを全曲誰もが知っている歌謡曲を電子音楽とタブラのアレンジで披露してもおもしろいかもしれないですね。
- 2010/08/02 Orquesta Nudge! Nudge! at 六本木superdeluxe
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2010.08.15 Sunday間が空いてしまいましたが、フジロックから家に帰宅した日のことになります。この日まで会社休みでせっかくなので、ライブに出かけました。前年フジロックのドラムサークルテントにひっそりと出ていた、打楽器集団Orquesta Nudge! Nudge!の単独ライブです。自分はこのバンド結構見ていますね、7回目くらいになるでしょうか。
コンクリートに囲まれた細長いスペースにある会場の真ん中に円状に打楽器が置かれています。客席は両サイドに置かれて、そのどちらからか見ることができます。スティールパンとバイブラフォンのみにマイクがセットされていますが、後の打楽器はノーマイク。リーダーの芳垣安洋はMCで「フジロックの後夜祭です」っておっしゃってたのがうれしかったですね、自分はまさにそんなつもりだったので。
最初は高田陽平、高良久美子、岡部洋一が登場し、ほんのりと音を重ね合わせるスティールパン、バイブラフォン、パーカッションのセッションから徐々に他のメンバーが登場し、パーカッションの音を増幅させていきます。そこからは3時間近くたっぷりとやっていました。「N'dung」「Sambabala」などの曲を。本編ラストが「Bunbaka19~Tinga!Tinga!」で、アンコールが「Hey! Nudge! Nudge!」だったかな?どの曲もいつもより、長めのソロを組み込んでいました。各演奏者が一定のリズムを打楽器や口ドラムで奏でるのを、芳垣安洋の指揮で組み合わせて演奏するお馴染みのコーナーもあり、唯一自由人として振舞える資格を与えられている岡部洋一は円の外を歩き回り、一定のリズムを奏でている演奏者に向けて、わざと狂ったようなリズムや、耳元ででかい音を出したりと、じゃまをしまくっています。前日フジロックに出演されていたらしく、ハードな移動等が応えたのか歩くのがしんどそうなご様子でしたが、いたずら魂の方が大きいようで。
ひたすら打楽器を積み重ねてぐいぐい押していくのでなく、すこしずつ違う打楽器をうまく組み合わせて曲として聞かせるものが多く、独特の編成ですが、楽しく聞かせますねー。もちろん音階をちゃんと奏でるスティールパンとバイブラフォンがあるのも大きいですが、パーカッションのみで演奏する曲達でも同様に思いました。Vincent Atmicusのところでも書いたかもしれませんが、芳垣安洋独自のポップ感がかなりつぼにはまるようです。
- 2009/07/11 Sunshine Love Steel Orchestra at 六本木superdeluxe
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2009.07.19 Sundayアルバム「Sunrise」発売記念ライブ。Buffalo Daughterの大野由美子とLittle Tempoの土生"TICO"剛、田村玄一が組むスティールパンのみのバンドで、1年前に1回見たことありますが、その時は3人のみで、今回はバックバンドメンバーも配してのライブです。
パーカッションに田鹿健太、ドラムに椎野恭一、ベースに松永孝義、PAでのミックスに内田直之。Little TempoとGOMA&THE JUNGLE RHYTHM SECTION組から3人ですが、ベースの松永孝義は元ミュート・ビートの方だそうで初めて見ます。仙人みたいな風貌でした。Little Tempoはスティールパンを核に置いているダブレゲエバンドですが、Sunshine Love Steel Orchestraはあくまでもスティールパンバンド。リズムもレゲエベースのものはあまりなく、ゆったりしたところは統一されていますが、バラエティに富んだものになってます。
前半はバックの演奏は控えめな音でした。3曲目、4曲目あたりのスティールパンの響きはぐっと来ましたねー。4曲目はカーペンターズの「Close To You」でした。
後半からは徐々に上げていく曲が増え始め、パーカッションとドラムの音もにぎやかになってきます。そしてゲストとしてさらにPanorama Steel Orchestraの原田芳宏も加わります。ものすごい手数でこれでもかと叩いてましたね。アンコールは確かLittle Tempoでも演奏していた曲。誰かのカバーなのでしょうか、親しみやすいメロディーが印象に残る曲でした。
胸のすく感じになれた素敵なライブでした。
- 2008/12/13 twin electric violins band , sgt. at 六本木superdeluxe
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2008.12.27 Saturdayエレクトリックバイオリン、ベース、ドラムの3人組バンドのsgt.アルバム「Stylus Fantasticus」発売ツアー。superdeluxeは初めて来ます。六本木ヒルズ近くにあるビルの地下1階、コンクリートむき出しで300人くらい入れるスペース。変わったビール(東京エールなど)が置いてあるのが良いですね。
仕事終わりでかけつけると、初めのtwin electric violins bandが始まっていました。ROVOの勝井祐二、益子樹、芳垣安洋に、定村史朗が加わった形。普段はニューヨークで活動されているエレクトリックバイオリン奏者で、今回来日されてあちこちでセッションを行われているよう。静かな場面と激しくなる場面が繰り返されるいかにも即興な展開で1時間ほど。大きく4つほどの波があったかと思いますが、2つ目と4つ目はドラムンベースなドラムでの演奏。特に2つ目の方はややゆったりのスピード感が、生演奏でドラムンベースをやり始めた頃(自分はAbstract Truthで初めて聞いた)を思い出されて良い感じです。そのリズムがだんだんばらけていって、その隙間を絶妙のタイミングで勝井祐二のバイオリンが埋めていく場面がとってもスリリングで良かったです。2つのバイオリンがからむ場面もユニゾンで決めたり、同じフレーズを交互に演奏したりとありました。
続いて、sgt.。ライブでは3人にサポートでギターが加わります。さらに曲によってはサックスとキーボードも参加します。アルバム「Stylus Fantasticus」からの曲が中心でした。初めて聞きますがCDでの印象よりかなり力強い印象があります。ドラマチックなロックといいたくなる感じで、がつがつしたリズム隊を優雅にエレクトリックバイオリンが舞う展開が中心。サポートのギターはノイジーになったり、バイオリンと同じフレーズを演奏したりと。エレクトリックバイオリン奏者は女性ですが、きれいなドレスを着ているのも優雅さに拍車をかけています。途中衣装チェンジまでありました。他の男性メンバーはごく普通のかっこだったので、その対比は意識的なものでしょうか。はりつめた感じで独特に展開される曲はかなり良かったです。また、ステージの後ろを3面に分けて映される迫田遥の映像も演奏にものすごく合っていました。白と紺色などの2色で点や線、木々などを映し出して時々入れられるオレンジなどの色が効果的でした。