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2023/03/05 People In The Box、sleepy.ab at 渋谷Club Quattro

 今年で15周年迎えるPeople In The Box。昔ツアーを一緒に回ったことがあるそうなsleepy.abを迎えての対バンライブ。sleepy.abは25周年になるそう。それぞれ1時間ほどのライブ。チケット売り切れで会場満タン。前目の上手から見ました。
 
 
 最初はsleepy.ab(これで「スリーピー」と呼びます)。見るのは1年ぶり4回目になります。北海道・札幌を拠点に活動しているボーカル/ギター、ギター、ベースの男性3人組で、サポートにドラムを入れた4人編成のライブでした。1年前と近しいセットリストだったと思います。半分は2020年1月に発売したアルバム「fractal」からの曲で、このアルバムお気に入りなのでうれしかったです。また、前回はほとんどステージ見えない中聞いていたのですが、今回はほどよく見れる、とりわけステージ前中央で座って演奏するギター山内憲介の姿が見れる位置で興味深く演奏する姿見ました。
 
 山内はピックを使わずギターを演奏するスタイルで、弦をなでるかのように弾いて音を出すのがとてもおもしろい。出てくる音も不思議な感覚を与えるもの。最初にやった「cactus」はボーコーダー使っていたり、最後にやった「ねむろ」のインストパートでは小型キーボード使っていたりしましたが、その他はギター専念。今回アルバム「fractal」で一番好きな「promise」を初めて生で聞けて感激したのですが、印象的なリフはキーボードで出すのかと思いきや山内のギターで出していたのにびっくり。あの音色どうやって作り込んだんでしょうかというくらいの聞こえ方でした。
 
 淡い世界観、幻想的に聞かせるアレンジが中心の演奏ですが、曲によりサイケだったり、力強いリズムでぐいぐいと聞かせてきます。前回のライブでも聞かせていた「sonar」「euphoria」の連続は上がりますね。途中ボーカル/ギター成山剛のギターセッティングに時間かかるということで話つないでおいてと言われ、ベースの田中秀幸がPeople In The Boxのドラム山口大吾からよくいじられているという話をします。詳細なエピソードは忘れちゃいましたが、田中が山口へサインを渡すことになり「人のサインはなかなか捨てられないという」いやがらせになってしまったという笑い話になっていました。
 
 余談です。この日披露した「アンドロメダ」「fog」「sonar」はそれぞれ別アーティストの同名曲を思い出しちゃいました。それぞれ好きです。「アンドロメダ」はaiko、「fog」はayutthaya、「sonar」はクラムボン。
 
 
 続いてPeople In The Box。8年ぶり3回目と久々に見ます。ボーカル/ギター、ベース、ドラムの男性3人組バンド。こちらも歌は淡い印象のメロディのものが多い印象ですが、演奏はsleepy.abとは違う世界で聞かせます。一曲の中でリズムパターンが次々と変わっていったり、ドラムだけ違うリズムで聞かせるといったポリリズム的な要素も入れていったり、激しく音をかき鳴らす場面を入れてきたりします。朴訥とした歌いっぷりの中に刺激ある音をそこかしこに入れてマッチさせる聞かせ方が刺激を受けます。
 
 新曲と言っていた曲ではBメロで一部のメロディのみベースのリフと沿った形で歌ったりするのとかおもしろいなと思いました。ラストの曲は力強いブルース調のメロディとギターで、こういった演奏の中に入れ込んでくるのもすごいなと。自分がこれまで聞いてきたライブは全て3人編成でしたが、確か以前はサポートメンバーも入れてライブやった時があって、ギターで照井順政(ハイスイノナサ)がサポートしてた時もあったんですよね。その時期のライブも見てみたかったなーと。
 
 以前見たライブではドラム山口のエコーかかったMC専用のマイク使ってのパチンコ店員かのような話しぶりにびっくりしたのですが、今回雄叫び口調で話すのは少なめで通常モードで話をしていました。先輩だけどベースの田中さんをどうしてもいじりたくなってしまうと。ボーカル/ギター波多野裕文がそれ聞いて「今日楽屋に田中さん入った時に山口いないの?と少し寂しそうに言っていた。田中さんは自分からいじられにいっているのではないか。」と。
 
 People In The Boxは15周年だが、sleepy.abは25周年。仲良くさせてもらっているが尊敬していると。波多野は今日のリハーサル聞いていてその段階から感極まるものがあったと言っていました。地元の福岡にいた時にタワレコの試聴機でsleepy.abを聞いてから好きだったと。

 

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 21:47
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2022/08/10 LITTLE TEMPO at 渋谷Club Quattro

 4年ぶりに見るスティールパンを中心に華やかなダブレゲエを奏でるインストバンド、Little Tempo。アルバム「LOVE MAX」発売記念ライブ。スティールパン、スティールパン/スティールギター、サックス、キーボード、ベース、ドラム、ギター、パーカッション、ミックスの男性9人組。この日はスティールパン/スティールギターの田村玄一が欠席で、サポートにチェロパン大野由美子、テナーパン福田美由紀、ダブルセカンドパン平田美月、ペダルスティールギター宮下広輔を加えての12人編成。大野はBuffalo Daughterでお馴染み、宮下はTurntable Filmsのサポートで拝見したことある方。
 
 最初にやった3曲はアルバム「LOVE MAX」の1〜3曲の順で披露します。ボサノバなギターから入っていなたい感じに聞かせる「Summer Saudade」、軽快なリズムでかわいらしく突き進む「Winey Rock'n Roll」、夜の海でゆらゆらと波が漂っているかのような情景が浮かぶ「Starlight Serenade」。これまで聞いてきたLittle Tempoのライブより低音の強調は弱めで、上音の方をよりしっかりと聞かせてくるやわらかいライブといった印象でした。程よく揺れることができるリズムとダブミックスにゆらゆらしながら親しみやすい侘び寂びあるメロディを堪能。
 
 過去曲も入れ込みます。「無能の人」や(ちょい自信無し)「BEAUTIFUL RAIN」など。中盤はまったり聞かせる曲多め。ギターの小池龍平(bonobos)は2,3曲でガットギターを弾いていました。インスト曲のバンドって、タイトルから導かれる印象の音を出すなーという曲名が多くて「あかりの灯るころに」なんてぴったりだなーと。
 
 アルバムタイトル曲「LOVE MAX」はとろとろ甘く溶け出すようなメロディを堪能しまくれる曲。そしてここから上げモードになっていきます。「Wheels On Fire」はノリノリで聞かせてきますが、今まで聞いてきたよりやわらかな印象ありました。本編ラストは「Over the Rainbow」で軽やかに華やかに締めました。
 
 アンコールは2曲。ラストはキーボードHAKASEがステージ前方に立って鍵盤ハーモニカを弾く「赤いディーゼルカー」をしっとり、郷愁たっぷりなメロディを弾いて聞かせていました。以前のライブでもHAKASEが鍵盤ハーモニカを演奏する曲(「ときめき☆リダイアル」)で締めていたことありましたが、特別感あって良いですね。
 
 各楽器のソロもあちこちに入れて聞かせて、それぞれの奏者の個性ある音を堪能しつつ、バンド全体のアンサンブルもすごいなーと浸り切りました。アンコール含め1時間40分ほどのライブは幸せ空間満載なライブでした。

 

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 09:38
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2022/06/03 tricot、yonige at 渋谷Club Quattro

 前日に続いてクアトロでライブを見ました。女性ボーカル/ギター、女性ギター、女性ベース、男性ドラムの4人組tricotのショートツアー。この日は対バンでyonigeを迎えます。自分のいた位置だとステージは下手と中央前方のみ見える位置から見ました。
 

 
 まずは去年のフジロックで数曲見て以来2回目となる女性ボーカル/ギター、女性ベースの2人組バンドyonige。サポートに男性ギター、男性ドラムがつく4人編成。45分ほどのライブ。黄昏感、童謡みたいに感じられるものなど、落ち着いたメロディの曲をミドルテンポのリズム、時々轟音を交えての演奏に載せます。歌いっぷりや音の質感が好みで聞き入りました。2組の対バンは2019年のLiquid Room以来とか。今回、tricotのボーカル/ギター中嶋イッキュウがyonigeのスタッフに会って、その時に誘われたそう。
 
 yonigeメンバーとtricotの吉田雄介はゲーム仲間だそうで、対バンとか共演ある時は吉田から言ってくれるはずなのに、今回言ってくれなくてなんで?と思っていたら中嶋が独断で決めて誘っていて、他メンバーが知らなかったそう。メンバー同士仲が良いそうで、この日のライブ前も楽屋で「ここでは言えない女子トークをたくさんした。」そうな。その女子トークの中に吉田さんもいらっしゃったんですかね。
 
 
 続いてtricot。アンコール含め1時間半ほど。毎度すごいライブだなーと。一曲の中で油断ならないトリッキーなアレンジがふんだんに盛り込まれ、リズム取りが難しい。これを時には(主にギターのキダ モティフォ)踊りながら弾いたりするのがすごい。自分から見えたメンバーがキダとベースのヒロミ・ヒロヒロだったので2人をずっと追う形になったのですが、演奏だけでも大変そうなのにきれいなコーラス、激しいアクションとまあすごいですね。「ブームに乗って」の2コーラス目とかあんなに複雑なアレンジだったけっかというくらいの目まぐるしい展開でした。それでいてサビがさわやかでポップなメロディで聞かせてくるのがおもしろいです。
 
 中嶋がボーカルに専念する曲も2,3曲ありました。「WARP」は短いイントロで歌に入っていく曲で、ファンキーなリズムが続くと思いきやテンポがいきなり変わって溜めを作ったかのように聞かせてサビに入り、また2コーラス目はファンキーモードに戻っていくという。「WARP」とともにラップ調で歌うパートがある「カヨコ」は、展開はいろいろ変わるものの全般には穏やかに聞ける曲です。
 
 終盤にドラムがサンバのリズムを取る中、他メンバーが楽器放り投げてダンスしたりと小ネタを長々やる「庭」は今回ネタ部分は短かったです。中嶋が小道具をマイクに近づけて振るとなんかのセリフ(失念)を言うのですが、時々違うセリフが出るようで、それが出るまで振り続けます。割合早めに出て演奏に戻ってました。おっ出たというメンバーのリアクションが楽しい。
 
 アンコールラストは久々に聞く気がする「メロンソーダ」でした。曲のラストで中嶋がオフマイクで「ありがとうございましたー」と言って締めの演奏に入るの毎度いいなーと思います。MCでは対バン相手のyonigeに触れ、野外フェスで楽屋が一緒だった時、ずっと蟻を追ってたんだとか。9月に行うライブではオープニングアクトでtricotのコピーバンドに演奏してもらうということで「是非応募してね。」と。現在のドラム吉田も募集だったようで、「ドラムメンバー募集で200人応募があった。」そうな。その中で一人だけオリジナル曲を送ってきて「メンバーになって下さい。」と言った人がいたと。「危うく吸収されてtricotが無くなるかもしれなかった。」。
 
 余談です。tricotは先日24時間Youtube生放送をやったそうですが(出かけていて見てませんでした)、その中でホリプロ加入というサプライズ発表があったそうです(この日のライブでは触れず)。ホリプロは安藤裕子、KIRINJIなど意外なアーティストが所属してるんですよね。ジャンルがバラバラ。中嶋イッキュウは別バンドのジェニーハイでボーカル務めてますが、こちらのバンドのリズム隊は吉本興業だな、、と最初ニュース聞いた時思ってしまいました。まああくまでもtricotのマネジメントだけで、ジェニーハイは別ということだと思いますが。

 

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 12:40
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2022/06/02 MO'SOME TONEBENDER at 渋谷Club Quattro

 2日連続でクアトロでライブを見ました。まずは10年ぶりに見るギター/ボーカル、ベース、ドラムの男性3人組バンドMO'SOME TONEBENDER。東名阪のツアーの初日。今は個人活動多くて、3人集まってのライブは久々になるよう。ライブによっては、サポートにドラムを入れて、本来ドラムを叩く藤田勇がギターを担当する編成になることがあったのですが、この日は3人のみでライブしていました。クアトロは満員で立ち位置固定などの制約ある中、熱い反応が飛び交ってました。
 
 アンコール含め2時間近く、久々に見るライブはめちゃめちゃ素晴らしく熱く聞きました。初期の曲多くて自分がモーサムを聞き始めた2000年前半の頃を思い出しました。ベース武井靖典は飛び道具的に変なアクションや格好をしてくることが多いのですが、今回電飾付けた天使の羽を付けて登場して笑い取ってました。最初の2曲その羽を付けて演奏してましたが、演奏しにくそうな。。
 
 まず2004年に発売したアルバム「The Stories of Adventure」に収録されている1,2曲目からスタート。冒頭のリズム隊のザクザクした音から、あーモーサムだなとうれしくなりましたね。「GREEN & GOLD」は2曲目でこれやってしまうかのカタルシスありまくりの曲で高揚しました。打ち込み音やサンプリング音を使って曲を演奏することも多いモーサムですが、3曲目以降の数曲はシンプルに3つの楽器で演奏して、歪ある音や緊張感ある3人のやり取りを楽しみました。
 
 「パルス玉」はびっくり。聞いている時になんの曲だっけとなりましたが、後でどなたかが上げてくれたセットリスト見て、2000年のデビューアルバム「DAWN ROCK」に収録されている曲だと確認。ジャンクさもある音がめちゃかっこよく、こういった音をライブハウスで体感できてうれしい。キレあるギターリフとスピード感あるリズム隊の音に軽やかさもあるメロディで終盤に向けて高みに登っていくような「idiot」、2001年に発売したアルバム「HELLO」に収録されている1,2曲目の「冷たいコード」「HigH」を連続で演奏したりしたところとかは、かなり熱く聞きました。「HigH」のダダダダとリズムを積み重ねていく中で、百々和宏がぶっきらぼうに叫ぶように歌を歌っていくのとか最高だなーと。
 
 打ち込み音を積極的に導入するようになって、一番ライブ受けする曲になった感ある「We are Lucky Friends」は最初聞いた時にモーサムがこんな軽やかなシンセポップをやってしまうのかという戸惑いがありましたが、今では楽しく体揺らしながら聞いちゃいますね。2007年のアルバム「SUPER NICE」の最後に収録されている曲。この曲の後にこれぞモーサムというゴリゴリのロック曲「未来は今」をかましてくるのも良かったです。
 
 ライブ中のトラブル(打ち込み音出す機械が動かない、スネア故障で取替)にも動じず、即興でインストを演奏してつなぐなど柔軟な対応するのは、長いキャリアを重ねてきた余裕感あります。終盤は「ロッキンルーラ」「Dawn Rock」「凡人のロックンロール」と熱いロック曲を連チャンでかまして、「Have you ever seen the stars?」で落ち着かせ、本編ラストをスローでギターの轟音で染めて終わる「echo」で締めました。「echo」は自分がモーサムにはまるきっかけとなった曲です。聞けてうれしい。
 
 アンコールは酔いどれロックといった「ニッケ」という意外な曲で締めました。メンバー退場後もダブルアンコール求める熱い拍手がずっと続いてました。自分も追随して手拍子してましたが、マイクスタンドが片付けられてしまったところで諦めて退場しました。あの後どれだけ続いてたんですかね。MCで、結成が1997年でそこからすぐに解散しそうなバンドとか言われてきたけど、25年やってきているみたいなこと言って笑い取ってました。
 
 それ聞いて自分が初めてモーサムのライブ見たのが2001年のフェス(フジロックとロックインジャパン)だったので、結構すぐにブレイクしたんだなとか思ったり(いうても若い時の4年は長いかもしれないですが)、モーニング娘。とキャリアが一緒(モー娘。も1997年結成)なんだなーとか思ったりしました。このブログ書いている中でも「モーサム」と書こうとして「モー娘」となってしまったことが2,3回ありました。。

  

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 10:16
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2022/01/10 For Tracy Hyde at 渋谷Club Quattro

 6ヶ月ぶり4回目に見る女性ボーカル/ギター、男性ギター×2、男性ベース、男性ドラムの5人組バンドFor Tracy Hyde。去年の5月に予定されていた4枚目のアルバム「Ethernity」発売を受けてのリリースライブが延期(配信ライブは行われた)になって、この日無事に開催されました。ダブルアンコール含め1時間45分ほどのライブの感想を書きます。
 
 初めにベースMavとボーカル/ギターeurekaが登場。MavがPCからトラック流す中、eurekaがアルバム「Ethernity」の一曲目「Dream Baby Dream (Theme For Ethernity)」を歌い始めます。eurekaは黒いレースの髪飾り、フリルの付いた黒のシャツ、膝上のグレーのプリーツスカートと可憐な格好。このバンドがいくつか持つイメージの中で、華やかさとオシャレ感をビジュアル面から一挙に担っている感あります。
 
 他メンバーも登場して、アルバム「Ethernity」の二曲目「Just Like Fireflies」にそのまま突入。5曲目までアルバム収録順に演奏したのは、去年5月の配信ライブと同じ流れ。シューゲイズ/ドリーム・ポップといった要素が強い、トリプリギターが織りなす幻想的、映像的な音を作り出していて、そこに強力なリズム、きれいなハーモニーなどを聞かせて、そしてポップなメロディが轟音の中でもくっきり浮かび上がって耳惹かれまくります。
 
 曲終わりのアウトロ的に聞かせるインストをたっぷり取るところも多く、そこのジリジリとした感じもいい感じ。「Interdependence Day (Part I)」「Interdependence Day (Part II)」「Welcome To Cookieville」の流れとか特にその醍醐味が味わえ、「Interdependence Day (Part II)」のシリアスなインストあってこその前後の曲のポップさが弾けている感あります。「Welcome To Cookieville」の軽やかなリズムにほんのりとした覚醒感あるメロディの組み合わせは心地よく聞けます。
 
 中盤は過去曲からいくつか演奏。曲によってはゲストのサックス奏者が加わります(自分の見ていた位置からはクアトロ名物の柱が邪魔して見えず)。「Ghost Town Polaroids」は曲全体の印象は全然違いますが、ギターとベースリフがthee michelle gun elephant「世界の終わり」を思い起こしました。「Floor」は80年代シンセポップを思い起こすアレンジで、ギター轟音抑えめで甘酸っぱさを前面に出してくる曲でライブ全体の中で良いアクセントでした。
 
 自分がFor Tracy Hydeにはまるきっかけとなった3枚目のアルバム「New Young City」から4曲。「櫻の園」はライブ映えする曲という思いを強くさせるもので、全般に漂う淡い青春感あるメロディにギターの轟音が溶け込んでいくような醍醐味が毎度すごいと思わせられます。本編はアルバム「Ethernity」から「ヘブンリイ」「Sister Carrie」で締め。My Bloody Valentine的なアレンジに男女ツインボーカルでじんわり聞かせ、フッフフーと歌う部分はスーパーカー「Sunday People」を思い起こす「ヘブンリイ」、スピードあるリズムにアンセム感あるサビがラストにふさわしい「Sister Carrie」はカタルシスある流れでした。
 
 アンコールは現在制作中という5枚目アルバム収録予定の曲を3つ披露。前回のライブでも聞いた「Undulate」という曲はメロディは全然違いますが、アレンジがRadiohead「Airbag」を思い起こされるもので、音源化されてどんな感じになるのか楽しみです。ダブルアンコールはバンド結成後最初に作ったという「Her Sarah Records Collection」を披露してライブ完遂させました。この曲はザ・ギターポップといった感じで軽やかさ弾けますね。
 
 シューゲイズ/ドリーム・ポップバンドと名乗りますが、曲によってはグランジやファンク、ギターロックなど過去の偉大なアーティストからおいしい要素を少しずつ取り入れつつ、良いメロディと強力な演奏で個性的に作り上げていて、どの曲も聞いていて非常に楽しいです。5枚目アルバム発売とそれ受けてのライブもまた楽しみにしています。

 

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 11:18
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2021/10/23 clammbon at 渋谷Club Quattro

 キーボード/ボーカル、ベース/ギター、ドラムのお馴染み3人組バンドのクラムボン。去年配信ライブは見ていますが、生となると2年3ヶ月ぶりとなります。名古屋、大阪、東京のクアトロを巡るツアーの最終日。チケット発売当初は即完でしたが、緊急事態宣言終わってキャパが増えてチケット追加発売されたので無事取れました。床下に横70cm、縦50cmほどの仕切りがあってそこに1人立って見る形。後方からの鑑賞。2時間10分ほどのライブの感想を書きます。
 
 

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author:de nudge, category:live(Club Quattro), 12:33
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2021/05/03 For Tracy Hyde on live streaming(渋谷Club Quattro)

 女性ボーカル/ギター、男性ギター×2、男性ベース、男性ドラムの5人組。4枚目のアルバム「Ethernity」発売を受けてのリリースツアーが大阪と東京で予定されていたのですが、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)対策のために緊急事態宣言が発令されて、両会場とも対象エリアに入ったために、延期。元々ライブ生中継が予定されていた東京については会場の渋谷Club Quattroそのまま使っての無観客ライブとなりました。自分は会場にライブ見に行くつもりでしたが、追加で配信チケット買ってライブ見ました。
 
 ライブの感想の前に余談。この日の前5/2には、同じ渋谷Club QuattroでNOT WONKがライブやる予定でした。今年For Tracy HydeとNOT WONKのアルバムを同じ日に買っていたので、連チャンで同じ会場で見れたら最高だなー、でも5/2は既に別予定入れちゃったので、NOT WONKは見れない残念、なんてこと思っていました。結局両方とも延期になってしまったのですが。
 
 配信ライブですが、音めちゃよく映像とともにライブの迫力を存分に味わいました。1時間半弱のライブの感想を。
 
 

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author:de nudge, category:live(Club Quattro), 22:10
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2019/03/22 Khruangbin at 渋谷Club Quattro

 前述のイベントの後、御茶ノ水から渋谷へ移動。アメリカ・ヒューストン出身の男性ギター、女性ベース、男性ドラムの3人組バンドKhruangbinを見に行きます。初来日公演。1日2回公演の2回目に参加しました。イベンターsmash主催でたまにある海外の新進バンドでのライブハウス2回回し、1回目チケット即完売を受けての追加公演です。2回目も完売で21:30スタートと遅い時間ながら人ぎっしり。
 
 アンコール含め1時間20分ほどのライブはどこか奇妙ながらかっこよく見せる風情やいなせな音に感激しました。陽光眩しいサザンソウル的な音が主軸ながらカラッとしていず、東南アジア的なジメッと感がある湿度高めなサウンドといった感。タイの音楽の影響も多々あるそうで、ヘンテコなポップ要素もありつつ、ファンク、サイケ、ディスコなどの音を織り込んで行きます。
 
 曲はインストが中心、各奏者ボーカルも時折折り込みますが、コーラス的な歌い方で演奏の音に溶け込んでいくような歌声の入れ方が多いです。テケテケしたギターはいなたい感もありつつ、前述のいろんな要素を入れてきて音の楽しさが満載。ミドルテンポで心地よく聞いていると不意にブレイク入ったり、リズムパターンが変わったりと刺激もそこかしこに。長髪ストレートなギター、ベースのお二人はヘンテコな動きながらスタイリッシュといった感で、どの瞬間を切り取っても絵になるような振る舞いをしていました。
 
 瓶を叩き出したり、向かい合って前後にステップ踏みながら演奏したり、腰を左右にクネらせて演奏したり。女性ベースのLaura Leeは美人さんで白基調の花柄シャツにふわふわした形状のピンク、裾に白のラインが入っているミニスカートでかわいさ満点。アンコールは衣装替えまでしていて、銀のラメ基調にカラフルな色がそこかしこに入っているタイトなお腹見せるトップスとスカートを着ていました。演奏中に電話が入ってそれに出て今、東京にいるみたいな返答をするお茶目な演出もはまっていました。
 
 ギターも時折笑顔見せますが、基本演奏中は無表情のままキメキメのポーズをします。いろんなギターの音を入れ込む中、知っているメロディもあれこれと入れていたような。日本の曲も2つほど(1つは忘れましたが、「上を向いて歩こう」のメロディを入れてた)。そして本編終盤では有名なサーフミュージックの「Miserlou」の音を演奏してどっかんと盛り上げていました。後で知ったのですが、この曲を作ったDick Daleは先日亡くなられたそうで、その追悼もあったんですね。
 
 バンドって良いなーと終始ウキウキしながらライブ見てました。彼らは今年のフジロックにも出るよう。同じく出演するTempalay、TYCHOなんかと連チャンでの出演とかならいい流れで最高だろうなーと思ってたら、3組はそれぞれ別日の出演になるようですね。。と、妄想する以前に今年はフジロック行けるかどうか微妙なのですが。
 

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 07:34
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2017/01/21 ハンバート ハンバート at 渋谷Club Quattro

 女性ボーカル、男性ギター/ボーカルの2人ユニットであるハンバート ハンバート。毎年ライブ初めは東名阪のクアトロを回っているそうで、この日は東京のクアトロで。客席の前方は椅子席が置かれていました。クアトロの椅子席って初めて。自分は整理番号遅く後方の立見席で。チケットは売り切れですが、過剰に人を入れすぎず比較的余裕がある状態で見れました。クアトロのぎゅうぎゅうっぷりはしんどいのでちょっと覚悟してたのですが良かったです。
 
 45分ほどのライブを2セット、休憩やアンコール含めて2時間ほど。最初のセットはまったりトークはさみながら静かな曲中心。次のセットは冒頭でグッズ紹介のMCがあったのみで、合間のMCなく静かな曲から徐々に盛り上げ曲という構成でした。最小の編成ながら歌の良さ、心地よさ、楽しさが味わえる鉄板と呼べる素晴らしいライブ。
 
 オリジナル中心ながら意外なカバーも入れてきて、既に音源で聞いたことある電気グルーヴ「N.O.」の他にMongol800の「小さな恋のうた」も披露。2人の歌パート分けがおもしろく、少し被せ気味にして歌う部分とか単なるアコースティックカバーだけでないおもしろさがあります。
 
 後半最初にゆるい空気の中でグッズ紹介をした直後に歌った、自殺未遂の歌にはビビりました。練炭使っての自殺に失敗して、病室で意識が朦朧とする中で記憶を呼び起こそうとしたりすることを静かに佐野遊穂が歌い上げるのをしんとした中で聞き入りました。そこから2,3曲は佐野がせき込み、声に詰まる場面もありましたが、徐々に持ち直して後半の盛り上げ曲につなげます。ここまでは黙って聞き入っていたお客さんも手拍子や歓声を入れるように。本編最後の「おいらの船」はゆるめなラップも入れたりするのですが、お客さんからの「ウォイ」みたいなコールまで含めてゆるくてほんわかした楽しさがあります。
 
 佐藤良成はアコースティックギターだけでなく、バイオリンやピアノ使っての演奏もします。アンコール最初にやった曲は佐野が歌っている中で、次々と楽器を変えていくというもの。ギターからピアノのチェンジに少し戸惑って佐野の歌を即興で少し伸ばしてうまいことつなげていたところとかおもしろいなーと。そしてひとしきり盛り上がった最後でしめやかに「ぼくのお日さま」を。この曲大好きで毎回聞く度に胸にこみ上げるものがあるのですが、これを最後の締めとして聞けたのうれしかったです。
 
 ボヤキ夫婦漫才と呼びたくなるMCは主に佐野が身近な話題をしゃべって、それを「ウンウン、そうだよねー」と相槌打つ佐藤が時折話を膨らませていくってな感じで進みます。この日会場に行く前に、佐野は家で豆を煮ていて破裂させたとか、佐藤は正月兄妹の家に行って甥っ子から長い耳毛が生えていると言われて、この日剃刀で取ろうとしたところ指切っちゃったとか、「大切なライブある日にやるもんじゃないねー。」と。
 
 佐野は正月に友達と古いバーへ行って、そこへキスチョコが出てきて、「そりゃまた懐かしいねー。」と。オレンジ色のチョコはオレンジ味なのかどうかでやんや言っていました。佐野は最近トイレに初めて芳香剤を入れてみたら匂いが強烈すぎたので、ジップロックをかぶせたと、そうしたら1週間ほどで匂いが無くなってしまった(芳香剤買った意味って…)と。そういった「半径1メートルの世界」をおもしろおかしく語っていくのが良いですね。スマートフォンを新幹線に忘れて東京駅に取りに行って、帰りの新宿にある宮崎県のアンテナショップでお昼食べたって話題だけであれだけしゃべれるのもすごいなと。
 
 ただ、聞いていておもったのですが、お2人夫婦でありながら一緒に住んでいないのかしら?と思ったり。トイレの芳香剤とか日常な話題とかはふだん共有していそうなもんですけど、お互いの話を新鮮さ持って聞いていました。そういったのも芸風なのかもしれませんが。

 

author:de nudge, category:live(Club Quattro), 10:56
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2016/03/04 indigo jam unit at 渋谷Club Quattro
 2ヶ月ぶり5回目の大阪出身のピアノ、ウッドベース、ドラム、パーカッション/ドラムの男性4人組ジャズバンドを見ます。アルバム「Lights」発売したことを受けてのツアー。去年初めて見たQuattroで見ることになります。当日券で入ったのですが、会場満タンでびっくり。奥の隅っこからメンバーが時折見えるくらいの位置で見ました。これまでのライブではグラウンドピアノでの編成しか見たこと無かったのですが、この日はキーボードを使用(こちらの方が通常スタイルのよう)。そのせいかポジションが替わっていましたね。打楽器二人がステージ左右に位置してキーボードとウッドベース2人が中央奥に位置します。

 3曲ずつ演奏してベース笹井克彦かパーカッション/ドラム和佐野功が軽くMCを入れていって、アンコール前にドラム清水勇博がグッズや先の予定の案内をするMCをするという構成はお馴染み。かっこよすぎる演奏から少し脱力した話っぷりがそれぞれおもしろい。アンコール含め2時間に渡るライブはもうかっこよすぎて、満員のお客から拍手喝さい浴びてました。

 ライブスタートはアルバム1曲目でもある「commons&sense」からスタート。混沌を極めるような各楽器から鳴る音のやり取りがすごくスリリング。そこから「Dawn」とアルバム曲順にやっていくのかしらと思いきや、前作「Indigo Jam Unit」から「Horizon」。後半の展開が音源やこれまでのライブから少し違う印象で、ドラムの激しさをより際立たせていたような。

 アルバム「Lights」の収録曲は全部やったかと思います。とりわけこの日つぼにはまったのが、キーボード樽栄嘉哉から出される静かな旋律がすごくキレイな「Memories」、ぶっとく低く猥雑さも感じさせるベースのリフを軸として情緒的なキーボードのフレーズと清水から出される細かいリズムのドラムと和佐野から出される跳ねるようなドラムがからんでいく「Underground」。

 本編ラスト2曲は怒涛の盛り上がりでした。特に鉄板とも言える「2×2」は毎度すごいです。個人的にツインドラムの醍醐味を味わえるといったらこの曲(とROVOの「CISCO!」)を真っ先に挙げたくなるほどで、「2×2」は終盤ピアノ×ドラム、ウッドベース×ドラムのコンビで代わる代わる演奏していって、その切り替わりの間隔がどんどん短くなっていって、4人の音が一斉に鳴らされたところで爆発するという展開が最高です。

 今年の夏に活動休止を宣言していて、東京に来る予定はあと1,2回あるかどうかとのこと。本当はこのツアーでどこか地方でやるライブも一個は行ってみたいなーと思っていたのですが、ちょっと難しそう。また単独ライブを見る機会があることも願いつつ、フェスとかでも見たいですね。特にKAMASI WASHINGTON、ROBERT GLASPER EXPERIMENTとジャズなメンツが決まっているフジロック出演を期待したいところです。
 
author:de nudge, category:live(Club Quattro), 11:49
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